【演劇】「アルカディア」現代に伝わる歴史は、もしかしたら解釈が違っているのかも知れない。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

舞台「アルカディア」を観てきました。


ストーリーは、


著名な詩人バイロンも長逗留している、19世紀の英国の豪奢な貴族の屋敷。
その屋敷の令嬢トマシナ・カヴァリー(趣里)は、住み込みの家庭教師セプティマス・ホッジ(井上)に付いて勉強中の早熟な少女。しかし、天才的な頭脳の持ち主の彼女の旺盛な好奇心には、年上のセプティマスも歯が立たない。


あるとき、屋敷の庭園の手直し用の設計図に、トマシナは何の気なしにあるかき込みをしてしまう。その何気ない行動が、約200年後の世界に大きな波紋を広げていくとは・・・。


そして、約200年の時を経た現代。


アルカディア

同じカヴァリー家の末裔ヴァレンタイン(浦井)、クロエ(初音)カス(安西)兄弟を巻き込み、バイロン研究家の大学の特別研究員バーナードと、バイロン研究のベストセラー作家のハンナは、バイロンの考察を戦わせながら、設計図に書かれていた不思議な数式の謎を解いていく。そして・・・。


同じ屋敷を媒介として、繋がって行く二つの時代と人々。
19世紀のトマシナとセプティマスの「歴史の中に消えて行った過去」は、現代に復元されるのか?そして、現代の2人が研究する真理への道は開かれるのか。


というお話です。


アルカディア

不思議なお話でした。これ、パンフレットを買わずに、普通に観ているだけで、人間関係を理解出来るんだろうか。私は、パンフを購入して、相関図を見たので理解出来ましたが、これ、見ていなかったら、私は、理解出来ていなかったかも知れません。だって、出てくる人物が多いし、まして、名前だけ出てきて、最後まで舞台に出てこない人も居るから、あれ?あの人って、誰だっけって、思っちゃうんです。

まず、19世紀の話ですが、とにかく、皆さん、下半身がだらしなさ過ぎ~!(笑)なんで、そんなにあっちもこっちも、不貞を働いているわけ~!貞操を守ってよぉ。そんなんだから、観ている方が、訳わかんなくなるんだよっ!もー!だけど、その張本人が出てこなかったりするから、また、あれ?って事になるのよね。

かわいいトマシナちゃんは、超天才なのよね。この時代に、数学の美しさに気が付く少女って、珍しいと思うけど、でも、天才のなせる業なのかしら。解らなかったのは、彼女が、若くして亡くなったのか、それとも、間違いなのか、そこが、私は、ちょっと理解が出来ませんでした。でも、数式があれしか残っていなかったところを見ると、あの後、直ぐに・・・。って事なのかしらね。


アルカディア

セプティマス先生、亀のプロータスを飼っているんですけど、我が家の”亀雄”にそっくりだったなぁ。大きさが同じでした。あ、もちろん、舞台の亀は偽物ですけどね。(笑)亀には、キスをしない方が良いと思います。だって、病気を持ってそうだもん。気を付けてね。

美しい庭に対して美しい数式、そして最終的なカオス理論が混ざり合い、何事も変化して行き、完璧な解など無いということが描かれているように思えて、うーん、未来は解らんなって思いました。今、私が、建物を建てる為に図面を描いても、未来の人は、その図面を見ずに、横に書かれた落書きの”亀”を見るかもしれないし、その”亀”から、何かを発明するかも知れない。

アルカディア

20世紀の学者たちは、自分たちが見つけた手掛かりから、19世紀の出来事を知ろうとするのですが、19世紀の人間から見たら、トンチンカンな事を言っているなぁという感じなんでしょうね。だって、凄い重要な事をしているように解釈しているけど、只の浮気だったり、アホな死に方をしていたり、どーでも良いような事なんですもん。それに、トマシナの数式は、別に、トマシナにとって、重要な事じゃなく、美しいものを見つけた嬉しさから書いたものだし、それは、先生に対しての愛だったんだと思うんです。先生へのあこがれ、自分にも訪れるだろう、恋愛の時期を夢見て、描いていた数式だったんじゃないかな。


そんな19世紀の彼らの事など何も分からずに、ああだこうだと話している学者たちのマヌケな事。もっと、四角く考えずに、丸く考えれば良いのに。言い争っていても、どちらも正解していないところに、笑ってしまう。面白い話でした。


アルカディア

皆さん、ベテランの方々ばかりなので、とても楽しめましたが、申し訳ない、現代のクロエを演じてらした方の言葉が、とても聞き取りにくくて、セリフが分かりませんでした。ちょっと早口だったのかな。残念です。後は、ほとんど、聞き取れたかな。全くしゃべらないオーガスタ&ガス役の安西さんが、最後に過去と現在を繋ぐとは、驚きました。絵がネックだったんですね。良かったです。


私は、この舞台、お薦めしたいと思います。とても楽しめるのですが、やっぱり、これは、相関図を見て、ストーリーをチェックしてから観た方が良いと思います。でないと、人物が多いので、解りにくいと思います。出来れば、パンフを購入して、事前に理解してから観るのをお勧めいたします。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ



舞台「アルカディア」   http://www.siscompany.com/arcadia/gai.htm



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