「先生と迷い猫」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
近所でも偏屈者として評判の、定年退職した元校長の森衣恭一(イッセー尾形)は妻がこの世を去って以来、淡々とした毎日を送っていた。彼の家を訪ねて来るのは、森衣が長年撮りためてきた写真を資料として残したいという市役所職員(染谷将太)と野良猫のミイぐらいだった。亡くなった妻はミイをかわいがっていたが、森衣は猫が苦手で追い払おうとする。
というお話です。
元校長先生の森衣は、妻に先立たれ、何も無い毎日を送っています。定年しているので、行くところも無く、翻訳をしているのですが、それがどうなる訳でも無く、何も無いんです。そんなある日、妻の仏壇の前に猫が座っています。その猫は、妻にミイと呼ばれていた野良猫で、妻が可愛がっていたのです。しかし、森衣は、ミイが来ると、妻を思い出すので、来て欲しく無いんです。なので、猫が入ってくる扉を封鎖して、入ってこないようにしたのですが、どこからか入って来て、座っているのでした。
今度こそと、猫用の扉も、他のドアもしっかり閉じまりをして、入れないようにしました。すると、ミイは、入れてくれとドアをガリガリするのですが、森衣は、”帰れ”とミイに言い、決して入れようとしません。ミイは、諦めて、どこかへ行ってしまいました。
ある日、森衣が近所を歩いていると、ミイが、色々な所で、それぞれに違う名前を付けられて、可愛がられていることを知ります。なんだ、どこでも良い顔をして、可愛がられているんだと、ちょっと裏切られたような気持ちになります。
それから、何日かして、ふと気が付くと、ミイを見かけない事に気が付きます。家に来なくなったかと思い、町を歩いていると、迷い猫のチラシに気が付きます。そこには、ミイのことが書かれていて、ミイを可愛がっていた様々な人が、ミイを探している事に気が付きます。森衣も、これはと思い、ミイを探し始めるのですが、見つかりません。ミイのチラシが貼ってある美容院の人や、他の可愛がっていた人と協力して、ミイ探しの日々が始まります。
今まで、校長先生と呼ばれて、人とは関わらずに生きていた森衣は、人の目もはばからずに、猫を探し続けます。警察に捕まっても、ドロドロになっても、それでも探し続けます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画は、野良猫が居なくなったというだけの映画なのですが、堅物でヘンクツなジジイが、段々と、人々と触れ合い、自分の周りには、たくさんの愛があったんだと言う事に気が付くという映画です。なんか、イッセー尾形さんのヘンクツな感じが、とっても良くて、その上、ミイちゃん役のドロップ(猫)が、あまりにも愛らしくて、耐えられーんって感じでした。
このドロップという名前の猫ちゃん、「あまちゃん」に出ていたんですね。あまりにも可愛くて、驚きました。柔らかそうで、その表情がたまらなく良い。猫好きには、拷問のような映画でした。もー、触りたくなるっ!!この子、こちらが可愛いって思う表情とか、仕草とか、解ってやっているんじゃないかってくらい、カメラ目線でやってくるので、恐ろしいと思っちゃいました。
森衣は、奥さんをとっても愛していたので、ミイが来て、思い出すのが辛かったんですよね。だから、ミイを追い払っていたんだと思うんですけど、でも、ミイが居てくれた事によって、人々とも繋がれて、助けられていたんだと言う事に気が付いて行くんです。そして、ミイを探しながら、自分の周りでは、色々な事が起こっていた事を知り、まだまだ、やる事があるなぁと感じたのだと思います。
でもね、映画としては、ちょっと、スッキリしない感じでした。まぁ、原作が、ノンフィクションの日記のようなものなので、解決も何も無いのですが、映画として作るなら、幾つかはスッキリさせて終わらないと、見ている方が、モヤモヤしてしまいます。少年の事も、カッターの事も、病院に連れて行った猫の事も、パン屋の事も、なんか、どれかで良いので、スッキリさせて欲しかった。まぁ、市役所の職員のお婆ちゃんは、きっとこうなるなぁと予感は出来ましたが、それ以外は、どれも解らず、何となく・・・という感じで終わってしまって、うーんという感じでした。
ネコが可愛かったから、まぁ、なんでも許せちゃうんですけどね。こういう映画は、動物の可愛さでなんでも許されるので、ちょっと、ズルい気もしますが、良いでしょう。(笑)マジで、ドロップちゃん、可愛かったです。
最後に一つ、映画では、野良猫にエサをやる事は止めてくれとハッキリ言っています。猫を可愛がるなら責任を持ちなさいということをしっかり教えてくれていて、私も、そうだと思いました。そういえば、先日裁判で、野良猫にエサをやっていた人に、賠償命令が出ていましたよね。近所に迷惑をかけたって事で有罪になっていました。動物を可愛がるなら、ちゃんと責任を持たなければいけません。それは、動物と関わる上で、人間がやらなければならない最低の事です。エサをやりたいなら、飼ってあげて下さい。出来ないなら、餌を与えずに、飼い主を探してあげて下さい。お願いします。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。何となく、ほんわかして、奥さんを愛していたんだなぁと感動して、ミイちゃんの可愛さにめろめろになって、それで良いと思います。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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