「母と暮せば」を観てきました。
ストーリーは、
1948年8月9日、長崎で助産師をしている伸子(吉永小百合)のところに、3年前に原爆で失ったはずの息子の浩二(二宮和也)がふらりと姿を見せる。あまりのことにぼうぜんとする母を尻目に、すでに死んでいる息子はその後もちょくちょく顔を出すようになる。当時医者を目指していた浩二には、将来を約束した恋人の町子(黒木華)がいたが……。
というお話です。
これ、「父と暮せば」のそのまま焼き直しかと思いきや、全然違いました。私、吉永小百合さん、苦手なのですが、この映画は、大丈夫でした。いつも、吉永さんの演技が、鼻に付いてしまって、ヤダなぁって思うのですが、今回は、そう思うところがほとんど無かったんです。何だったのかしら。
長崎で助産婦をしている伸子は、息子を3年前の原爆で亡くし、息子・浩二の彼女だった町子と、その思い出に浸りながら暮らしています。亡くなったというか、原爆で焼けてしまい何も残って無くて、遺影のみがあるだけであり、伸子も町子も、何とも、諦めが付かずに、浩二の事を忘れる事が出来ません。しかし、既に3年が経っており、もう忘れなければと思い始めます。
すると、伸子の目の前に、死んだはずの浩二が現れ、「母さんが諦めが悪いから、出てこれなかったんだ。」と話します。喜んだ母は、それから、浩二に色々な話をしたり、相談しながら、生きる力も出てきて、暮らし始めます。でも、息子は、既に死んでいることが解り、町子に、幸せになる為に、誰か好きな人を見つけなさいと促します。浩二も、最初は、町子が他の男のところに行ってしまうのを嫌がっていたのですが、死んだ自分たちの希望は、生き残った者に幸せになって貰う事なのだと言う事に気が付き、町子が幸せになってくれる事を願います。
そして、町子が新しい道を探し、伸子も息子の死を受け容れ、自分の先を考えるのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。
とても悲しい映画でした。確か、「父と暮せば」は、娘が生き残っていたのですが、今回は、母親が生き残って、若い息子が死んでしまっているんです。「父と暮せば」の主人公の役が、町子と同じ立場なんです。そして、生き残ってしまった自分が申し訳ないみたいに思ってしまっていて、自分は幸せにはなってはいけないんだ、浩二さんをずっと思い続けて、死んでいくんだというように考えているんです。
でも、それではいけないからと言う事で、伸子が、幸せになれる道を探しなさいと促すんですけど、そうですよね。やっぱり、過去に囚われていないで、未来を観て欲しいと、きっと亡くなった方達だって、思っているはずです。自分たちが行く事の出来なかった未来を、生き残った人に見て欲しいと思っているはずなんです。
年配の方が亡くなったのなら、それ程、残念とは思わないけど、若い人が亡くなったのは、本当に辛く悲しい事ですよね。もっともっと、やりたい事も、行きたい所もあっただろうに、それが、突然に途切れてしまうなんて、思いもよらなかったと思います。こんな悲劇は、二度とあってはいけない事です。戦争はヤダよね。でも、人間の本能として、戦いが起きてしまうのは仕方のない事。欲望が無くなったら、人間じゃないですもん。でも、出来るなら、譲り合って生きて行きたいよね。理想の世界は難しいとは思うけど、ある程度のところで、ガマンし合わないと、ボロボロになってしまうから、上手く折り合いを付けましょうよ。そんな事を思っている今日この頃です。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。吉永さんの映画で、珍しく、感動してしまいました。二宮くんが上手かったのもあるのかしら。でも、吉永さんも、今回は、お母さんって感じで、良かったなぁ。涙ぐんじゃいました。お時間があったら、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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