「コーヒーをめぐる冒険」を観てきました。
ストーリーは、
2年前に大学を中退してからぶらぶらと暮らしているニコ(トム・シリング)は、朝からツキに見放されていた。小さないさかいの末に恋人(カタリーナ・シュットラー)と別れた揚げ句コーヒーを飲み損ね、運転適性診断室では取り上げられた免許証を返却してもらえなかった。さらにはカフェでコーヒーを頼むが所持金が足りず、お金を下ろそうとしたらカードが機械に吸い込まれてしまう。
というお話です。
この映画、なんか、まったりした内容で、バックムービーとして流しておいても良いような映画でした。絵も美しいし、楽しめるんじゃないかな。なぜ、バックムービーでも良いと言うかと言うと、ずーっと観ていなくても、その部分部分で、それぞれ事件が起こって、彼の運の悪さを描いているからなんです。笑えるでしょ。でもね、ちゃんと、解決しますよ。ふぅ~んって感じで、終わります。(笑)
何が良くて、何が面白いって、難しくて言えないんですよね。雰囲気を感じて、何かを思う映画だと思うんですけどね。と言うのは、主人公のニコは、親に内緒で、勝手に大学を中退してしまっていて、親からの仕送りでダラダラ生活をしていたんです。

ただの怠け者じゃんって思ってしまいそうなんですが、大学に行っている時って、これで、卒業して、就職して、結婚してなんて、既に、先のレールを決められてしまっているようで、とても息苦しいと感じる時ってあると思うんですよね。その息苦しさを、仕方ないと思って、ガマンして、卒業まで頑張れる人間と、やっぱり、自分には何かやる事があるんじゃないかと思ってしまい、大学を続ける事が出来なくなってしまう人間と居ると思うんですよ。

大学を中退したものの、何をしたら良いのか解らず、ボーっとしてしまう時期が、このニコの時間なんだと思うんですね。どうしようかなぁ~って、ウロウロしているところに、父親からの仕送りが打ち切られ、何をやってもダメな日が訪れるんです。マジで困ったなぁ~と思いながら、コーヒーを一口飲みたいと思って、コーヒーを探すのですが、何故か、何処に行ってもタイミングが合わずにコーヒーが飲めず、今日は、マジでダメだな~って思っているニコの一日のお話なんです。
このコーヒーを探しても探しても手に入らない様子は、今のニコが、未来が見つからないのを表しているのかなって思いました。そして、ある人との出会いと別れにより、何か、自分に出来ることがあるような確信をして、これから動き出そうかなという気持ちになったのではないかと思います。一人の青年が、サナギに入って、出たいけどどうしようと悩んでいたところから、サナギの皮がピキッと割れて、出れそうな状態になったという映画だと思いました。本当に僅かだけれど、皮が割れたという事を表現したかったのだと思います。
とにかく、観ていてキレイなんです。モノクロで表現されていて、コーヒーを飲みながら、ゆったりとした気持ちで観たいような、そんな映画でした。主役のニコを演じてているトム・シリングさんは、そこら辺に居そうな男の子なんですけど、未来がちょっと見えたかもっていうフッとした表情が、とても輝いていて、ステキでした。イケメンですよ。
私は、この映画、お勧めして良いかな。ガッツリ、映画館で観るより、自宅やカフェなどで、ゆったりとしながら観るのが良いような気がしました。美味しいコーヒーや紅茶を飲みながら、ちょっと、その苦味を感じながら観ると、感動すると思いますよ。ぜひ観てみて下さい。
ぜひ、楽しんでくださいね。
・コーヒーをめぐる冒険@ぴあ映画生活