「サンドラの週末」を観てきました。
ストーリーは、
体調が思わしくなく休職していたサンドラ(マリオン・コティヤール)は、復帰のめどが立った矢先の金曜日、ボーナス支給のため一人のクビを切らなくてはならないと解雇を通告される。ところが、同僚の計らいで週明けに職員たちが投票を行い、サンドラのためボーナス返上を受け入れる者が半分以上になればクビを回避できるという。その週末、月曜日の投票に向けサンドラは同僚たちの説得するため奔走するが……。
というお話です。
サンドラは、体調を悪くして休職していて、やっと復帰出来そうだという事で、楽しみにしていたのですが、会社は、解雇通告をします。何故なら、サンドラの居ない間、一人足りなくても、十分に工場は稼働していたし、ボーナスを支給する為には、一人辞めて貰わないと支給が出来ない事が判明したんです。仕事が無くなると経済的に困ってしまうサンドラは、何とか雇って欲しいと社長に頼み込み、社員がボーナスを諦めてくれれば、その分で給料が払えるからサンドラを雇えるというんです。
社員にボーナスを諦めてサンドラを雇うか、ボーナスを貰ってサンドラに辞めてもらうか、どちらか投票で決めることとなり、サンドラは、投票までの週末に、仲間の社員たちの家に行き、ボーナスを諦めて貰えるように頼み込みます。もちろん、社員それぞれは、ボーナスで何を買おうとか、借金を返済しようとか、色々な予定があり、簡単には了解することはありません。
それでも、何人かは、仲間が解雇されるのを不憫に思い、ボーナスを諦める事に同意をしてくれます。しかし、サンドラを雇用する為には、過半数の社員の投票が必要であり、ギリギリの同意を取り付けて、投票日に向かうのですが・・・。後は、映画を観てくださいね。
うーん、もちろん、解雇されるのは可哀想だけど、自分が休職していた訳だし、ちょっと甘いかなと思いました。社員の権利があると言うのでしょうが、雇う方としては、いらない人員にお金を払いたくないよね。だって、休職しなければ、1人足りなくても稼働が出来るという事は解らなかった訳だし、休職は、会社のせいじゃなくて、自分のせいでしょ。
それで、他の仲間にボーナスを諦めてくれって、甘いんじゃないの?よく、諦めてくれる仲間が居たよね。普通なら、ボーナスは君の為に諦めるとは言わないと思うけど。それに、1回のボーナスを諦めるだけで済むと思わない方が良いでしょ。だって、いらない社員を一人雇う訳だから、彼女の給料を払っていくのに、ずーっとボーナスを諦めなくちゃいけなくなるんじゃないの?1回のボーナスだけでこれからずーっとサンドラを雇っていける訳が無いよね。誰かが解雇されることになると思う。そうしたら、最初に解雇を免れたサンドラが、すごく恨まれるでしょ。
会社の現状も解るし、他の社員の気持ちもすごく解るんです。だからこそ、サンドラのやることが、とても自分勝手に見えてしまって、彼女に訪ねられてボーナスを諦めてくれるように頼まれる社員の人々が、とても可哀想になりました。そりゃ、キレイ事を言えば、ボーナスを諦めて、彼女を助けてあげるって言ってあげたいよね。
でも、サンドラ一人の為に、たくさんの家族が、当てにしていたボーナスを諦めなくてはいけなくなるんです。ボーナスが入ったら、お父さんにおもちゃを買ってもらおうと思っていた子供たちや、壊れた家具などを買い直そうと思っていた奥さんなど、たくさんの人が、ガマンをしなければならなくなるし、その分のストレスが溜まって、家庭内暴力が起きるかもしれない、離婚に発展するかも知れない、色々な問題に波及するんです。
社長だって、好きで彼女を解雇する訳では無く、会社の経営状態から、仕方なく、そういう決断をしているんです。サンドラが戻ってきて、今までの倍くらいの仕事量をこなしてくれるなら、ぜひ帰ってきて欲しいと言うのでしょうが、10人の仕事だったものを9人でやってみたら、問題なく出来ることが解ってしまったら、サンドラの作業量は無かったと同じだと思われても仕方が無いでしょ。普段から、人より頑張っていて、能力が高かったならまだしも、対した能力じゃなかったのだから、サンドラが諦めて、新しい仕事を探すことが、一番正しいのでは?と思いました。
こういう時に、自分が今までにやってきた仕事が評価されますよね。いつも手を抜いて、ダラダラやっていたら、必ず、しっぺ返しが来ることになるんです。甘すぎる彼女の考えに対して、私が社長なら、ハッキリ言うけどね。あなたには能力が無いから、あなたが要らなくなりましたって。それくらい、社会はサバイバルなんだけど、それが解っていないみたい。
私は、この映画、お勧めしたいと思います。これを観ると、普段の仕事をどういう姿勢でやっていたのか、仲間との関係はどうなのか、というのが解ります。とりあえず、社員として雇用されているから、休職しても戻れるし、大丈夫だよねなんて甘い考えは捨ててくださいって言われているようで、イイねって思いました。誰もが生きるのに必死なのに、そういう事を考えていなかった女性の姿が描かれていて、人生舐めんなよってところが、とても気に入りました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。