「きみはいい子」の試写会に連れて行って貰いました。
ストーリーは、
新米教師の岡野(高良健吾)は、ひたむきだが優柔不断で、問題があっても目を背け、子供たちから信用されていない。雅美(尾野真千子)は夫の単身赴任で3歳の娘と2人で生活し、娘に暴力を振るってしまうことがあった。一人暮らしの老人あきこ(喜多道枝)はスーパーで支払いを忘れ、認知症を心配するようになる。彼らは同じ町で暮らしており……。
というお話です。群像劇です。
小学校教師の岡野は、まだ新米で、子供に手間取ってしまう事も多く、それを子供たちに見抜かれてしまい、騒ぎになる事も多く、学級担任の先生に助けられる事もしばしば。それでも、素直で良い教師なので、何とか続けています。
ある日、校庭の隅の鉄棒の所に、クラスの男の子が一人、寂しそうにしているのを見かけます。尋ねると、5時まで家に帰れないようなんです。心配になり家に送って行くと、父親が、子供は外で遊ぶもんだと言い、どうも子供にDVをしているようなんです。父親は働いておらず、母親が働いている様子。心配になりますが、教師が家に踏み込む事は出来ず、親に意見する事も出来ず、仕方なく帰ってきます。そして・・・。
雅美は、夫が海外に単身赴任であり、3歳の娘と暮らしています。ちょっとした事でイライラしてしまい、娘に手を上げてしまうことも多く、その度に、娘はビクビクし、泣いて謝ります。雅美は、イケないと解っていても止める事が出来ず、いつも手を上げた後、苦しみます。ある日、公園で仲良くなったママ友の陽子と、家を行き来するようになります。陽子の家でイタズラをしてしまった娘を見て、ついキツイ言葉を浴びせてしまう雅美を観て、陽子は・・・。
あきこは、小学校の通学路沿いに住む老人。いつも庭先を掃除していると、家の前を知的障害を持った男の子が通り、挨拶をして行くのを楽しみにしています。ある日、スーパーに買い物に行って、品物を持ったまま店を出てしまい、店員の和美に呼び止められます。その場は収まったものの、自分に認知症が始まっていることを予見し、不安になっていました。

数日後、家の前で、いつも見る知的障害の男の子が、カギを失くしてパニックに陥っている場面に出くわします。直ぐに彼を保護し、彼の母親に連絡をします。彼の母親が迎えに来ると、あのスーパーの店員であり、息子の障害でとても悩んでいる事を告白します。そして・・・。
こんなお話が、同じ町の中で起こっていて、どこかで繋がっています。みんな、それぞれに悩んでいて、苦しんでいて、救いを求めているんです。これは、私たちの身近な日常に起こっている問題です。子供への虐待、一人住いの認知症のお年寄り、学校と家庭の関わり方、どれも、何処にでもある出来事なんですけど、解決策が無い。でもね、もし、ちょっとした関わりを持って、一言の声掛けが出来たら、少し変わるんじゃないか、もし、少しでも触れ合えたら、助けられるんじゃないかという問題なんです。
まず、小学校の教師が体験する問題。確かに、最近の親は、モンスターペアレンツと呼ばれるほど、酷く子供の事に関わって来るようですが、だからと言って、全てが親の責任とは思えないんです。やっぱり、教師になっている人達も、責任感が無くなっていますよね。相手が子供だと思って、適当に誤魔化そうと思っているから、子供に見抜かれるんじゃないの?だから教室で問題が起こるんだと思うけど。
やっぱり、最近の教師は、常識が無い人間が多いよね。殺人の動画を見せるとか、虐めに加担するとか、子供の動画を撮影して売るとか、なんか、トンデモナイ教師が居て、驚いてしまう。教師の採用テストの時に、必ず勉強だけでなく、常識テストと社会適応性テストをして欲しいですね。教師のニュースを観る度に、この人達、普通の社会には対応出来ないから教師になったのかなと思うような人が多いですもん。そんな人間に子供を預けるのは怖いですよね。モンペアになる気持ち、解ります。
でも、親も、自分の子供が悪い事をしたなら、必ず相手に謝りに行くとか、悪かった事を理解させなければダメです。二度とそんな事をしないように教えて、抱きしめてあげて欲しい。そして、親が”あなたに悪い事を教えてあげなくてゴメンなさい”と子供に謝ってあげて下さい。教えなかった親が責任を取るべきです。解りますよね。
そして、子供に手を上げてしまう母親。そこには、深い闇があるのですが、ただ、親を責めるだけでは解決しません。親だって、やりたくてやっている訳では無いということが、この映画の中に描かれています。子供に手を上げる事は、親にとってリストカットを繰り返していると同じなのかなと思いました。自分を苦しめているんです。観ていて、辛いと思いました。救ってあげるには、この映画で描かれているように、理解して抱きしめてあげる事だけなのかも。

老人の一人住まいの問題ですが、自分だって、そうなる恐れはあるから、困ってしまうな。誰かに頼れるなら良いけど、子供が居なければ、頼る人は居ないもんね。みんな、自分より先に逝ってしまったら、最後は一人でしょ。どうしようもなく、解決策も無いなぁ。まぁ、一人寂しく死んでいくしか無いのかな。出来るだけ、人に迷惑をかけないようにしておきたいものです。

この映画、私は、超・超・お勧めしたいと思います。やっぱり、人間って、触れ合う事が大切だという事が解ると思います。一人で生きている訳では無いという事を思い出して、近くにいる人と触れ合ってみると、少し、気持ちが柔らかくなって、人にも優しく出来るかも知れません。そんな事を思わせてくれる映画でした。私も、久しぶりに主人に、ギュッ!として貰おうかな。最近、忙しかったから、”ギュッ”をして貰ってなかったの。(笑) 皆さんも、親でも、子供でも、ちょっと恥ずかしいけど、ギュッとしてみて下さい。なんか、気持ちが変わってきますよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
ちょっとぉ~!長くなってゴメンナサイ。
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