「リトル・フォレスト 夏編・秋編」を観てきました。
ストーリーは、
都会で生活してみたもののなじめなかったいち子(橋本愛)は、故郷である東北の小さな集落・小森に戻ってくる。近所にはスーパーもコンビニもないため、自ら作物を育て、野山で採ってきた季節の食材で日々の食事を作り、自給自足の生活を送っていた。不便ではあるが季節の移ろいを感じ、自然の恵みを食べながら、いち子は生きる活力を蓄えていく。
というお話です。
都会から逃げてきたいち子の、田舎町での生活を描いています。そこには、コンビニも無く、都会で言う娯楽というものが一つも在りません。いち子は、毎日、畑や田んぼに行って、農作物の世話をして、自給自足の生活を送っています。もちろん、お金も必要なので、田舎でアルバイトもちょっとしています。
そんないち子は、高校を卒業して、一度は都会に出て行き、それなりの生活を送ったのですが、上手く行かず、逃げるように故郷の小森に戻ってきました。いち子の母は、5年前、いち子を置いて家を出て行ったまま、戻ってきません。だから、小森の家には、いち子、一人。淡々と、子供の頃から、母親に教わってきた生活の知恵を使いながら、日々の生活を充実させて行き、人間としても成長して行きます。
この映画、あまり感想を書くことが無いんですよ。いち子の生活を辿って、そのままを描いているので、何がどうって、何も変わりが無くて、書きようが無いんですよねぇ。観ていて、とっても”ほっこり”するし、何となく、しあわせな気持ちになるんだけど、でも、本当にそれだけで良いのかなとも思ったりして、難しいですね。
私たちの生活はどんどん便利になり、合理的に出来事が進んでいくようになって、面倒な事が減っていると思いますが、でも、面倒な事をする事によって、人の心にゆとりが出たり、余裕が出来たりがあると思うんです。全てが四角になってしまって、キレイに収まってしまうのでは、面白くないでしょ。出来れば、丸になって、丸と丸の間に隙間や余裕があった方が、楽しいし、心が柔らかくなりそうな気がしませんか?この映画は、そんな事を教えてくれる映画なんです。
森でクルミを拾ってクルミご飯を作ったり、栗を拾って渋皮煮を作ったり、グミを煮てジャムを作ったり、米麹を使ってカルピスサワーもどきを作ったり、映画の中で作られる料理は、とても面白いものばかりでした。ビックリしたのは、ウスターソース。ソースって、醤油ベースで作られるとは驚いた。もちろん、ブルドックソースのウスターとは違うんだろうけど、美味しいかもって思いました。
印象に残ったのは、飼っている鴨を自分の家でシメて、肉にして食べるところ。私たちは、スーパーに並んでいる食材しか見ませんが、本当は、命あるものを殺して、食べているんですよね。大切な命を頂いているという感覚を思い出しました。
それにしても、橋本愛ちゃん、どんどん役者として成長していますね。透明感があって、それでいて、人間臭い感じもあり、ステキですねぇ。育てている野菜たちにも、愛があるように接しているし、生きるって事を、この映画の中で感じさせるような演技に感動でした。この子は、これからも楽しみだなぁ。舞台とかもやって欲しいです。
私は、この映画、お勧めして良いかなと思います。アクションなどでは無く、優しい邦画が好きな方には、特にお勧めかな。結果が出たりするような映画では無いので、スッキリしたい方にはダメだと思います。でも、ゆったりした気持ちになりたかったり、田舎の風景で癒されたいと思う方には、超お勧めかな。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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