「ベル&セバスチャン」を観てきました。
ストーリーは、
雄大なアルプス山脈を望む小さな村で生活している、孤児のセバスチャン(フェリックス・ボッスエ)。ある日、彼は山の中で一匹の野犬と遭遇する。人間や家畜を襲撃する害獣だとして村人から殺されそうになっていた野犬を懸命にかばい、ベルと名付けて世話をすることになる。お互いに孤独だったゆえに、固い絆を育んでいくセバスチャンとベル。そんな中、彼らはナチスに追われるユダヤ人一家を逃すための道案内を務めることに。雪と寒さで命を落としかねないアルプスの自然と冷酷なナチスに挑むが……。
というお話です。
セバスチャンは、お爺さんと一緒に羊や牛などの家畜の世話をしています。学校には行かずに、アルプスの中腹にある山小屋でお爺さんを手伝っているんです。でも、そのお爺さんは、本当のお爺さんではありません。セバスチャンの母親は、アルプスを越えてアメリカに行っているので、お爺さんに預けられていると、セバスチャンは教えられていて、お母さんに会える日を楽しみにしているんです。

山には野犬が出没し、家畜を荒らすと言う事で、村の有志で退治をしようという事になるのですが、セバスチャンが山の家から村の家に帰る途中、野犬に遭遇してしまいます。驚くセバスチャンでしたが、野犬は、人を恐がっているだけで、敵意はありません。襲ってこない事が分かり、セバスチャンは、野犬と仲良くなろうと何度も野犬を探し出し、接触して行きます。そして、仲良くなったセバスチャンは、野犬がメスで、美しい毛並みをしていることを知ります。そして、彼女をベルと呼び、友達となります。
ある日、セバスチャンの住む村にドイツ軍がやって来て、アルプスを抜けてスイスに脱出するユダヤ人を見張る為に駐留する事になります。セバスチャンの世話になっている家は、パン屋をやっていて、パンをドイツ軍に供給するようにと命令され、仕方なく従う事に。セバスチャンの世話をしているお姉さんは、医者の男性と一緒に、ユダヤ人がアルプスを越えて逃げる為の手助けをしており、ドイツ兵の動きを内通者から聞き、こっそり案内をしているので、あまりドイツ兵と関わりたくありません。
ユダヤ人をアルプス山脈から逃がそうと、雪の山の中を案内していると、ドイツ兵に見つかってしまい、彼らが追って来にくいクレバスを抜けて行こうとするのですが、お姉さんだけでは案内が出来ません。案内をベルとセバスチャンに託した人々は、彼らに導かれ、アルプス山脈を歩いて行くのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。
とーっても可愛くて、ベルもセバスチャンも、ギュギューってしたくなりました。特に、セバスチャンを演じている男の子が、キュートなんです。その笑顔が、あまりにも可愛くて、きっと大きくなったらイケメンになるんだろうなと思わせるような顔で、こんな子が息子だったら、誰にも渡したくないだろうなぁと思ってしまいました。とにかく、カワイイのよ。観て欲しい。
戦争の頃は、こんな小さな村にも、ドイツの影響が出ていたんですね。誰もが、ドイツ兵を観ると、ピリピリしていて、それ程に恐ろしい情報が流れていたのだと言う事が分かります。でも、ドイツ兵だって人間です。ちゃんと、現実を見て、正しい判断をしている人も居たんです。誰もが、ハイルヒットラーと言いながら、制裁を加えていた訳では無いと言う事が、この映画の中でも、少し描かれていて、そうだよなぁと思いました。優しい人だって、いたよね。
ベルですが、グレート・ピレニーズっぽいけど、もしかしてこの地方ならスロヴェンスキー・チュヴァックという犬かしら。白くて大きくて、とっても優雅な優しい犬でした。セバスチャンがもたれかかると、その毛の中に埋まってしまうほどフサフサで、気持ち良さそうでしたよ。とっても仲良しでした。頭も良さそうで、怪我人を運んだりと、随分、働き者でした。
色々な立場の人々の心の交流が描かれていました。それぞれに、しがらみがあって、好きな事が出来ないけど、それを、ベルとセバスチャンが結んでいくという感じで、無垢な1匹と1人が、これ程に、人々の心を柔らかくするのかという事が描かれていて、とっても感動でした。戦争時は、どうしても敵味方に別れてしまうけど、でも、同じ人間なのよね。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。素晴らしい自然と、かわいい男の子と美しい犬が織りなす人々の心の交流を、堪能出来ると思います。観た後に、とっても気持ち良くなると思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・ベル&セバスチャン@ぴあ映画生活