「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」を観てきました。初日が、”109シネマズの日”だったので、1100円で観れてしまいました。嬉しいね。(*'ω'*)
ストーリーは、
かつてヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡(ふうび)した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、落ちぶれた今、自分が脚色を手掛けた舞台「愛について語るときに我々の語ること」に再起を懸けていた。しかし、降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)の才能がリーガンを追い込む。さらに娘サム(エマ・ストーン)との不仲に苦しみ、リーガンは舞台の役柄に自分自身を投影し始め……。
というお話です。

アカデミー賞作品賞を貰った作品なので、実は、あまり期待をしていなかったんです。作品賞を貰う作品って、なんか、玄人受けする眠くなるような作品が多いでしょ。私のように、映画は楽しくて、知識を増やしてくれるものって思っている人間には、訳わかんないのが多いのよね。でも、このバードマンは、違いました。これは、イイよ。
俳優のリーガンは、昔、ヒーローもので人気者になったのですが、そのシリーズも終わり、今は、「あの人は今」状態の俳優です。このままではいけないと復活をかけて、舞台をやる事にします。脚色を手掛け、主演もする舞台は、共演俳優に恵まれず、怪我をして降板した俳優の代役にマイクという有名俳優を起用するも、マイクに株を奪われ、またも自信を無くすリーガン。

しかし、なんとか持ち直し、これからという時に、舞台の評論家と言い合いになり、このままでは、舞台の幕を開けても、評論家の酷評で打ち切りとなるのではないかという危険が出てきます。そんなこんなのストレスで、リーガンの心も頭も、ボロボロになり、頭の中のもう一人のリーガン=バードマンが、リーガンにどんどん話かけてきます。現実と幻想の世界の境界が判らなくなり、おかしくなって行くリーガン。舞台の幕は、無事に開ける事が出来るのか。そして、リーガンは・・・。後は映画を観て下さいね。
とにかく、映像が凄いですね。ずーっと人物を追って行って、誰かに出会うと、今度はその人を追って行くみたいな感じで、まるで、自分がその人物の後ろに付いて歩いているような感覚に陥るんです。自分がカメラを持って、付いて歩いているって感じかな。だから、とってもリアルに感じるんですよねぇ。
そして、私が驚いたのは、音楽です。ドラムの音だけで、最後まで行くんですよ。超カッコいいの。そして、タイミングも絶妙です。映像も良ければ、音楽も独特で素晴らしいとなると、後は、ストーリーと演技だけよね。でも、安心して。そちらも、満足出来るものでした。
このリーガンというキャラクターって、誰にでも当てはまると思うんです。子供の頃、母親とかに、○ちゃんは、頭が良くて可愛いからってちやほや甘やかされて、学校に行ってみると、自分は平凡で、何も出来ないという事を知り、自信を無くして、引きこもる人もいれば、虐める方、虐められる方になる人もいたり、落ちこぼれて学校を辞めてしまう人もいる。このリーガンは、昔の名声を今も捨てられずに、今ももがいているんです。
昔の自分に囁かれながら、新しい自分を探して、演劇に挑戦するんだけど、映画界から演劇界に入ったリーガンを良く思わない人もいて、彼の舞台を酷評しようと爪をといでいるんです。これって、日本でもあるんでしょうね。新参者には冷たいっていう事でしょ。そんな周りに振り回されながら、リーガンは、必死で立ち向かって、舞台を成功させようとするんです。

このリーガンの気持ち、痛いほど解りました。調子の良い時って、自分の周りに目が行かないんですよね。だから、調子が悪くなって、どん底に落ちた時、ハッと気が付いて周りを見ると、自分が酷い事をしてしまっていた人々が沢山いるんです。その時に、自分がしていた事に気が付くんだけど、後の祭り。今更謝ったって、相手は傷ついてしまっているし、怒ってしまっている。取り返しが付かないんです。
そして、なんとか挽回をしようと思うのですが、それはやってしまった事の何倍も苦労をして、時間をかけて、許しを請うしかないんです。そして、追い詰められて、幻聴が聞こえてしまう。「もう、忘れてしまえ。おまえはバードマンなんだから。」って、逃げ出そうという誘惑が襲ってくるんです。逃げ出したくなりますよ、そりゃ、当たり前です。うーん、解る解る。
ああー、この映画、気に行ったから、感想が長くなってる~!!!ゴメンナサイ。もう、切り上げなくちゃ。
この映画、どちらかというと、男性的な映画かな。女性だと、あまりこういう経験がある人って少ないんじゃないかな。でも、この辛い気持ちは、誰もが解る事だと思います。
私は、この映画、超お勧めしたいと思います。映画自体のストーリーも面白いのですが、やっぱり、見どころは、映像の構成と、音楽かな。このドラムだけの音は、最初、「あれ?もしかして”セッション”っていう映画に来ちゃったのかな?」なんて思うほどのものでした。(笑)映像と音楽に興味がある方は、ぜひ観るべきだと思いますよ。もちろん、ストーリーも面白いので、絶対にお勧めです。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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