「ルノワール 陽だまりの裸婦」を観てきました。
ストーリーは、
1915年、コートダジュールにある大画家ルノワール(ミシェル・ブーケ)の邸宅に、絵画モデル志望のアンドレ(クリスタ・テレ)がやって来る。老いた芸術家は、先日亡くなった妻に頼まれてここに来たという彼女を喜んで迎え入れる。アンドレは翌朝から裸婦像のモデルとして働き始めるが、ルノワールは持病のリウマチ性関節炎に悩まされており……。
というお話です。
ルノワールの晩年、あるモデルがやってきて、ルノワールの妻に紹介を受けましたと訪ねてきます。でも、既に、ルノワールの妻は亡くなっているので、彼女のいう事は嘘なんですけど、ルノワールは、妻の願いならと、モデルのアンドレを雇う事にします。
アンドレは、とても奔放な性格で、ルノワールの家に居るメイドと一緒では無く、私はモデルなのだということを主張し、強い性格のため、他の使用人とぶつかる事も多々あったりします。ハッキリ言って、このアンドレという女性は、お金と名声が欲しかっただけのように思えましたが、ルノワールのモデルとしては、肉感的でとても喜ばれたのかも知れません。
えーっと、内容としては、ルノワールの晩年の生活を描いているだけなので、ハッキリ言って、それほど面白い事がある訳ではありません。息子が戦争から怪我をして戻ってきて、父親の手伝いをしていたり、戦争があまり良い状況じゃないということが背景にあったり、手伝いの女性たちの中でも、色々な問題があったり、そんな日常の話を延々とやっていくので、ちょっと眠くなりました。まぁ、そういう日常の中で、ルノワールの美しい絵画が生まれて行ったのだということは解るのですが。
ルノワール自体は、もう、年を取って、身体も思うように動かず、手に筆を包帯で巻き付けて絵を描くような状態なんです。息子が、あまりに辛そうな姿を見て、もう辞めた方が良いというのですが、死ぬまで描き続けたいと言って、手を止める事をしません。そんな父親を観ているのが辛くなったのと、戦争の状況が悪化しているのを感じ、息子は、再度、戦争に行く事を決めてしまいます。
ルノワールの晩年は、既に絵画が売れていたため、お金もあり、裕福な生活を送ってはいたものの、息子は戦争に取られ、妻にも先立たれ、寂しい晩年を送ったようです。でも、ルノワールには絵がありました。絵を描いている時は、活き活きとした色彩と美しい構図、晴れやかな表情を描き出し、自分の妄想の世界でしあわせだったのだと思います。
この映画は、ルノワールの生活を描いているので、何も面白い事も起こらず、淡々と日々が動いていくという構成なので、ルノワールが天才で、素晴らしい絵を描き続けたということは解るのですが、面白味が無いんです。これ、映画としてどうなのかなって思ってしまいましたが、ま、とりあえず、ルノワールの晩年の生活は解るので、良かったのかなとは思いました。
私は、あまりお勧めとは言えませんが、ルノワールという人物に興味がある方には、まぁ、良いのかも知れませんね。でも、私が思うに、もっと神経質なオヤジだったのではないかと思うのですが、それは、この映画には描かれていません。ルノワールという人物をある程度ご存じの方にのみ、この映画はお勧め出来るかな。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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