「葛城事件」さすが赤堀さんと言いたくなるほど、衝撃的で印象に残る内容でした。スゴイです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「葛城事件」を観てきました。


ストーリーは、

親が始めた金物屋を継いだ葛城清は、美しい妻・伸子と共に2人の息子を育て、念願のマイホームも建てて理想の家庭を築き上げたはずだった。しかし、清の強い思いは知らず知らずのうちに家族を抑圧し、支配するようになっていた。長男の保は従順だが対人関係に悩み、会社をリストラされたことも言い出せない。そして、アルバイトが長続きしないことを清に責められ、理不尽な思いを募らせてきた次男の稔は、ある日突然、8人を殺傷する無差別殺人事件を起こす。死刑判決を受けた稔は、死刑制度反対を訴える女・星野が稔と獄中結婚することになるが……。

というお話です。


葛城事件

金物屋を営んでいる葛城清は、妻と息子2人との4人家族。家も建てて、家族4人、理想の家庭を築いたと思っていました。清は、親から譲り受けた店を引き継いだので、社会に出て揉まれた経験が無く、今の社会の辛さを知りません。そんな世間知らずの清の”常識”に振り回され、家族は長い間、息苦しい毎日を送っていました。

長男・保は、優等生タイプであり、順調に学校を卒業し、就職をしました。そして、幸せに結婚をして、妻は妊娠しています。そのまま順調に行くかと思っていたのですが、優等生が故に、営業職でのノルマ争いには向いておらず、会社をリストラされ、それを家族に話せずに、毎日、公園へ通う状態が続いています。

次男・稔は、引き籠りタイプであり、アルバイトを始めては、直ぐに辞めてしまい、欝々とした毎日を過ごしています。本人は、思い通りに行かない事にイライラしていて、それを何度も清に咎められるので、イライラが頂点に達して、とうとうナイフを持って地下道に行き、無差別殺人事件を起こしてしまいます。

葛城事件

理想の家族だと思っていた清だったのですが、次男の突然の狂乱に驚き、何故、自分はこんなに努力して、家も建てて、家族を守って来たのに、こんな事になるんだと妻を責めます。妻も、もう、夫の自己中心的な考え方に付いて行けず、心を閉ざしてしまう事に。

次男・稔は、死刑判決を受けて、死刑囚となります。そこへ、死刑制度反対を訴える女・星野が現れ、稔と獄中結婚をする事になります。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

葛城事件

この映画、凄かったです。これ、劇団シャンプーハットで上演した演目なんですよね。私も、これ、観たかったのですが観る事が出来ず、この後の公演から、シャンプーハットの公演に行くようになりました。でも、シャンプーハット、今、休止中なんですよね。赤堀さん、忙しいから仕方ないのかしら。また、公演をして欲しいな。

まず、主人公は父親の葛城清です。あまりにも強烈なキャラクターなので、三浦さんだと、良いお父さんになっちゃうんじゃないかと思ったのですが、イヤイヤ、全く違いましたね。三浦さん、本当に良い役者ですねぇ。驚いてしまいました。もちろん、今までの役も良いですが、この役、素晴らしいです。あの三浦さんからは考えられないほど、傲慢な男で、私、ちょっと、”緒方拳”さんを思い出しました。緒方さんも、優しい役も出来て、恐ろしい役もやられていて、凄い方だったので、久々にゾッとする父親役を観たような気がします。

葛城事件

この父親、妻や子供たちが、何故、何も言わないのか、全く解っていないんです。あんたが、自分の常識を押し付けて、世間の常識とズレてしまっている事に気が付かないから、家族が凄く気を使わなくちゃいけない事になっているのに。でも、こういう親父っていますよね。オッサン、ズレてるよぉって教えてあげたいけど、言ってあげても、全く理解が出来なくて、お前が間違っていると言いきっちゃうんです。本当にこういう人って、困るよね。一度、どこかで大恥をかけば分かるのかも知れませんが、きっと、それでも、このオヤジは、俺は間違ってないって胸を張るタイプだろうなぁ。手の付けようが無いですね。

葛城事件

そして、死刑制度反対の女が出てくるのですが、これも、良く居るタイプですねぇ。こういう女って、自分が好きでたまらないんでしょうね。可哀想な人の為に、私が力にならないととか言っちゃって、自分が素晴らしい人間だと思っちゃってる、これも、ちょっと(キ)が入っちゃっている人だと思います。


死刑制度反対というなら、その対案を作るべきじゃないの?いくら殺しても死刑にならないなら、1人にしておこうとか思わずに、沢山殺しちゃうんじゃないの?1人でも5人でも一緒なんでしょ。だったら、沢山殺しちゃうって人、居ると思うけど。キレイ事言っている人には理解が出来ないと思うけど、人間の中には憎しみという感情があるから、最後は、殺人に結び付くのよね。そのスイッチを入れるか入れないかだけなの。私だって、何か引き金があったら、してしまうかも知れない。


葛城事件

それにしても、ずーっと父親に抑圧されているって、辛いだろうな。まぁ、どんな家でも、父親の言う事は聞くことってベースがあるだろうけど、でも、家庭の基本を決めるべき父親が曲がっていたら、どうしようもないですもんね。それって、その父親の両親の教育が間違っていたという事ですよね。もう少し、清が柔らかい人間なら、母親・伸子も口出しが出来て、少しづつでも矯正出来ただろうに、これじゃ無理よね。本当に可哀想でした。まず、おかしいと思ったら、母親が子供を連れて家を出て、それでもダメなら離婚しなくちゃ。でないと、全員がおかしくなって行ってしまいます。


葛城事件

とにかく、衝撃作品でした。気持ちの良い作品では無いのですが、これは観るべきでしょ。内容も凄いし、演出も凄いし、まして、役者の演技がスゴイっす。これは、今年の1本に入ると思います。ぜひ、観てみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ





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