「犬に名前をつける日」を観てきました。
ストーリーは、
この映画、ドキュメンタリーの内容を織り交ぜながら、下記のあらすじを進めて行くという、半ドキュメント映画です。
愛犬のナツが病気で他界し、深い悲しみに沈んでいたテレビディレクターの久野かなみ(小林聡美)。先輩の映画監督に進言されて、彼女は犬の命を見つめた作品を撮ることに。東日本大震災によって未曽有の事故を起こした福島第一原子力発電所の20キロ圏内をさまよっていたところを保護された犬たちのシェルター、多くの犬が送られる動物保護センターの様子を目の当たりにして言葉を失う。さらに犬の保護に奔走する人々と出会って感銘を受けたかなみは、自分でもできることを始めてみようとある行動に出る。
というお話です。

この映画、お話としては、小林さん演じる久野が、TVのディレクターという仕事をしていて、犬や猫などの動物の命に対して、人間がどのような行動をしているのかという事を追って行き、それを映画として編集制作していこうとする過程を描いています。

でも、動物の命に対しての映像は、すべてドキュメンタリーであり、最初の設定だけが架空のお話なんです。でも、そうする事により、観ている人間には、入り易いし、そこに作りものがあろうとなかろうと、それは関係無いんです。命に対して嘘は一切無いし、動物が見つめ返す目に写る世界は、全てが真実だと思いました。これは、命の物語です。動物の世界を壊し、自分たちの世界を広げて、動物を家畜やペットとして操作してしまった人間が、負うべき責任を教えてくれる映画です。

半ドキュメンタリー映画なので、あまり解説する内容は無いので、感想だけを、ずらずら書かせて頂きますが、やっぱり、今でも、ペットを平気で捨てる飼い主が居る事に驚きました。私は、こういう映画を観る度に、何度も書いていますが、責任が取れないならペットを飼うな、命を預かるんだから、捨てるなら、自分でその命を絶つべきだと。

私は、もし、自分が飼っているペットの面倒を見れなくなり、預かってくれる信用出来る人が居ないならば、自分で殺す気持ちで飼っています。そんな勝手な事と言われるかも知れませんが、そういう気持ちで飼わなければ、命を預かるって事をしてはダメでしょ。ペットだけ傷つくのではなく、自分も傷つかなくては、彼らに申し訳ない。その”負”の責任も負えないなら飼うべきじゃないんです。

だから、私は、ペットショップを見ると、子犬とか子猫は可愛いけど、どうしてもドス黒いものが見えてしまい、辛くなってしまいます。だって、命を売っているんですよ。一つ間違うと、人身売買と一緒。アメリカの奴隷制度と同じです。まぁ、考え過ぎかも知れませんが、でも、ペットたちが話せたら、なんて言うと思う?何でお金で買われるの?って思うと思いませんか?これから家族になる一員が、お金で買われるって、どうなんだろう。不思議な世界です。ペットショップって、アメリカやヨーロッパには無いんですよね。日本って、やっぱり、そこら辺が、ちょっと意識が低いのかな。

ペットの話は、このくらいにして、この映画についてですが、この映画の撮り方、とても上手いと思いました。ドキュメンタリー映画として震災などを描いて、嘘だったという映画があったじゃないですか。大体、ドキュメンタリー映画として作ると、インパクトが薄くなるので、どうしてもヤラセが入っちゃう所もあると思うのですが、今回のように、半分ドキュメンタリーで、半分フィクションとすれば、何を言われても、何の問題も無いでしょ。実際の映像が訴えている悲惨な状況と、映画として一つの人物を中心にまとめあげる統一感を取り入れれば、より、観る方は観やすくなり、解り易くなるんだという典型的な映画のような気がしました。
私は、この映画、とてもお薦めしたいと思います。ペットに対しての人間の非礼を良く描いているし、心に響いてくる映画でした。こういう映画って、映画館でもやって欲しいけど、もっと沢山の人の目に触れて欲しいなと思います。こういう映画こそ、学校とかで、教育の一つとしてやって貰えないのかしら。子供の頃から、動物の気持ちがわかるような勉強をさせれば、もっと温かい心の子供が育つんじゃないかな。ぜひ、観てみて欲しいと思います。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・犬に名前をつける日@ぴあ映画生活