「ヤング・アダルト・ニューヨーク」を観てきました。
ストーリーは、
8年間も新作が完成していないドキュメンタリー映画監督のジョシュと、妻のコーネリア。40代になり、人生にも夫婦にも何かが欠けていると感じるようになったある日、ジェイミーとダービーという20代のカップルと知り合う。時代に乗り遅れたくないとSNSに縛られる日々を送る自分たちに比べ、自由でクリエイティブに生き、レトロなカルチャーを愛する若い2人に刺激を受けたジョシュとコーネリアは、再び活力を取り戻していくが……。
というお話です。
ドキュメンタリー映画監督のジョシュと妻のコーネリア。2人は40代になり、友人たちは子育てに忙しくしているのだが、2人は子供を持たず、悶々と暮らしていました。ジョシュは、8年も新作を発表しておらず、ずーっと撮影をしているばかり。妻のコーネリアは、有名監督の娘であり、映画のプロデュースもしているのですが、夫の新作が出来上がらない事に、ちょっと不安を感じています。
ジョシュは、監督業ではお金が入ってこないので、大学の講師をしており、そのクラスに生徒としてやって来て居たジェイミーとダービーという夫婦に出会います。2人は、とても個性的で魅力的であり、ジョシュは、今までに無い感覚を覚えて、2人を気に入り、のめり込んでいきます。
妻のコーネリアもジョシュに影響され、ジェイミーとダービーにのめり込み、夫婦そろって、ジェイミーが作るドキュメンタリー映画を応援する事にしてしまいます。しばらくして、ジェイミーの作っているドキュメンタリーの関係者が、おかしなことを話しているのがジョシュには気になってきます。どうも、ドキュメンタリーと言いながら、なにかヤラセ臭い感じ。あれ?と思い、調べ始めると、出てくるわ出てくるわ、映画に描いている事とは違う事がいくつもあり、それはドキュメンタリーではないと怒るジョシュに、平然とちょっとした違いだからと言い放つジェイミー。そして、ジョシュに近づいたのには、ある意味があった事に気が付きます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
これ、きっと真実なんだろうなと思うんです。ドキュメンタリーと言いながら、都合の悪い所はカットする訳だし、先に話を付けておくんだろうし、今の映像界のドキュメンタリーに、真実のドキュメンタリーなんて存在しないと、私は思っていたのですが、やっぱりねって思いました。
そりゃそうだよね。だって、TVのニュースとかを観ていても、事件が起こって、友人に話を聞いたとかいう場面があるけど、良い人でしたか?と聞かれて、はい、良い人でしたと答えてるでしょ。でもね、その後に、”でも変態でした。”とか、言っているかもしれない。それを切っちゃっている訳でしょ。政治家の話でも、不倫した人の話でも、TVに都合の良いように編集をされてしまう。

映画だって同じです。好きなように編集してしまうし、都合の悪い事は聞かないんでしょ。まぁ、映画は、フィルムの時間も決まっているし、ダラダラ流していても仕方ないとは思うから、編集するのは当たり前なんだけど、でも、それをドキュメンタリーだからと言って、真実だなんて思わない方が良いと言う事です。だれもが、自分の都合の良いように、自分を良く見せるように演出をしているんです。
この映画でも、それを良く描いていました。確かに、間違った事は言っていないかも知れないし、映画なんだから、仕方ないのかも知れない。でも、このジョシュは、やっぱり、それが許せないんです。そこが、ステキだけど、悩ましいところですね。ドキュメンタリーと言いながらも、嘘が付けない監督は、監督としてはダメなのかも知れない。それは、仕方のない世界かもね。
そんなジョシュを愛して、いつも付いていてくれるコーネリアのおかげで、ジョシュはきっと立ち直れるんじゃないかな。やっぱり、妻の愛って大切よねぇ。夫の愛も大切なんだけどねぇ。誰か、助けてくれる人が近くに居るって事は、しあわせなことです。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。ドキュメンタリーという”もの”の性質をしっかり描いていて、映画を良く観る方には、良く解って貰えるかなと思いました。私は、元々、ドキュメンタリーを真実とは思っていませんが。私、ひねくれているのでね。(笑)出演者もステキなので、楽しめますよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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