「アデル、ブルーは熱い色」を観てきました。
ストーリーは、
教師を夢見る高校生アデル(アデル・エグザルコプロス)は、運命的に出会った青い髪の画家エマ(レア・セドゥ)の知性や独特の雰囲気に魅了され、二人は情熱的に愛し合うようになる。数年後、念願の教師になったアデルは自らをモデルに絵を描くエマと一緒に住み、幸せに満ちあふれた毎日を過ごしていた。しかしエマの作品披露パーティーをきっかけに、二人の気持ちは徐々に擦れ違っていき……。
というお話です。

うう~ん、パルムドールを貰っているし、素晴らしい映画との触れ込みで、どんな話なんだろうと思って観に行ったのですが、とにかく疲れました。ただ、長いからと言うのではなく、映画の空気というか、とにかく息苦しいと感じました。主人公、2人の愛が息苦しいんです。
この映画は、同性愛でも、異性愛でも、愛は同じものであり、同じように傷つき、同じように愛が深まるということを描いているのですが、これ、女性という生き物を、良く観察して描いているなぁと感心しました。でも、同性愛でも異性愛でも同じと言うのですが、実は、身体の仕組みが違うので、同じでは無いんですよね。それは、生殖器というだけでは無く、生理現象が全然違うんです。

キスや抱擁などの行為で、オキシトシンというホルモンが放出されるのですが、その量が男と女、全く違うんです。女性の方が、一気に大量のオキシトシンが放出され、相手への盲目的信頼が増すんです。ということは、キスなどで、一気に盛り上がって、盲目的に一人を愛してしまうようになると言う事だと思うんです。それに対し、男性は、放出量が少ないので、盲目的に一人を追い続ける事が少ないんじゃないかな。ここから解るのは、ゲイは淡泊だけど、レズは濃厚になると言う事。だから、アデルとエマは、一気に盛り上がって、相手を独占したいと言う気持ちが大きくなってしまったのかなと思いました。
アデルは、普通の高校生として、女子生徒でつるんだり、ボーイフレンドを作ったりという生活を送っていました。ある日、街中ですれ違った、髪の青い女性エマに目が留まり、一目惚れ。女性であっても、恋愛対象になるのだと確信します。エマと付き合うようになっても、自分がレズビアンであるとはカミングアウト出来ず、両親にも、職場にも解らないようにしていました。というか、アデルにとって、好きになった相手が、たまたま女性だっただけで、レズビアンという意識があまり無かったのかなと思いました。
普通の恋愛をし、続けて行けると思っていたのですが、女性特有の嫉妬心や独占欲が強くなり、エマが仕事で忙しくなり、あまり構ってくれなくなった時、寂しさを紛らわす為に、同僚の男性と関係を持ってしまいます。ここまでの話を考えると、本当に、普通の男女の関係と同じですよね。たまたま、相手が女だっただけという事だと思うんです。
こんな2人の愛を、濃厚に描いていくのですが、とにかく、2人のSEXシーンが多くて長いんです。そこに疲れたというか、酔ったというのがあるのかも知れません。私はノーマルなので、どーも、女性同士が濃厚に絡み合うのが長いと違和感があって、酔うんですよ。ぶっちゃけ書くけど、女同士って、どうやってるの?擦り合っているようにしか見えなかったんだけど、それで気持ちイイの?超不思議でした。だって、女には、出っ張ってるモノは無いもんね。
アデルもエマも、なんだか、とってもネットリしているんです。フランス人って、もう少し、サバサバしていると言うか、恋愛に関しては、もっとさっぱりしてそうだったんだけど、この映画を観て、フランスにも強烈なストーカーっているんだろうなぁって思いました。1人の人間に、そんなに固執しなくてもイイと思うんだけど、結構、強烈な2人でしたね。こういう人たちって、疲れるんだろうなぁ。そんな2人の性質が、観ていて疲れたのかも知れません。
映画として、良い作品なのかも知れませんが、とっても疲れます。人間の愛というものを描き切っているのかも知れませんが、酔います。美しくて、情熱的な演技が見れますが、疲れます。(笑) ゴメンナサイ、私、この映画、超疲れたんですよぉ。内容は、良いと思うのですが、とにかく、ここまで濃厚だと、キツいのよ。私のように、1日で3本とか、映画を観る人間にとって、こういう映画は、強敵なんです。でも、これだけ私の頭の中を一杯にさせるのだから、素晴らしい映画なんだろうな。
私は、この映画、お勧めして良いと思います。長くて、疲れる映画なので、何かのついでに観るとかでは無い方が良いと思いますよ。でも、深くて、考えさせられる映画だと思います。だからこそ、賞を貰ったのだと思うし、沢山の人が、この映画にノックアウトされたのだと思います。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・アデル、ブルーは熱い色@ぴあ映画生活