「言の葉の庭」を観てきました。
ストーリーは、
靴職人を志す15歳の高校生タカオは、雨が降るといつも学校をさぼって公園で靴のスケッチに熱中していた。そんなある日、彼は27歳のユキノと出会い、雨の日だけの再会を繰り返しながらお互いに少しずつ打ち解けていく。タカオは心のよりどころを失ってしまったユキノのために、彼女がもっと歩きたくなるような靴を作ろうと決心する。
というお話です。
このアニメーション、すごく良かった・・・。本当に良かったです。46分という短い映画なんですけど、完璧に描きたいことを集約していて、映像も美しく、しっかりとしたベースに人物が乗っていて、とても安定しているんです。だから、観ていて、ドップリ映画の中に入り込めるし、感動も深くなるんです。
学生の時も、社会人になっても、どうしても前に進めなくなる時ってありますよね。他人に傷つけられたり、周りが恐くなったり、自分に自信が持てなくなって、外に出ることが出来なくなってしまう。きっと、誰もが、軽い重いの違うはあるけど、こういう事って、あると思うんですよね。引きこもりほどではないけど、学校に行きたくないとか、会社に行きたくないとか。
でも、そういう時って、一人で考えていても、前に進めないんです。誰か、助けてくれる人が必要なんですよ。別に、同情してもらうとか、助言をしてもらう訳じゃなくて、何となく、話し相手になるとか、ただ、側に居るっていうだけで良いんです。自分一人じゃないんだっていう事だけで、少しづつ、強くなれる。そんな事を静かに描いてくれている作品で、心に沁みました。
私も、離婚した時、外部と関わるのが辛くて、こもりましたもん。すべての人が、自分を痛めつけようとしているようで、言葉すべてが凶器のように自分に突き刺さってくるの。だから、恐くて、人と話が出来なくなるんです。やさしい言葉をかけられても、気を使わせてしまっている自分に腹が立って、イヤになる。もう、何もかもがダメなんです。だから、今までの自分を忘れられる場所で、新しい人と関わるのが一番。この映画に描かれている事って真実なので、引き込まれました。
この映画、いいなぁ～。仕事場に流れていても、環境ビデオのようで、仕事が進みそうな映像です。本当に癒されました。傷ついている人が居たら、やさしい映画なので、ゆっくり部屋で観て、少しづつ、社会復帰して欲しいです。一度、下まで落ちてしまえば、もう、上がるだけ。歩けなくなったら、ステキな靴を履くか、義足を付けるか、這って歩いたっていいじゃないですか。別に、誰もが美しく歩く必要なんて無いんだから。少しづつ、自分が出来る範囲で、動いていけばいい。そんな気持ちにさせてくれる映画でした。
私は、超お薦めしたい映画です。すぐにＤＶＤ発売されてしまうので、ＤＶＤでも良いと思います。ゆっくり楽しんで欲しいですね。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
同時上映の
「だれかのまなざし」
この短編も、ステキな映画でした。長い間一緒に暮らしていたネコちゃんから見たお話で、とっても温かい話でした。動物との別れは辛いけど、でも、ペットを残していくより、しあわせな事だと思います。ちゃんと看取って上げられるんですから。送ってあげることが、一緒に生活をしてくれたペットへの、最後のお礼なんじゃないですかね。癒しを与えてくれたペットのやさしさに、報いなくちゃね。
この短編は、ＤＶＤに入るのか解かりませんが、とってもステキな短編なので、ぜひ、機会があったら、観てみてくださいね。
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