「ザ・トライブ」言葉が無い映画ってとても不思議でした。手話が解らないので雰囲気で感じて。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ザ・トライブ」を観てきました。


ストーリーは、

セルゲイは、族(トライブ)による悪の組織が支配する序列の厳しいろうあ者のみが通う寄宿学校に入学。そこは犯罪や売春の温床となっていた。セルゲイは、何度か犯罪に手を貸すうちに組織内での地位を確立していく。次第に彼は族のリーダーの愛人の一人で、売春をしているアナに夢中になり始め……。

というお話です。


トライブ

ろうあ者の寄宿学校に入学したセルゲイ。普通の素朴な青年であり、どの学校にも起こる、新入生に対しての虐めが始まります。セルゲイは、虐めを始めた生徒たちと戦い、一応、その学校のボス的な男子に認められ、一番下っ端ながら、仲間に入れて貰えることになります。

使いっ走りからやらされ、段々と仲間に一員になっていくセルゲイでしたが、ある日、売春をしている女子を手引きしている男子生徒が事故に合い、その代わりに、売春の手引きをさせられることになります。女子生徒は、海外に行く為にお金を貯めていて、その手引き件用心棒的な仕事を、男子生徒がやっているんです。毎日のように、女性生徒を、トラック運転手が仮眠を取るパーキングエリアに連れて行き、運転手と交渉し、彼女たちを宛がいます。

トライブ

セルゲイは、売春をしている女子生徒にお金を渡し、自分もやらせて欲しいと頼み、彼女と経験をする事になります。その経験は、セルゲイの意識を変え、男同士の仲間の繋がりより、彼女との繋がりが、彼にとって、重要になって行きます。しかし、彼女は、セルゲイが入っている仲間のボスの愛人であり、ボスから彼女を奪い、売春を辞めさせることが難しいということが、セルゲイには解っているんです。

自分では、どうしようも出来ない学校内での序列。セルゲイの不満は溜まって行き、彼の行動は、悪い方向へと向かってしまいます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

トライブ

言葉が無くて、手話だけということが、こんなにも不思議な世界を生み出すという事を、初めて知りました。やっている事は、障害が無い人々と同じなんです。高校生の頃、寄宿学校に入っていて、グループでつるんで、悪い事をやって、虐めもあって、本当に、一般的に良くある光景なのですが、言葉がひとつも無くて、彼らの耳が聞こえないということで、状況が、全然違ってくるんです。

手話で会話をしている彼らなんですが、観ているこちらは、手話が解らないので、何を話しているのか解りません。でも、しばらく観ていると、何となく、その雰囲気で、怒っているんだなとか、何か困っているんだなとか、嬉しいのかなということが、良く解ってきます。そして、彼らのそれぞれの性格とか、何を望んでいるのかという事も解ってきます。

トライブ

それまで、自分が知らなかった世界が、ここで理解出来てくるわけです。普通なら、言葉が無ければ理解し合えないと思っているんだけど、これを観ていると、音が無くても、その仕草と表情で会話が出来て、意志の疎通が出来るのだと解るんです。これが、観ていて、どんどん引き込まれる要因なのではないかと思いました。言葉があると、映像が無くても理解出来るのですが、こればかりは、映像のみが便りなので、必死で観てしまうんです。

トライブ

この不思議な感覚は、観て頂かないと、何とも伝えにくいんです。それこそ、言葉よりも映像って感じですね。私、言葉って、とても大切だし、その音量や発声の仕方で、全然感情が違って伝わるので、音だけというのも面白いよなって思っていたのですが、その反対の映像だけというのも、これほど面白いのだと解りました。目は口程に物を言うという言葉が、良く分かります。

トライブ

そして、セルゲイという青年は、障害なんかとは関係無く、その感情のままに、行動がエスカレートしていきます。抑圧された彼の現状が、彼を追い詰めて、爆発させてしまうのだという事が、良く解ります。若い頃は、誰かが、ガス抜きをしてやらないと、どうしても、突っ走って、止められなくなるという典型だと思いました。だから、寄宿学校とかには、そのバランスを保つ先生や先輩が必要なんですよね。うーん、考えさせられました。

トライブ

私は、この映画、とってもお勧めしたいと思います。最初の方は、手話が解らず、彼らのやっている事が全く理解出来ないので、変なの~面白く無い!と思うと思うのですが、それを超えると、全てが解って来て、目が離せなくなるので、楽しめると思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




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