フランス映画祭で「チャップリンからの贈りもの」を観てきました。
ストーリーは、
1978年、スイスのレマン湖畔。貧しい生活を送り、妻の入院費も払えないオスマン(ロシュディ・ゼム)。そんな中、チャールズ・チャップリン逝去のニュースが流れる。すると親友エディ(ブノワ・ポールヴールド)からとんでもない話を持ち掛けられる。それは埋葬されたチャップリンの遺体を盗み、その返却と引き換えに家族から大金をせしめようというものだった。こうして、犯行に加わることになってしまうオスマン。だが、次々とトラブルが噴出し……。
というお話です。
刑務所の扉から出てきたエディを迎えに来たオスマン。エディは、罪を犯して刑務所に入っていて、やっと出所したのでした。そして、彼を温かく迎えたのは、友人のオスマン。彼は、小さな娘と二人暮らし。妻は重い病気で入院しているのでした。オスマンは、自分の家の横にキャンピングトレーラーを持ってきて、そこにエディが住めるように、全て用意をしておいてくれたんです。
オスマンは、娘の面倒を見ながら、病気の妻の為に、沢山のお金を稼がなければならないのですが、良い仕事は無く、妻の入院費が払えません。これからは、マトモな生活をしようと考えていたエディですが、そんなオスマンの悩みを聞き、ある作戦を思い浮かべます。
先日、喜劇王のチャップリンが亡くなったというニュースが入り、それなら彼の遺体を誘拐して、身代金を要求しようというのが、エディの作戦でした。そんな罪深い事は出来ないと断るオスマンでしたが、入院費を払わなければならない期日は迫っていて、どうしようもなくなり、その作戦を実行に移す事にします。チャップリンの墓を暴いて、棺桶ごと遺体を盗んだ2人は、ある場所に棺桶を隠し、チャップリンの遺族に電話をかけて、お金を要求します。
遺体の誘拐の連絡を貰った遺族は、もう死んでいるのだから、別に、持って行かれたままでも良いので、身代金など払いませんと言います。これは、実際にそうだったそうです。しかし、そのまま捨ておく訳にも行かず、警察は、犯人の特定に全力を上げて取り組み、段々と、犯人たちに近づいていきます。そして、遺族は、執事にこの件を任せて、執事が警察と一緒に動き、犯人を追い詰めます。
何度お金を要求しても、思い通りにならず、どうしたもんかと悩むのですが、そんな事をやっている内に、妻の入院費の期日が来て、病院を追い出されそうになってしまいます。窮地に立たされたオスマンは、1人でもやると言って、身代金の値段を下げて、交渉の電話をかけます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
こんなアホな事件が、本当にあったなんて、笑ってしまうけど、あったんですよね。まぁ、内容は、実際のものとは違うけど、遺体の誘拐は、本当にあった事で、随分、ニュースになったようです。で、この映画、チャップリンさんの遺族の方々に全面協力をして頂いて、お墓や家などでロケをさせて頂いたりしたようです。だから、実際の遺体誘拐事件の時と同じように、セリフも考えられているようです。スゴイですよね。
内容としては、ハートフルコメディって感じかしら。有名俳優の2人が、アホな誘拐をして、必死に身代金を取ろうとする姿が、とってもマヌケなんですが、そのお金は、自分の為では無いという所に、ホロっと泣かされてしまうんです。
まぁ、病気の妻の為という所は、ちょっと有りがちかなって感じですが、エディの方の設定は、面白いなって思いました。チャップリンに対してのオマージュなのかしら。エディは、とても優しくて、イイ男なんだけど、不器用なのよ。だけど、サーカスに自分の居場所を見つけて、そこで新しい自分を見つけて行くんです。サーカスの人々や動物も、楽しくて、良かったですよ。
これも、あんまり話してしまうと、面白味が無くなってしまうので、これ位で止めておきますね。そうそう、最後に、音楽がとても良いです。チャップリンの映画が好きな方や、古い映画が好きな方には、とても喜ばれそうかな。それに、映画の中にも、古い映画へのオマージュが満載なので、映画好きな方は必見です。
(監督のグザヴィエ・ボーヴォワさんです。)
私は、この映画、お勧めしたいと思います。申し訳ありませんが、私は、あまり古い映画を知らないので、オマージュ的なものがあまり解らず、その分、マイナスになっていますが、映画マニアの方は、楽しいと思いますよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・チャップリンからの贈りもの@ぴあ映画生活