「杉原千畝 スギハラチウネ」を観てきました。
ストーリーは、
1935年、満洲国外交部勤務の杉原千畝(唐沢寿明)は高い語学力と情報網を武器に、ソ連との北満鉄道譲渡交渉を成立させた。ところがその後彼を警戒するソ連から入国を拒否され、念願の在モスクワ日本大使館への赴任を断念することになった杉原は、リトアニア・カウナスの日本領事館への勤務を命じられる。同地で情報を収集し激動のヨーロッパ情勢を日本に発信し続けていた中、第2次世界大戦が勃発し……。
というお話です。
若い頃から高い語学力を持っていた杉原は、満州国外交部勤務をし、諜報活動も行っていました。俗にいうスパイ的な活動を行い、日本の外交を担っていました。杉原は、ソ連のモスクワ大使館勤務を希望していたのですが、そんな諜報活動を良く思われず、ソ連からは入国を拒否されてしまいます。そして、杉原は、ソ連の大使館勤務を諦め、ヨーロッパへ赴任します。
ヨーロッパでの赴任先はリトアニア。日本領事館を立ち上げ、これからという時に、第二次世界大戦の足音が聞こえてくる。ドイツは力を増し、ヨーロッパへ攻め込んで、各地からユダヤ人を排除し始める。リトアニアでも、ドイツ軍が勢いを増していて、行き場を失くしたユダヤ人たちは、国外へ逃げるために、色々な国の大使館にビザを求めて押し寄せていました。
杉原は、本国に対処を求めるのですが、条件の整っている人間のみ、ビザの発給を認めるとの返答だけ。条件とは、日本への旅行費用と滞在費を持っている事、日本は悪魔で経由地なので先に行く国のビザを持っている事。先の国のビザは、誰もが持っているのですが、経済力は無さそうに見えます。杉原は、ユダヤ人を助けたいとは思うのですが、本国からの命令に背くわけにはいきません。
そこで、杉原はオランダの領事館の領事に相談すると、彼は、「体裁さえ整えば出来るんだ。」と言います。確かに、騙すのではなく、条件が整っているように見えたということで発行してしまえば、その調査が終わるまでに、船に乗せる事が出来ると言う事に気が付きます。そして、領事館の外に待っているユダヤ人たちに、どんどんビザを発給して行きます。
杉原は、国外退去のギリギリまで、ビザを発給し、ユダヤ人を助けました。そして、ドイツ、ルーマニアへ赴任し、終戦を迎える事となる。そして・・・。後は映画を観て下さいね。
杉原千畝さんのお話は、良く知っているようで、あまり知らなかったんだなぁと言う事に気が付きました。普通の大使館員だと思っていたのですが、その頃の大使館員は、諜報活動、俗にいうスパイ活動を沢山していたんですね。というか、それが当たり前の仕事だったと言う事を知りました。そりゃ、世界に勝つためには、情報戦が先ですもんね。情報を制すものは世界を制すというから、杉原さんがやっていた事こそ、本当の大使の仕事だったんです。有能な人だったんですね。
こんな状況の中で、苦しい決断をして、沢山のユダヤ人を助けたなんて、本当に素晴らしいと思いました。いやぁ、この決断、良く出来たと思って、尊敬します。だって、日本側は、全くユダヤ人を助けようっていう気は無いんですよ。ドイツの同盟国なんだから、そりゃ、当たり前よね。そんな中で、杉原さんだけが、この決断をして、国外へ逃がしたというのが、あまりにも凄い事で、驚きます。
でも、あの場に居たら、助けてあげたいと思うよなぁ。だって、女性や子供が、このままだったらドイツ軍に殺されるのが判っているんですから。出来る事なら助けてあげたいと思いますよね。だけど、普通の官僚だったら、自分の首が大切だから、そんな事しないと思うんです。杉原さんもそうだけど、やってしまったら、後から職を失う事になるんですから。普通の官僚には、そんな根性は無いっすよ。どこまでも公務員にしがみつく奴ばかりで、気分が悪くなる。
あ、スミマセン。つい、そんな奴らばかりだったことを知っているので、毒を吐いてしまいました。でも、嘘ではありません。霞が関にちょっとでも務めた事があれば、直ぐに解る事。笑ってしまうほど、自分の立場が大切な人ばかりで、面白いですよ。
と、話を戻して、杉原さんが、ユダヤ人を助けてあげたからこそ、今、日本は、小さな国でありながら、発言権があるし、どんなに中国や韓国に嫌がらせをされても、海外で一目置かれる存在になっているのだと思っています。だって、ユダヤ人が、世界を動かしていると言っても過言では無い状態ですもんね。アメリカ経済は、ユダヤ人が支えていたし、ヨーロッパだって、そうでしょ。イスラエルも力を持っているし、今思うと、こうなる事を恐れて、ヒトラーもユダヤ人を撲滅してやると思ったのかも知れません。ヒトラーには未来が見えていたのかも。世界って、面白いですね。
私は、この映画、とってもお薦めしたいです。日本人ならば、やっぱり、素晴らしいことをした人の歴史を知るべきだし、有難いと思わないとね。映画としても、とても良く出来ていると思いました。面白かったですよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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