「ブラック・スキャンダル」子供の頃の絆は大切だけど、悪い事をしてたら更生させなくちゃね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ブラック・スキャンダル」を観てきました。なんか、大体、初日か2,3日後には観ているんだけど、感想をアップする作品が多過ぎて、追い付きません。今、公開している作品は、ほとんど観てしまっていると思うんですけどね。(笑)


ストーリーは、

1970年代、サウス・ボストン。FBI捜査官コノリーはアイルランド系マフィアのボスであるホワイティに、共通の敵であるイタリア系マフィアを協力して排除しようと持ちかける。しかし歯止めのきかなくなったホワイティは法の網をかいくぐって絶大な権力を握るようになり、ボストンで最も危険なギャングへとのし上がっていく。

というお話です。


ブラック

1970年代に起こった、実話スキャンダルを基にした映画だそうです。サウス・ボストンに巣食っているアイルランド系のマフィア・ジェームズ・ホワイティ・バルジャー。彼の仕切っている地域には、イタリア系マフィアも巣食っていて、度々、抗争が起こっていました。その為、地域の治安は悪くなり、FBIもイタリア系マフィアに頭を痛めていました。イタリア系マフィアは、麻薬をばら撒き、やり方が酷かったからです。ホワイティの幼馴染であるFBI捜査官のコノリーは、ホワイティの弟であるビリーにホワイティと連絡を取りたいから間を取り持って欲しいと話します。政治家であるビリーは、マフィアの兄とは、あまり関わりを持ちたくないようで、会う事があったら話しておくと話します。

ブラック

後日、ビリーは、ホワイティに話を通してくれて、コノリーとホワイティは海岸で密かに会い、コノリーはホワイティに、イタリア系マフィアの情報をFBIに流してくれれば、イタリア系マフィアを一掃出来るかも知れないので、そうなるとホワイティも手を汚さずにその地域を手に入れる事が出来るんじゃないかと持ち掛けます。ホワイティは、その場では良い顔をしませんでしたが、目の上の瘤であるイタリア系マフィアが掃除出来るならと、情報をFBIに渡し始めます。そして、その見返りに、自分たちの悪事を見逃してもらう事を約束させます。

ブラック

FBIを味方にしたホワイティは、邪魔する者も無くなり、やりたい邦題。もちろん、資金も増えて、弟のビリーも政治家として、どんどん上に登って行く。コノリーは、マフィアの情報を手に入れ、イタリア系マフィアを追い詰めて行き、FBIの中で出世して行く。3人ともに利益を与えたかに見えたのだが、ホワイティは、その力をどんどん拡大していき、FBIにも手に余るようになってしまう。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

ブラック

この映画、マフィアと政治家とFBIが絡むから、普通なら、ドンパチして、派手な映像になるはずなんですけど、そのドンパチの方では無く、裏のジクジク、ドロドロした部分を掘り下げて行くので、ここが見どころみたいな、そういう部分が無いんですよね。実話が基になっているから、そんな派手な事があれば、直ぐに問題になっちゃって、3人の協定は終わりって事になったと思うけど、派手な事は一切やらずに、ホワイティが地域を手に入れて、それによってビリーの力も大きくなり、コノリーも出世して行くから、仕方ないのよね。

映画としては、とても地味なので、これは面白い!と大声で言えないところが悲しいです。でもね、話としては、とっても面白いんですよ。政治家も、警察関係も、マフィアも、みんなズブズブなのねってことが良く分かるんです。日本でもそうだと思うけど、ある程度、情報を交換する事が、安定を導くと言う事は、あるんだと思うんです。だから、政治家も警察も、全てが清廉潔白で、真っ白な手をしているなんて言うのでは、地域は、いや、国は、危なくて仕方が無い状態に陥ると思うんです。

ブラック

人間は、表むきは完璧な潔白を望むけど、それでは社会は回って行かない。どうしてもそれを望むなら、「ハーモニー」という映画じゃないけど、誰もがロボットと同じ精神構造になるしか無いんです。だから、この3人が悪い奴らだっていうのは簡単だけど、そうでは無くて、社会構造として、こういう人達が必要悪なのかも知れないって事も、考える要素になるんじゃないかなっていう映画だと思いました。

何処までもキレイ事を並べる、日本のマスコミだけど、自分たちが一番汚い事をしているっていう自覚があるのかしら。元野球選手が暴力団から麻薬を買っていたとか、誰かが不倫していたとか、そんな事を書く前に、自分たちが何をして記事を書いているのか、自分の手を良く見てみろってーの。

ブラック

この映画のホワイティだって、アイルランドからの移民で貧しく無ければ、勉強をして政治家になっていたかもしれないし、ビリーだってお金さえあれば、兄が汚いことをして手に入れた金を使わなくて済んだだろうし、コノリーだって、この地域から出ていなくて、協力なコネがあれば、苦労をせずに出世出来ただろうし、誰もが、汚い事なんてしなくて済むなら、したくないんじゃないの?仕方なく、悪い事をしてしまうんじゃないの?

いつだって、汚い部分の表面だけ見るのではなく、その側面や背面を見る必要があるんです。人間なんだから。ちゃんと、理由があるのよ。そういう物語を観る事が、やっぱり大切なんじゃないのかな?

ブラック

私は、この映画、お薦めしたいと思いますが、普通のアクション映画やサスペンス映画などが好きな方には、物足りないかも知れません。深く考える方には、結構、面白い話だと思って貰えるかも知れないかな。もちろん、ジョニーさんやカンバーバッチさんのファンの方には、良いと思いますよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ


ブラック・スキャンダル@ぴあ映画生活


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