「永遠の0」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
祖母の葬儀の席で会ったことのない実の祖父・宮部久蔵(岡田准一)の存在を聞いた佐伯健太郎(三浦春馬)。進路に迷っていた健太郎は、太平洋戦争の終戦間際に特攻隊員として出撃した零戦パイロットだったという祖父のことが気に掛かり、かつての戦友たちを訪ねる。そして、天才的な技術を持ちながら“海軍一の臆病者”と呼ばれ、生還することにこだわった祖父の思いも寄らない真実を健太郎は知ることとなり……。
というお話です。

なんて悲しく、なんて美しい話なんだろうと、またも、感動をしてしまいました。宮部という一人の零戦乗りを、その孫たちが追っていくと、深い愛の話を聞くことになるというお話です。原作を読んだ時、本当に感動して、映画化を願っていました。そして、映画化されました。
ほとんど、原作通りに進んで、描かれていたように思います。ただ、小説をそのまま映画にしてしまうと、この小説は、現代で孫たちが話を聞いて、戦時中の事が描かれるという繰り返しなので、結構、観ていると、せわしないと言うか、落ち着かないんです。出来たら、もう少し、まとまると良かったのかも知れないけど、そうすると、原作の良さが壊れるので、難しいところです。私は、キャストも良かったし、とても満足をしているんですけどね。ちょっとレビューの点数が私の予想より低かったので、残念。私は、マジで5点満点ですっ!!
原作本を読んだ時に感想を書いたのですが、また、書かせて頂きますね。
戦争の時代には、私たちが考えられないような精神的構造があり、誰もが、お国の為に命を捨てる事を良しとしていたんです。でも、やっぱり、それはおかしいですよね。誰にでも家族は居たのだし、国の為にでは無く、残してきた家族を守る為に命を捨てるほど頑張って戦うと言う事なら納得が出来ますが、どうして、そんな宗教のような狂信的な考え方になってしまったんでしょう。
そういう時代だったから仕方ないとしか現在は言えないのですが、やっぱり、悲しい過去ですよね。彼らは、未来の日本が良くなることを夢見て、その為に、戦争で戦ってくれたんです。今のような、ただ欲のみを追求するような日本を作りたかった訳では無いですよね。この映画の中でも、宮部の戦友たちが、戦後、宮部の妻・松乃を影で支えたように、情とか恩とか、そういうものが大切にされていたのだと思います。そういう優しさが日本を支えていたのに、どうして人を想う心が欠けてしまったのでしょう。本当に、戦争で戦ってくださった方達に申し訳ないです。

戦いたくて戦ったんじゃないし、死にたくて死んだ訳では無いのに、今も、靖国がどーのとか、平気で彼らを汚すような事をする人間が居る事に腹が立ちます。もう、静かに眠らせてあげたいだけなのに、いつまでも外国に文句を言わせている政府に腹が立ちます。日本は日本、他国の事に口を出すなとハッキリ言って欲しい。静かに、安らかにさせてあげて欲しい、それだけなのに、どうしてそんな事も出来ないの?
そして、若者の話で、テロも特攻も同じという場面があるのですが、もし、本当にそんな事を思っている低能が居るのなら、日本から出て行けと言いたい。テロは、やりたくてやってるの。特攻は、やりたくてやっている訳ではありません。特攻した彼らは、自分たちの力ではどうしようもなく、行くしかなかったんです。テロは、その宗教、組織を抜ければ、やる必要は無くなるでしょ。戦争中でも無いのに、何の罪も無い人に向かってテロ行為をするのは、全く違います。
本当に、この映画を観ると、考える事が多いです。何故、戦争になってしまったのか、戦後に日本人の心が変わってしまったのか、戦争を憎むだけでは無く戦争に行った人々を悪く言う人が居るのか、いつまでも戦争の事を引きずるのかということです。戦争の謝罪が無いとかいうアホな人がいるけど、日本が戦ったのはアメリカで、韓国とも中国とも戦っていません。謝罪する理由が無いんです。統治した事は確かなので、その時に被害に遭われた方が居るのは確かだけど、その方への謝罪は既に終わっているので、何の負い目も無いんです。
結局、負けた国だから、良い様に使われて、お金を引き出してやれと思われているのでしょう。そろそろ、日本も、ちゃんと戦争の事を踏まえて、戦争時代の情報を正式に出してみたらどうなのでしょうか。情報開示されているのかも知れないけど、一般の人が国立図書館に言って、全ての文書を読んで理解する訳に行かないので、そろそろ、国を挙げて、本当の太平洋戦争はこうだったというのをまとめて、正式な歴史書としたら良いのではないかと思います。もう、戦争を知っている人が少なくなっているので、まだ、生きてらっしゃる内に、お話を聞いた方が良いと思うんです。
戦争で亡くなった方の思いを、少しでも、この映画で理解して、少しでも伝えて行くことが大切です。この宮部が特別だった訳ではありません。きっと、誰もが、特攻なんてしたく無くて、生きたいと思っていたんです。でも、人間は弱い生き物なので、あの時代にそれを言う事が出来なかった。ただ一人、宮部は強い人間だったから、意思を曲げずに貫けたのだと思うんです。誰もが言いたかった事を、宮部が言っていただけなんです。
最後に、何故、宮部が特攻に志願したのかと言う事ですが、自分の生徒だった若い命を、結局は特攻に送らなければならない自分に絶望をしたのではないかと思います。せめて、自分が行く事で、一人でも特攻に送らないように出来ればと思ったのかも知れません。26歳なのに、自分より若い10代の兵士に命を譲ったんです。現代では考えられませんよね。26歳と言ったら、まだ結婚もしてなくてフラフラしている人が多いでしょ。自分の命に、自分で責任を持つなんて、全く、考えていないんじゃないかしら。あまりのギャップにめまいがしそうです。(笑)私も、この年齢になっても、宮部のような行動が取れるか判りません。本当に恥ずかしい。
内容については、原作の感想で十分書いていたので、観て、感じた事を今回は書いてみました。本当に、映画化されて良かった。今、日本が変わりかけている時、ぜひ、沢山の日本人に、この映画を観て貰って、色々、考えて欲しい。今の日本が、どんな犠牲の上に成り立っているのか、そして、今の日本を見たら、死んでいった彼らが残念に思うだろうと言う事を、認識して欲しいですね。
私は、超超お勧め作品です。こういう作品を観て、考えて欲しい。人間が生きて行く為に大切な事とは何なのか、人って何なのか、家族って、友達って・・・。本当に、沢山の事を、この映画で考える事が出来ます。すべては、愛で繋がっているんです。とても大切な事を教えてくれる映画です。ぜひ、観に行ってくださいね。
P.S : それにしても、私の大好きな新井浩文さん、超イイ役でしたぁ。お爺ちゃんになると、田中泯さんになるのねぇ。あ、これ、ネタバレになっちゃうかな。でも、一番ステキな役でしたぁ。だぁ~い好き!!
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