「あの日のように抱きしめて」戦争は人を変え、その愛さえも剥ぎ取ってしまう。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「あの日のように抱きしめて」の試写会に行ってきました。


ストーリーは、

1945年ドイツ、強制収容所から帰還したネリー(ニーナ・ホス)は銃によって顔にひどいけがを負っており、顔の修復手術を受ける。生き別れになっていた夫ジョニー(ロナルト・ツェアフェルト)と念願の再会を果たすネリーだったが、妻は収容所で死んだと思い込んでいる彼は、顔の変わった彼女が自分の妻であることに気付かない。さらに、その遺産を手に入れるため妻のふりをしてほしいと持ち掛け……。

というお話です。


あの日のよう

1945年、第二次世界大戦が終り、強制収容所に入れられていたネリーは、無事生還します。しかし、顔は銃撃により、酷い怪我を負っており、修復しなければなりませんでした。ネリーは、前と同じ顔にして欲しいと願いますが、医者は、同じ顔にするのは難しいし、今後、素性を明かさない為にも変えた方が良いと話します。そして、手術は行われました。

顔の手術は成功し、ネリーは、レネという友人と一緒にベルリンに滞在する。ネリーは、自分が逮捕されるのと入れ替えるように収容所から帰ってきたという夫のジョニーに会いたいと思っていて、ジョニーを探し始めます。レネは、ジョニーとは会わない方が良いと言い、彼は、ネリーを裏切ったから帰ってこれたのだと話します。しかし、ネリーは信用せず、夫のジョニーを探し回り、やっと見つけます。

あの日のよう

夫のジョニーに話かけるのですが、ジョニーは新しい顔のネリーを知らない人物としか認識せず、ネリーは、仕方なく店の外でジョニーを待ちます。そこへジョニーが現れ、仕事を探しているなら、自分に協力してくれれば、利益の半分をやるからと持ち掛けられます。その仕事とは、元妻の振りをして周りを騙し、一緒に役所に行って、元妻だと言って、サインをしてくれれば、彼女の遺産が入ってくるから、それを分けようと言うのです。

あの日のよう

ネリーは、まさか自分の身代わりを自分にやらせようとするとは思っていませんでしたが、ジョニーの本当の気持ちを聞き出す為に、その役を買って出ます。ジョニーがネリーを裏切って、彼女をナチスに売ったのか、それとも彼女を助けようとしたのに彼女が逮捕されてしまい、今まで待っていてくれたのか、それを確かめる為に、別人の振りで、ネリーの代役を務める振りをして、ジョニーに近づきます。

日が経つにつれ、ジョニーは、彼女がネリーにあまりにも似てくるので、まさかという思いにもかられるのですが、あり得ないと信じているジョニーは、その考えを押し殺し、妻の代役として周りに認めさせて、財産を受取ろうと早く動き始めます。そして、昔の仲間に彼女を合わせて、これで手続きが出来ると思ったのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。

あの日のよう

戦後、こんな事もあったんですね。ネリーは、ユダヤ人では無かったみたいなんだけど、それでもナチスに協力的でなかったりすると、逮捕されたんですね。恐いよなぁ。誰かが捕まって、自分は何もしてなくて、ナチスに友好的だと言う事を証明する為に、自分以外の誰かを売って、それで釈放されていたようで、ジョニーは、ネリーを売って、帰ってこれたんじゃないかとレネが言うのですが、ネリーは信じないんです。夫を信じたい気持ちは解るんだけど、観ていて、どう考えても夫が悪いとしか思えなくて、復讐の為に近づくならまだしも、そうでなければ、もう関わらない方が良いのにと思いました。


あの日のよう

だって、自分の財産を取ろうとしている男ですよ。あり得ないよね。まして、一番最初に出てくるのですが、ジョニーは、ネリーと離婚しているんです。その証明書があるのに、それでも、まだ結婚していると嘘を付いて、財産を取ろうと画策するなんて、酷い男だよ。許せない!私なら、復讐するけどね。

でも、ネリーの一途な気持ちも、分からないではありませんでした。あの混乱の時代に、ただ一人、自分を待っていてくれるかも知れない人だったんですから。沢山の人が死に、誰もが家族を失って、自分一人になってしまった人が大勢いる中で、ただ一人、待っていてくれるかも知れない人。そう思ったら、出来れば信じたいと思いますよね。だけど、信じちゃダメダメ。

あの日のよう

既に、ネリーの身代わりを誰かに頼んで、遺産を受取ろうとしている時点で、裏切ってるんだけど、何故か、ネリーは、身代わりとして行動して、ジョニーの気持ちを確かめようとするのって、不思議でした。もう、分かってんじゃん。そいつ、裏切ってるんだって。そんな面倒な事に付き合ってないで、直ぐに、自分の財産は、自分で管理してください。既に、離婚だって成立しているんだから、何の問題もありません。

あの日のよう

この映画、悲しい話でした。戦後って、こんな事が沢山あったんでしょうね。恐ろしいです。私は、この映画、お薦めしたいと思います。ネリーという女性の、悲しい人生と決断を、ぜひ、観てきてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




あの日のように抱きしめて@ぴあ映画生活


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