【演劇】「今ひとたびの修羅」 いつの時代も、女に振り回されるのは男。世界を回すのは女。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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今日は、舞台「今ひとたびの修羅」を観てきました。昨日から上演されている作品です。

尾崎士郎の「人生劇場」という昭和初期の人気小説を舞台化したものです。


ストーリーは、

昭和初頭の東京・深川。義理の上から加担した出入りで人を殺め、警官に追われる中、 逃げ込んだ民家で飛車角(堤真一)は不思議な初老の渡世人と出会う。彼こそ伝説の侠客の血を引き継ぐ男、吉良常(風間杜夫)だった。 飛車角には、横浜のあいまい宿から足抜きし、共に命からがら逃げきたおとよ(宮沢りえ)がいたのだが、 己の不始末にけじめをつけるべく、泣きながら止める彼女を振り切り自首。前橋刑務所に送られてしまう。 しばらくは足繁く面会に通っていたおとよだったが、ある時期からふっつりと顔を見せなくなり、 心の支えを失い苦悩する飛車角を、吉良常が励まし支えていく。三年後出所した飛車角は、おとよのその後を知る事となり・・・。

というお話です。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-今ひとたびの修羅


昭和初期の日本。戦争の気配が近づく中、任侠道を貫こうとする男と、そんな男を愛してしまった女のお話です。昔のお話だから、今とは違うのかなぁと思ったら大間違い。男と女の話は、いつの時代も、同じですね。カッコイイことを言いながらも男は女に弱くて、女は貪欲に男の愛を欲しがるんです。義理と人情といいながらも、女の為なら、いくらでも、その考えを曲げてしまう。男は弱い生き物で、女は恐ろしい生き物ですね。


堤さん演じる飛車角は、りえさん演じるおとよにぞっこんラブ(古っ!)なんです。だから、警察から逃げている間にも、おとよになんとか逢おうとウロウロしていて、たまたま逃げ込んだ家で、吉良さんという、任侠では有名な親分(風間さん)に会います。で、何の関係も無い親分とその家のお袖(小池さん)に、おとよに伝言を頼んだりして、もー、迷惑でしょ~!!そんな愛し合う二人なのに、飛車角が3年間刑務所に入っちゃったら、待つことが出来なくてって、マジで、良くある話だよ。女って、こういうもんなのよねぇ。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-今ひとたびの修羅


飛車角とおとよのカップルを中心に描いているんですけど、青成(小出くん)とお袖のカップルも同時に描いているんです。二つのカップルは、まったく違う形態なんだけど、でも、どちらも言葉の足りなさと、心の掛け違えで、うまく行かなくなっちゃうんです。なんで、そこで一言言わないんだよってところがいくつもあって、イライラするんだけど、現実でも、こういう事って多いよなって考えてしまいました。


本当は、とっても好きなのに、それを上手く伝えられない。意地を張ってしまって、気持ちと反対のことを言ってしまう。自分に一番大切な人を見間違えてしまい、手を離してしまう。本当に、男と女は、難しいよなぁ。任侠の話なんだけど、男と女の愛を深く描いているんです。任侠って、男と男の話のように思うけど、そこに一人でも女が入ってきちゃうと、全てが、その女を中心に回ってしまう。女って、悪の元凶よね。(笑)


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-今ひとたびの修羅


最後まで観て、感動したんだけど、良く考えてみたら、飛車角もおとよも、とっても自分勝手で、一番かわいそうだったのは、飛車角の舎弟の宮川(岡本さん)なんです。アニキの為に良かれと思って、色々な手助けをしたのに、女に振り回されて、アニキにまで怒られて、踏んだり蹴ったりなの。とっても良い人なのに、いつも貧乏くじを引かされちゃぅて、彼もしあわせにしてやってくれぇ~!って言いたかったけど、仕方ないですね。


なんか、風間さんの親分が、超カッコよくて、話の中でも、作家の女性が、「青二才の男より、大人の親分の方がステキ」って言うところがあるんです。やっぱり、そう思うよね。頼りがいのない若い男より、ドッシリして、何でも来いって感じのオジ様の方が魅力的です。一瞬は、若い男も良いと思うだろうけど、長くは続かないですよ。


もちろん、男と女の話、任侠の話なんですけど、昭和初期の時代がどういう時代だったのかということを、結構、解かり易く、楽しく描いていて、戦争に向かう日本が、どんな風に暗くなっていったのか、どう軍部の力が増して行ったのか、政治はどんな時代だったのかということも、観ていると理解出来て、面白いですよ。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-今ひとたびの修羅


最後に、ひとこと言わせて貰うと、いつも側に男が居ないとダメな女=犬型の女は、悪魔だな~。今まで、猫型の女がダメかなって思っていたけど、猫は一匹でも充分生きていけるし、群れるのを嫌うでしょ。男はアクセサリーくらいに考えていると思うんだけど、犬型の女は、男を檻に入れて、持ち歩きたいんですよね。自分に懐かせて、後を付いて歩いて欲しいの。みなさんも、首輪を付けられない様に、犬型女には気をつけよう!


ちなみに、私は猫型だと思います。一人でもそれほど寂しいと思わないし、男に付いて歩いて欲しいなんて、全く思わないもん。お互い好きな事をして、一緒に居たいと思った時に一緒に居るで充分です。お互い、相手のしあわせを考えて行動することが、何事も長続きする秘訣じゃないかな。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-今ひとたびの修羅


この舞台、内容は任侠だけど、ラブストーリーです。男と女が、年月を隔て、どう変わっていくのかを楽しんで欲しいです。私は、お薦めしたいけど、まだチケット、あるのかな。今日も、満席でした。

演出が、劇団新感線で有名ないのうえひでのりさんなので、見応えがありますよ。

もし、お時間があったら、まだ始まったところなので、行ってみてくださいね。カメ




シス・カンパニー  「今ひとたびの修羅」      http://www.siscompany.com/shura/