舞台「マクベス」を観てきました。
ストーリーは、
スコットランド王に忠誠を誓うマクベスは、反乱軍を打ち負かした戦場で魔女と出会い「お前は王になる」と予言される。我が子を亡くして悲しみに暮れていたマクベス夫人は予言を聞き、夫を王位に就かせようとスコットランド王の暗殺計画を強引に進めるが……
というお話です。
これも、もう何度も観ているマクベスなので、細かい説明は省きますね。

今回、野村萬斎さん版マクベスでした。もちろん、お話は、マクベスなので、全く変わりませんが、演出がとても美しく、日本風というのか、狂言っぽいというのか、”蜷川マクベス”とは違う、日本のマクベスが観れたかなと思いました。
このマクベス、2008年から演じられているようで、海外公演を何度もされているようですね。舞台の横に字幕が出るようになっていたので、あれ?と思いましたが、すべて英語で字幕が出ていました。
演じるのは5人で、マクベスとマクベス夫人以外の、荒野の魔女、バンクォー、ダンカン、マクダフなどは、全て、3人の俳優が演じています。この3人の方々が素晴らしくて、天井桟敷や万有引力という劇団に所属していた方のようで、もうベテランのベテラン、完璧な舞台になっておりました。これだけ凄い舞台を観せられてしまうと、もう、感想が、凄いとか、素晴らしいとか美しいとか、そんな言葉しか出てきません。

大きなセットが組んである訳では無く、舞台の真ん中に、丸い穴がある壁が出てくるだけで、舞台上には美しい円形のマットが敷かれているだけ。それ以外は、ほとんど無いんです。そして、音楽が、日本の古典音楽っぽくて、尺八や三味線などを使って、マクベスの不安をかきたてていきます。
萬斎さんのマクベスと、鈴木さんのマクベス夫人は、夫婦であり、母息子のようでありました。息子が気弱になっているのを、叱りつけて、先へ進まそうとする母親のようで、このマクベスという話は、確かに、夫婦の話ではあるけど、いつまでも母親の庇護から抜け出せない男性の性のようなものも見えて、面白いなと思いました。マジで、こういう夫婦って、居るもんね。

この舞台は、言う事ありません。素晴らしいです。これ以上の言葉は無粋と思われるほどの内容なので、もし、これから観に行かれる方がいらっしゃるようでしたが、絶対に楽しめるので、安心してください。この舞台、出来れば、少し上から観た方が良いかも知れません。私は、2階で観たのですが、上から見ると、壁の円と床に敷かれた円が、上手くリンクしていて、床の円の模様が、とても美しく見えました。1階だと、円が楕円に見えてしまって、模様も全て見えないと思うので、もし、出来たら、上から観てみる事もお薦めいたします。
私は、この舞台、超!お薦めですよ。もし、チケットが手に入るようなら、ぜひ、観るべきです。1時間半くらいなので、立ち見席でも頑張れるかも。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「マクベス」 https://setagaya-pt.jp/performances/20160615macbeth.html
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