「パリ3区の遺産相続人」を観てきました。
ストーリーは、
他界した父親が持つパリ・マレ地区のアパートを相続するため、ニューヨークからパリにやって来たマティアス(ケヴィン・クライン)。マティアスは物件を売った金で、借金を返そうと思っていた。しかし、フランスの不動産売買制度「ヴィアジェ」によって、アパートに住む老婦人マティルド(マギー・スミス)が死ぬまでは部屋の売却は難しく、さらに彼女に年金を支払い続けなければならないことを知らされる。
というお話です。
父親が亡くなり、フランスのパリにあるアパートを相続することになったマティアス。彼は、アメリカで失敗し、借金があり、逃げるようにパリへ逃れてきたのです。マティアスは、相続を済ませて、直ぐにアパートを売ればお金になると思い、パリまで来たのですが、アパートに着いてみると、マティルドという老婦人が住んでいて、彼女から衝撃的な現実を突きつけられます。
マティアスが相続したアパートは、不動産売買制度「ヴィアジェ」という契約が交わされており、マティルドは死ぬまで、そのアパートに住み続け、彼女が住んでいる間は、毎月レントというお金を払わなければならない。この「ヴィアジェ」解りにくいと思いますが、これはある程度の老人が、親族に遺産相続をさせずに先に売ってしまい、そのお金で死ぬまでの生活保障をして貰うというものです。だから、売買の値段も破格に安く、その安くした分を、毎月、買主に払って貰うというものです。買主は、老人が早く死んでくれれば得になりますが、長生きされてしまうと、損になります。映画の中でも言っているのですが、ギャンブルですね。
そんなアパートを相続してしまい、マティルドに毎月払わなければならないお金も無い状態のマティアスは、驚いて、引き換えしたくなるのですが、既に、アメリカは引き払っていて、戻る場所も無いということで、このアパートに住みつきます。住んでみると、マティルドの娘のクロエも、このアパートに住んでいる事が分かり、とてもイヤな雰囲気に。
お金の無いマティアスは、仕事も無いので仕方なく、アパートに置いてある家具を古物商に売りに行こうと、部屋を漁っていると、ある写真を見つけてしまう。そこには、マティアスの父親とマティルドが写っていて、2人の愛の言葉が綴られていた。驚いたマティアスは、マティルドを問い詰めると、マティルドは、マティアスの父親との不倫関係を告白する。それを聞き、マティアスは、自分の母親が、自分の目の前で拳銃自殺をした理由を知り、ショックを受ける。
マティアスは、クロエと良い感じに近づきつつあったのに、もしかしたら、クロエと兄妹かも知れないという疑惑を抱き、母親の自殺のショックに続き、ショックを受けて、アパートを飛び出してしまう。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、最初は、とっても雰囲気の良い、ステキな映画かなーと思っていたら、あまりにもドロドロしていて、驚きました。いやぁ~、やっぱり、不倫はダメでしょ。遊びで終われる関係なら良いけど、そうでないなら、子供も配偶者も、必ず傷つくことになるから、それは止めないとね。奥さんを自殺するほどに追い詰めるなんて、言語道断です。あり得ないでしょ。それって、殺人と言っても過言では無いと思います。それに、この映画のマティアスもクロエも、親の不倫関係で、とても悩んで苦しんだ過去があり、これは、やっぱりダメでしょ。許されませんよ。まぁ、お婆ちゃんが、マギー・スミスさんなので、あまりにも上品で、攻められませんけどね。
衝撃的だったのは、マティルドは、マティアスとクロエを見て、もう子供を産む年齢じゃないから問題無いでしょって、一言、言い放ったんですよ。それって、いくらなんでも、ダメでしょ~!!倫理に反するよぉ~!なんか、でも、もしかして兄妹っていうネタ、韓国ドラマに超多いので、少し笑ってしまいました。そんなに近くに、何人も兄妹が居たら困るでしょ。(笑)
ま、それにしても、不倫は止めて下さい。子供が悲しみますから。夫と別れてからなら、別に、何をしても良いけど、別れるつもりが無くて、付き合うのは、やっぱり都合が良すぎるでしょ。自分は良くても、家族がボロボロになってしまう。子供は、いつまでも、父親や母親の事を恨む事になるでしょう。だから、止めて欲しいです。
私は、この映画、まぁ、お薦めしても良いかなと思います。フランスの面白い不動産売買の事も勉強出来たし、一人の身勝手さで、家族みんなが不幸になってしまうことも描いているし、かと言って、年を取ってからも責めるべきとは言わずに、まぁ、仕方ないかって思える内容だし、良かったと思いますよ。単館系の映画のスピードなので、単館系に慣れている方にお勧めです。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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