「記憶探偵と鍵のかかった少女」を観てきました。
ストーリーは、
人の記憶に入れる特別な能力を駆使して、いくつもの難事件を解決に導いてきた記憶探偵ジョン(マーク・ストロング)。問題を抱えた16歳の少女アナ(タイッサ・ファーミガ)の記憶を探る依頼が舞い込み、彼女の記憶に潜入したジョンはショッキングな出来事の数々を目撃する。その記憶に隠された謎に迫るため事件の関係者たちを訪ねるが、どの証言もアナの記憶とは異なるものばかりで……。
というお話です。
話としては面白いと思うんですけど、結局、考えた通りの結末で、”うん、まぁ、そうだろうねぇ。”って思ってしまい、あまり感動も感嘆もありませんでした。普通、こいつが犯人だよね。一番極悪で、それこそ、サイコパスっていう奴。
アナという少女が、ハンガーストライキをしているので、それを辞めさせてほしいとの依頼を、記憶探偵のジョンは、受ける事になります。ジョンは、ベテランなのですが、妻の自殺がトラウマとなり、人の記憶を辿っている時に、自分の記憶が混入してしまうという事故があり、仕事を休んでいたんです。そろそろ復帰したいと言う時に、簡単な仕事だからと言われたのが、このアナの仕事でした。
アナは、一見、普通の少女ですが、親の話や、本人の話を聞いていく内に、彼女のIQが非常に高く、思っていたよりも手ごわい相手だということが解ってきます。ハンガーストライキと言うのは、入り口にすぎず、アナには、もっと深い闇が潜んでいるのではないかと、ジョンは、思い始めます。彼女の記憶を辿って行くのですが、見れば見るほど、周りの人間たちの証言とは違って行くんです。それも、全く違うのではなく、少しずつズレている。受け流してしまいそうな事なのですが、些細な事が、どんどん合わなくなってくるんです。
誰が嘘を言っているのか、誰の記憶が違っているのか、そして、誰が何の目的で、こんな事をしなければならないのか、その謎をジョンが解くことが出来るのか、それは、映画を観て下さいね。
記憶って、とても曖昧なものだし、思い込みでいくらでも変えることが出来ますよね。良く、虚言癖の人って居るでしょ。彼らは、自分が話している事を真実だと思いこんで話してしまう。だから、周りも騙されてしまうんです。自分が真実だと思えば、脳の中でそれに対する疑いも無くなるから、周りの人間は、疑いようが無いですよね。真面目な人間が話していると同じ状態なんですから。こういう場合、ウソ発見器にも引っかからなかったりするらしいので、恐ろしいです。

だから、記憶探偵が探った記憶なんて、信用出来ないと思うんですけど、何故か、この世界では、記憶探偵が探った記録は証拠となるんです。不思議でしょ。嘘かも知れないのに。でも、事件の証拠としては問題がありそうだけど、事件の詳細を探る為には、記憶を調べるのは良い方法だと思います。嘘があるかも知れないけど、何か手がかりは残っているだろうから、そこから展開して行くには、良いですよね。
このアナという少女、見るからに怪しそうなんです。あの「少年は残酷な弓を射る」のようなんです。まぁ、あの時のような、悪魔的で透明な美しさは在りませんでしたが、アナは、あの少女版のような感じなんです。でも、映画を観る前に期待したほど、このアナの女優さん、引き込まれるほどの美しさは在りませんでした。出来れば、この役は、フランス人形のように、顔が整っている丸顔で、もっとロリータ系の少女の方が良かったように思います。タイッサ・ファーミガさんだと、少女グループの中でリーダーに付いて行くタイプの少女なので、イマイチ、頭が良さそうでは無いんですよね。ミーシャ・バートンが子役の頃だったら、この役に良かったと思うんだけどなぁ。
ジョン役のマーク・ストロングさんは、バリバリの正統派俳優なので、文句の付けようがないです。私のような、オッサンマニアには、マーク・ストロングさんは、ストライクゾーンの真ん中なんです。オジサマ~って感じですかね。頭なでなでして、ギュッとして欲しいよぉ~。(笑)
私は、この映画、まぁまぁ、お勧めして良いと思います。話としては、面白いところを突いているので、楽しめると思います。でも、結構、場面がクルクル変わるので、ぼんやり観ていたり、途中でウトウトすると、解らなくなるかも知れません。気軽に行く映画と言うより、ちょっと、難問に挑戦したいという方にお勧めします。まぁ、難問では無いんですけどね。(笑) ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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