フランス映画祭2日目、フランス映画祭5作目は、「素顔のルル」です。
ストーリーは、
主人公は40代の主婦ルル。就職面接に失敗したルルは、終電を乗り過ごし、大西洋岸の小さな町サン・ジル・クロワ・ド・ヴィで一夜を過ごす羽目になる。翌日、再び電車を乗り過ごしたルルは、夫と3人の子供たちが待つ家に帰ることを放棄し、この町にしばらくとどまることを決意する。自由に生きる初老の男シャルルと恋に落ち、同居を始めるルル。ルルの妹が心配してやって来るが、幸せそうに暮らすルルに対して家に戻るよう言い出せない。長女までもが町にやって来たのを知ったルルはシャルルのもとを離れ、偶然知り合った老女マルトの家に転がり込む。二人の間にはある種の友情が芽生え、ルルの新たな冒険が始まる......。
というお話です。
このルル、ムカつくぅ~!あまりにも自分勝手で、最初、何と言って良いのか解らないほどムカッときました。ずーっと主婦をやっていて、ストレスが溜まっていたのよってことで、許されると思うなよぉ~!私が夫なら、もう、戻ってこなくて良いと言うでしょう。それ程、行き当たりばったりでなんですよ。もし、ストレスが溜まっていて、夫に不満があるなら、もう少し、面接に行くにも、準備しようよ。大体、履歴書に、エクセルとワードが出来ますなんて書いていくなよ。それは、基本です。出来るのは当たり前。エクセルでも、関数、データ集計、分析およびワークグループ作業が出来るなら、それを書きましょう。常識が無いんじゃ、どこも雇わないよ。
と、文句から入ってしまいましたが、典型的な、若い頃、OLをちょっとやっていて、直ぐに結婚したので、お茶くみしか出来ないオバサンなんです。会社としては、出来れば若い人に新しい事を覚えて貰って、ベテランになるまで働いて貰う方が得なんだから、オバサンに一から教えてという手間は、省きたいんですよ。だから、若い頃にスキルを身に着けておいてって、いつも言うんだけど、若い頃は解らないんだよね。スキルさえ身に着けておけば、仕事に戻っても、使えるでしょ。もちろん、資格などは大切です。
そんなルルは、こっぴどく就職試験に落ちて、ぼんやりしていて、電車に乗り遅れます。仕方なく、ホテルに泊まるのですが、ここで、また、ぼんやりして、結婚指輪を失くしてしまいます。洗面所で外した時に、これ、絶対に無くすなぁと思ったら、やっぱりそうでした。最近、こういうパターン、予測出来るのよね。
指輪を失くしたことで、何かが吹っ切れてしまい、そのまま、家に帰るのを止めてしまいます。はぁ?ですけど、街をフラフラ、海辺をフラフラしていると、海で死んでいるように見える男性を見つけ、心配して近寄ると、”死体のマネをする。”男でした。何故か、彼と恋に落ちて、そのままイイ感じで彼の家へ。なんだか、もう、おおーいって感じでしょ。あまりの自由さに、観ている私は、お手上げ状態。
ここまでに、例えば、夫の不貞の過去や、夫のDVの過去などが流れていれば、まぁ、仕方ないかと思うんですが、ここまで、夫は電話の声だけで、普通の良さそうな夫なんです。子供も3人いるようなのですが、そのまま、ほおりっぱなし。え?何で?何で?という疑問を持ったまま、ルルの自由なアバンチュールを見せられるので、この女、超美人ならまだしも、普通のオバサンが、良くそんな事、やるよなぁという気持ちが、頭の中で煮えたぎってしまうんです。

この映画のネックは、きっと、美しい中年女性では無く、普通のオバサンだと言う事なのかなと思いました。主人公が美しければ、何となく、まぁ、仕方ないかなっていう気持ちになると思うのですが、そこが、図々しいオバサンだと、同情しないので、ムカつくんだけど、そこが、面白いと言えば、面白いんですよね。何処までも、”バカなババァだなぁ”って思う事が、なんか、こちらのストレス発散になっているのかも知れません。(笑)
そんな、アホなオバサンの映画ですが、結構、楽しめました。超ムカつくんだけど、最後の方になってくると、オバサン、頑張ってんじゃんっていう気持ちになるんですよね。
私は、この映画、まぁ、お勧めしても良いかなって思います。好き嫌いがあると思いますが、オバサンの遠慮しながらもズンズン前に出てくる図々しさを笑える人には、結構、楽しめると思いますよ。
この映画、日本公開は決まっていないようですが、もし、観る機会があったら、観てみて下さいね。
ぜひ、楽しんでください。