「世界から猫が消えたなら」の試写会に行って来ました。
ストーリーは、
脳腫瘍で余命わずかと宣告された30歳の郵便配達員の青年の前に、青年とそっくりな悪魔が姿を現わす。悪魔は青年に、大切なものと引き換えに1日の命をくれるという。電話や映画、時計など大切にしてきたものが次々と失われていく中、青年は元恋人と再会を果たし、かつての思いや別れの時を思い出していく。親友や疎遠になった父の思いに触れ、亡き母が残した手紙を手にした青年は、人生最後の日、ある決断を下す。
というお話です。
郵便配達員をしている僕は、ある日、頭痛を感じて病院へ行く。すると、脳に大きな腫瘍が出来ていて、既に、いつ破裂してもおかしくない状態であると言う。手術も難しいので、もう、わずかしか生きられないと言う事を告げられ、あまりのショックに、何も出来ずにアパートに帰ります。
誰も居ないはずのアパートに、自分と同じ姿をした男が待っています。彼は悪魔だと言い、きみの命は明日にも消えるけど、何かを消せば、その分、1日、命が伸びるけど、どうする?と聞いてきます。まず、電話を消そうと言われ、ボクはOKしてしまいます。すると、電話に関する家族や友人たちとの歴史が全て消えて行きます。電話で出会った彼女や、他にも、自分の記憶の中にあった電話に関するものだけが、スッパリ消えてしまうんです。え!?と驚くボクでしたが後の祭り。仕方ない、命より大切なものなんて無い。
次に、映画を消しましょうと言われます。そして、映画がボクの歴史から消えて行きます。映画を介して知り合った親友とも知り合いにならず、親友が居なくなってしまいます。いつも映画の紹介を熱く語ってくれていた友人が居なくなり、寂しくなるボク。
その後、時計を無くしたりして、今度は”猫”を消しましょうと言われます。ボクは、猫を小学生の頃から飼い始め、お母さんと一緒に可愛がっていた思い出が沢山ありました。猫を消すと言われて、猫の”レタス”を可愛がっていた母親の事を思い出し、母が病気になり苦しんで死んだことも思い出されて、苦しくなるのですが、それでも、母親との絆であった猫を消すという決断が付けられません。でも、消さなければ自分の命が消えてしまう・・・。ボクは・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、私は、随分前に原作を読んでいたので、内容を解って、観に行ったのですが、これは、映画の方が良い!!と思いました。やっぱり、猫の力は強い!そして、私には、原作よりも、命というものが、とても大切なもののように描かれていたような気がしました。いや、もちろん、原作でも、命は大切なものとして書かれているのですが、ちょっと軽めというのかな、そんな感じなんです。でもね、映画だと、軽いという感じでは無く、人間1人の命は、小さなものかも知れないけど、でも、とっても大切なものとして、描かれているような気がしたんです。
彼女や親友との関わりも良く描けていたけど、特に、ボクの親との関係が、とってもステキでした。母親の原田さんが、もう、あまりにもステキで、美しかったです。あのね、予告でも流れている母親のセリフなんですが「あなたが生まれてきてくれた事で、私の人生がどんなに素敵で輝いていたか、あなたには解らないでしょうね。」っていうのがあるんです。これね、映画の中で聞くと、もう、号泣ものだと思います。
それだけ、母親が自分の事を思ってくれていたんだということが判るし、それに「あなたが生まれてきた時、お父さんが生まれてきてくれてありがとうって言ったのよ。」っていうセリフもあって、親の愛が溢れているでしょ。普段、口には出さなくても、親だったら、思っていると思うんです。だからね、自分の命を思ってくれている人が沢山いるんだと言う事に気が付いて欲しい。命は大切なんだって言っているようで、感動しちゃいました。
そして、猫ちゃん。もう、あまりにも可愛くて、ぎゅぎゅーってしたくなりました。だって、抱っこされていても、ずーっと大人しく抱っこされているし、自転車のカゴに入れていると、全く動かないし、とっても良い子なんです。”レタスちゃん”と”キャベツちゃん”っていう名前なんですけど、いやぁ、もう、可愛くて可愛くて、耐えられませんでした。我が家のフェレットは、抱っこしていると、直ぐに遊びたくなっちゃって、登ったり下りたり、大人しくしてくれないから、この猫ちゃん達、羨ましかったよぉ。
登場人物に名前が無いんですけど、それでも、全然問題が無いんです。不思議でしょ。それなのに、最近、観た映画の中で、ダントツに良かったです。佐藤くんも好きなんだけど、原田さんが好きなのよねぇ。マジでステキでした。この映画は、また観に行きたいなぁ。原作よりも、これ程に感動出来る作品って、珍しいと思います。必ず、ケチつけたくなっちゃうんだけど、この映画は、ありがとうって言いたくなったもん。
私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。これは、1人でも、親子でも、恋人でも、誰と言っても、凄く感動すると思うし、子供にも観せてあげたいなぁ。子供の頃には、深い意味は分からなくても、大人になるにつれ、意味が解って来るし、”死”というものを受け入れることの大切さも理解出来てくると思います。あー、私も、また観に行こうっと!ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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