「もしも建物が話せたら」ハッキリ言って建物が話せなくて良かった。ウザいし疲れちゃうよね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「もしも建物が話せたら」を観てきました。


ストーリー?というよりドキュメンタリーなので、内容は、

ビム・ベンダースが製作総指揮を手がけ、ベンダースはドイツのベルリン・フィルハーモニーを、ロバート・レッドフォードは自身が幼少時にかかったポリオのワクチンを開発したソーク研究所を、オーストリアのドキュメンタリー作家ミハエル・グラウガーはロシア国立図書館を、「100,000年後の安全」のデンマーク人監督マイケル・マドセンは再犯率の低いノルウェーのハルデン刑務所を、ノルウェー人監督マルグレート・オリンは同じくノルウェーのオスロ・オペラハウスを、「スエリーの青空」のブラジル人監督カリム・アイノズはパリのポンピドゥ・センターを取り上げ、それぞれ独自の視点から建物の存在に迫った。

です。


もしも建物

ドキュメンタリー映画ですが、これ、ドキュメンタリーなの?建築物がしゃべっているというコンセプトで、自分の建っている環境とか、作った人達とか、建物の中で生活をしている人達とかについて、文句をずーっと言っている映画なんですが、うーん・・・。

一応、建築の仕事をしているので、この映画は押さえておかなければと思って、観に行ったのですが、もう、これ、映像の中に催眠導入剤を入れているんじゃないかって思うほど、眠気を誘う映画でした。私、これでも、随分、頑張って観る方なのですが、その私でも、睡眠に入ってしまいましたよ。まぁ、ドップリ寝る事はありませんが、意識の無い部分が、いくつかありました。

もしも建物

建物としては、

1番目「ベルリン・フィルハーモニー」(ドイツ・ベルリン)が話します。自分は、街のシンボルになってるだの、自分の中で、素晴らしい音楽が奏でられているだの、のたまっておりました。確かに、美しい曲線で出来た建物です。私のイメージだと、結構、性格が悪そうで生意気そうな建物で、真面目そうに思える建物です。下々の者に文句など言わなさそうだけど、自分に害を与えようとする者に対しては、非情な事をしそうです。


2番目「ソーク研究所」(アメリカ)研究施設であり、とても硬そうな雰囲気でした。硬そうというのは、コンクリートが固いとかいうのではなく、イメージが硬いと言う事です。ジュースとかをこぼしても、ササッと拭いてしまえばキレイになるって感じかな。研究をする場としては、個々のプライバシーを大切にしていそうで、守秘も完璧そうに見えるデザインです。でも、人々が集える広場などもあり、ちょっと大学のキャンパスっぽいかな。今回の中では、私の一番好きなデザインです。

もしも建物

3番目「ハルデン刑務所」(ノルウェー)刑務所なので、汚いようなイメージがありましたが、とても清潔そうで、デザインは面白いものでした。でも、中に収容されるのはイヤよね。外面のデザインはカッコいいけど、中には入りたくないと思いました。だって、一部屋が狭いんですもん。刑務所なんだから、当たり前なんだけどね。それに、無駄な物は一切無いから、ちょっと冷たい感じでした。

4番目「ロシア国立図書館」(ロシア・サンクトペテルブルグ)現代風にはなっているのですが、やっぱりロシアの伝統的なデザインが見え隠れするような雰囲気でした。シンメトリーで、豪華な内装、高い天井、そして、人を圧倒する大きな柱で、人に威圧感を与えます。嫌いでは無いけど、ロシアって感じで、息苦しくなりそうな建物です。これも、嫌いでは無いけど、スッキリしないなぁ。

もしも建物

5番目「オスロ・オペラハウス」(ノルウェ・オスロ)これは、他とは違い、完璧にモダンというか、宇宙的というか、アベンジャーズの基地のようでした。北欧なので、光りを大きく取り入れる一面の窓と、前に広がる海というコントラストが、素晴らしくて、ステキでした。でも、冬はちょっと寒々しい感じがするかなって思います。オペラの熱気で、温かくなれば良いけどねぇ。

6番目「ポンピドゥー・センター」(フランス・パリ)これ、いつ見ても工事中なの?って言いたくなるほど、外壁が足場のように見えるんですよね。面白いよなぁ。とてもポップで、横に走るドーム型エレベーターが、可愛くて好きです。ここ、行きたかったんだけど、時間の関係で行けなかったのよねぇ。ああー、パリに行きたいよぉ。

もしも建物

こんな6つの建物が、言いたい放題するのです。でもね、眠くなるような愚痴ばかりで、最後まで、全て覚えて、観ていられる人っているのかしらって感じでした。私、観ている時は、ある程度は、建物の愚痴も解らないでは無いと思ったけど、あまりの眠さに、何を言っていたのか忘れてしまいました。これ、なんで、映画にしたのかしら。シリーズのDVDにして売るんで良かったんじゃないの?環境ビデオ的に、ずーっとダダ流しして、家で観ていたい映像だと思いました。

一つ、思ったのは、建物が話せなくて良かったなぁと言う事。毎回、設計して建てて、建つと文句を言われるって事でしょ。この部分の建付けが悪いとか、タイルが曲がっているとか、クロスが浮いているとか、最後にデザインが悪いとか言われたら、もう、私、斧を持って壊しに行ってますよ。土地の問題、金の問題、色々な要素があって、その建物は建っているので、ただデザインだけでは無いんです。資金が無いのに、素晴らしい建物なんて建つ訳が無い。建物のくせに、生意気なのよっ!

もしも建物

私は、この映画、まぁ、お薦めしちゃおうかしら。睡眠導入にちょうど良いと思います。必ず眠くなると思いますよ。睡眠障害の方にお薦めです。眠れますよ。(笑)これ、DVDが出たら、TVなどで、観るでもなく、流しておくには最適だと思います。店舗とか、バーなどで、こんな映像が静かに流れていたら、落ち着いて楽しめるかも。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




もしも建物が話せたら@ぴあ映画生活


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