「ルドルフとイッパイアッテナ」の完成披露試写会に行ってきました。
ストーリーは、
大好きな飼い主と離ればなれになってしまった黒猫ルドルフは、長距離トラックの中に迷い込んで大都会・東京にたどり着く。そこでルドルフは大きなボス猫イッパイアッテナと出会い、一緒にノラ猫として暮らしはじめる。ところが、イッパイアッテナには思いがけない秘密があった。
というお話です。
黒猫のルドルフは、岐阜の一軒屋に住む家族に飼われていました。その家の女の子リエちゃんが、ルドルフの飼い主。とても可愛がってくれていて、ルドルフはいつも一緒に居たかったんです。リエちゃんがお使いを頼まれて、それに付いて行きたくて、急いで玄関の扉を開けて追うのですが、リエちゃんは見つかりません。探していると、危ない目に何度も合い、魚屋さんに追われて、飛び込んだのはトラックの荷台。疲れて眠ってしまったルドルフが起きると、そこは、東京の下町でした。
ルドルフは、何故、そんなところに居るのか、そこがどこなのか、全く分からず、フラフラしていると、大きなトラジマの猫”イッパイアッテナ”に出会います。彼は野良で、色々な場所に行く度に違う名前を貰っていて、ルドルフに”名前はいっぱいあってなぁ。”と話したところ、ルドルフが間違えて”イッパイアッテナ”というのが名前かと勘違いしてしまったんです。
イッパイアッテナは、ルドルフに、今、何処に来てしまっているのかを教え、簡単には家に帰れないことを教えます。そして、帰りたければ”学”を身に付けろと言われ、文字を覚え、地図を覚え、野良として生きる事を学んでいきます。
色々な事を学んだルドルフは、その町内会の旅行が岐阜だと言う事を知り、その旅行のバスに乗り込んで家に帰ろうと計画を始めます。イッパイアッテナは、旅立つルドルフにある事をしてあげようとするのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。
んー、なんか、とっても可愛くって、切なくって、感動してしまいました。相手の事が好きで、相手の事を思えば思うほど、苦しませたくないから、知らせないでおこうとか、嘘を付いてしまおうとか、逢わずに消えてしまおうとか、色々な思いがありますよね。そんな想いが、この映画に詰まっていました。
猫の生活を描いているのですが、飼い猫だろうと、野良だろうと、名前が何だろうと、自分は自分だし、自由なんだって、イッパイアッテナが言うんです。それって、私たちに言っているのかなって思っちゃいました。どんな会社に勤めていても、どんな学校に行っていても、どんな家庭に産まれていても、自分は自分だし、何か、それによって変わる事は無いんです。良い会社に居るからって、その人が偉い訳じゃないし、良い大学に入っても、勉強は出来たのかも知れないけど頭が良いとは限らないし、お金持ちでも貧乏でも、洋服を着てご飯を食べるでしょ。同じなんです。
そんな事を考えていたら、どんな国の人だって一緒なんです。ヘイトスピーチとか騒いでいたけど、どんな国の人でも、日本に住んでいて、日本が好きなら、日本人なんです。日本が嫌いで、日本の事を悪く言って、日本を陥れようとするなら、それは日本人じゃないし、出て行って欲しいけど、日本を好きでいてくれる人達は、日本人でしょ。コミュニティの中で、他人に迷惑をかけず、仲良く楽しく、自由に過ごす事こそ、あるべき姿じゃないのかなって、イッパイアッテナを見ていて思いました。
そんなイッパイアッテナに育てられたルドルフは、正義感が強く、義理堅く、友達をとても大切にします。それは、”学”のあるイッパイアッテナに、沢山、色々な事を教わったから。猫だって、ぼんやり生きているんじゃないんですよ。ちゃんと勉強しているんです。人間も勉強しましょうね。私、我が家のフェレットにも、文字を教えてみようかしらなんて思っちゃいました。(笑)
猫が猫である為に、人が人である為に、何が必要なのか。相手が人だろうが、動物だろうが、相手を思ってあげることこそが、そこに生きて行く為に必要なモノなのでは無いかなと思いました。もちろん、お金も大切だけど、でも、まずは、相手を思いやらないとね。そうすれば、ちゃんと、自分の居場所が見つかるんです。自分が思っていたのとは違っても、そこに、自分の居場所が出来て行きます。それって、ステキな事ですよね。
なんか、この映画を観て、とっても感動しちゃいました。もちろん、ネコたちが、もふもふ毛皮で動いていたのも良かったですよ。走ると、ちゃんと小さな肉球が見えて、爪もちょっと出てくるの。そこら辺の描き方が、とっても細かいのよ。私は、動く時の肉球に見惚れました。もふりたくなったわぁ~!背景も、良く描けていました。猫目線での街だから、ちょっと普通と違って、街が大きく見えるんですよ。面白いです。
最後に、もちろん、声もピッタリでした。特に、イッパイアッテナの声の鈴木さん。あんなに声、低かったでしたっけ。ボスとか、タイガーとか呼ばれるような大きな猫にピッタリの低い声で、ちょっとビックリ。イッパイアッテナにピッタリでしたね。ルドルフの井上さんも可愛かったけど、今回は鈴木さんに一票でした。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。これ、子供に観せてあげて欲しいなぁ。友達の大切さや、勉強の大切さ、勇気を持って踏み出す気持ちや、相手を思いやる気持ちを、子供に教えてくれる映画です。まだ、分からなくても、きっと、大きくなるにつれて、解って行くだろうと思いますよ。もちろん、大人も、感動すると思います。私、自分は自分だって、改めて、強く思ったもん。自由なんだもんっ!(笑)ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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