「ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男」を観てきました。
ストーリーは、
親に捨てられ、劣悪な環境で育ったジェームス・ブラウン（チャドウィック・ボーズマン）。その後、窃盗の罪により刑務所に入れられてしまうも、無二の親友と出会い、出所後は音楽の世界へ進出。少しずつヒット曲も生み出し、ブラウンの名は次第に世間に広まっていく。一方で、妻や自分を捨てた母親との関係、親友のボビー・バード（ネルサン・エリス）との意見の食い違い、ミュージシャンらとの諸問題など、ブラウンには頭を悩ます事案が常につきまとい……。
というお話です。
森の中で育ったジェームスは、ギャンブル好きな父親と優しい母親の元に産まれたのですが、稼がない父親に愛想をつかして母親は出て行ってしまい、父親も軍に入ると言って、ジェームスを叔母の家に預けて姿を消してしまいます。ジェームスは叔母の家で、兵隊を呼び込む仕事をさせられ、それで養って貰っていました。
ある日、洋服が欲しくて、スーツを盗んだところを警察に見つかり、窃盗で捕まります。黒人で身元引受をしてくれる人も居ないジェームスは、洋服を盗んだだけで１０年も刑務所に入れられる事になるのでしたが、ボビー・バードという黒人の友人が親に頼んで、ジェームスを助けてくれます。それから、ボビーとの長い付き合いが始まり、一緒にバンドを組んで、歌い始めます。
その音楽の才能でどんどん有名になり、商才も発揮し、自分を世界に売り出す事に成功します。兵士の慰問に回ったり、その人気は大きくなって行くのですが、自分を捨てた母親が出てきたり、他のミュージシャンとの問題が起きたり、一番の問題は、ボビーとの意見の食い違いが大きくなり、上手く行かなくなります。長い間、ジェームスの面倒を見てくれていたボビーに去られたジェームスは、制御が効かなくなり、色々な問題を起こしたり、人気に陰りが出て、お金に困る事になったり、息子が亡くなったりと、沢山の問題に悩まされます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
ジェームス・ブラウンって、ゲロッパという曲で知ってはいるけど、本物をキチンと映像などで観た事が無かったし、音楽もサビ部分しか聞いたことが無くて、こんな人だったとは驚きでした。知っている歌もたくさんあって、これもこの人の曲だったんだってものがたくさんありました。
一番驚いたのは、音を主旋律から外して持って行く事を、この人が初めてやったということを知った時。この一拍遅れのテンポって、それまでは無かったんだって、ビックリしました。このテンポ、超ノレるのにね。それまでは、気持ち悪いと思われていたのだと思うと、不思議です。
そうそう、ゲロッパって、Get up って言葉だったんですね。何言ってんだろうって、ずーっと不思議だったのですが、今回、初めて知りました。それにしても、こんなにテンポの良い曲をたくさん歌っていたんですね。そして、最初は、ゴスペルを歌っていたというのにも驚きました。何事も、基本が大切なのかしら。ゴスペル歌手として、基本が出来ていたからこそ、音をワザと外したりという芸当が出来たのでしょうね。
それにしても、こんなに凄い人の伝記映画に対して、何を書いたら良いのかしら。彼の歴史については、説明する必要も無いと思うので、映画としてどうかという事を書きますが、私は、この映画、伝記としてでなくても、とても楽しめました。音楽の比率と、彼の歴史を追う部分との比率が、とてもバランス良くて、楽しんで観られたんです。ずーっと、彼の歴史を追って行くだけだと、ちょっと退屈だと思うんですけど、途中で、有名な曲を入れて、そのステージもやってというのが絶妙で、上手いと思いました。
私は、この映画、お勧めしたいと思います。きっと、私のように、映画で彼を知る人間よりも、既に音楽を知っている人が観ると、横のつながりとか、時代とかが解るので、とっても楽しめると思います。ローリングストーンズとか、色々なグループが出てくる時代に、既にトップを走っていたジェームス・ブラウンという人が、どういう人なのか、知る事が出来ました。今、私たちが普通に楽しんでいる音楽の元が、この人から出て来ていたと思うと不思議です。とっても良い映画なので、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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