「奇跡のひと マリーとマルグリット」の試写会に連れて行って貰いました。主演の女優さんがいらしていて、美しかったです。
ストーリーは、
ある日、聴覚障害のある少女たちの教育施設ラルネイ聖母学院に、父親と一緒にマリー(アリアナ・リヴォワール)がやって来る。盲目で耳も聞こえない彼女はスキを見て庭に飛び出し、ついには木の上に登ってしまう。マリーを下ろそうとした修道女マルグリット(イザベル・カレ)は、受け入れを渋る院長を説得して彼女を学院に迎え入れようとする。
というお話です。
聴覚障害を持つ少女たちの施設に、一人の女の子が連れてこられます。父親が連れてくるのですが、暴れるので、縛って連れてくるんです。修道女に、この子をお願いしたい、聴覚障害以外に、視覚障害があり、話す事も出来ないというんです。三重苦をもったマリーは、何をしても恐がり、突然暴れ出して、木に登って下りてこないという事を続けます。そんなマリーに何かを感じた修道女マルグリット。
彼女は、自分が面倒を見るから、施設に迎えてあげて欲しいと頼み、院長も渋々、入所を承諾します。まるで”狼に育てられた少年”を育てるように、暴れるマリーをなだめて、一つづつ意志の疎通が出来るように、手話を教えて行きます。目も見えないので、手話を教えるのも、まず、行動の名称を教えて、それに対する答えを、はいいいえから教えて行きます。根気のいる教育ですが、マルグリットは、マリーに教育することが、神から自分に与えられた使命なのだと感じ、必死に教えて行きます。
マルグリットは、昔から肺が悪く、長くは生きられないと言われていて、彼女にとって、マリーに教育する行動は、身体を酷使するので、命を縮めてしまう要因なのですが、誰が止めてもマルグリットは止めず、とうとう倒れてしまいます。心配するマリーですが、マルグリットは、ある決断をします。後は、映画を観て下さいね。
子供の頃に読んだ「ヘレン・ケラー」のお話と一緒です。でも、ヘレン・ケラーは、良いお家のお嬢様だったと思うけど、このマリーは、裕福な家では無いんです。だから、沢山の兄弟の居る中、両親は、仕方なく、マリーを修道院に連れてきたのだと思います。もう、手に負えなくなってしまったんだと思うんです。もちろん、マリーは、それを感じていて、捨てられたと思い、荒れますよね。可哀想でした。
でも、修道院には、マルグリットという素晴らしい先生が居て、全てをマリーに捧げてくれたんです。素晴らしいと思いました。ここまで彼女の為にしてくれたら、マリーだって、それに答えようと、一生懸命になると思います。そのコミュニケーションの取り方は、常人からは想像の付かない苦労があるように見えました。
このマリーを演じている俳優さんは、自分も聴覚障害があり、手話で会話をします。目も見えない演技をするのは大変だったので、視覚障害の施設に行って、勉強をさせて貰ってきたそうです。だからなのか、普通の俳優さんが演じるのと違い、とてもリアルに感じました。現実に、こんな風なんだろうなぁって、思いました。
話の筋としては、ヘレン・ケラーととても似ているので、それほど目新しいという感じは無いのですが、やはり、同じ障害者でも、お金がある家と、そうでない家との違いが良く分かりました。この時代は、そういう時代だったんでしょうね。そして、障害者が演じているだけあって、やはり、リアル感は、とても良く出ていたと思います。目が見えないって、信頼出来る人が側にいなければ、本当に怖いですよね。一歩踏み出すことさえ怖いんですから、外を歩くなんて、本当に大変だろうに、このマリーは、木に登っちゃったりして、凄いでしょ。高さの感覚が無いから、横に歩くのも、上に登るのも、それ程、怖さは変わらないのかも知れませんね。
ちょっとした仕草などで、障害があると、こんな風に困る事があるんだなとか、こういう事はイヤなんだなって事が、この映画の中で、ちょっと理解出来て、考えさせられました。
私は、この映画、お勧めしたいと思います。でも、波がある映画では無いので、単館系の静かな映画が好きな方にはお勧めだけど、そうでないと、眠くなっちゃうかも知れませんよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・奇跡のひと マリーとマルグリット@ぴあ映画生活
- 奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝 (新潮文庫)/新潮社
- ¥432
- Amazon.co.jp
- 奇跡の人 [DVD]/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- ¥1,944
- Amazon.co.jp