「菖蒲」を観てきました。
ストーリーは、
ホテルの部屋のベッドから立ち上がった女優のクリスティナ・ヤンダ。撮影直前、彼女に降り掛かった撮影監督で夫のエドワード・クロシンスキーの病、そして死について語り始める。画面は変わり、ポーランドの小さな町。ワルシャワ蜂起で二人の息子を亡くしたマルタ(クリスティナ・ヤンダ)は重病に侵されていた。そんなある日、マルタは川岸のカフェで美しい青年ボグシ(パヴェル・シャイダ)に目を留める。
というお話です。

面白い構成で、女優のドキュメンタリー風の場面から始まり、彼女が撮影に入った映画の中に入っていくんですけど、はっきり言って、私には難しすぎて、眠くなりました。ど~んよりしていて、現実世界では、女優の夫が死に直面していて、映画の中では、老女が若い男性に好意を抱くのですが、若い男性は、もちろん若い女性と付き合っていて、というお話で、なんとも、現実も映画の中も、暗いんです。
マルタという年を取った女性が、若い青年ボグシに出会って、気持ちは若い頃に戻るんだけど、身体は老女のまま。もちろん、ボグシには、若い彼女がいて、上手く行っているんです。ボグシは、退屈な時間をもてあまし、祖母のようなマルタに懐いて、きっと、本当におばあちゃんと対するようにしていたんだと思うんです。でも、マルタは勘違いしてしまう。

これ、最近の熟女ブームっぽいなぁって思ってしまいました。もちろん、熟女の方は、魅力もあるし、知識もあるけど、やっぱり、若い青年は、若い女性が好きなんだと思うんです。極たまに、勘違いして、熟女と結ばれてしまう方もいらっしゃるかも知れませんが、普通は、お金目当てか、話を聞いてくれるオバサンくらいにしか考えていないと思いますよ。だって、自分はピチピチの肌なのに、熟女は、お金をかけて作った肌でしょ。本当の若さの肌じゃないんですよ。それって、隠していても判るよね。
だから、熟女は流行りですとか言って、若い女子と対等に若い青年を取り合おうなんて、みっともないと思います。どうみても見苦しいもん。私も、もう熟女の粋に入っていると思うのですが、若い子を誘惑するとか、付き合いたいとか、まったく眼中にありません。もし、そんな場面に遭遇しても、オバサンを遊んでくれるのかしらくらいにしか思わないな。どうしても、若い男の子と付き合いたいなら、超お金持ちになって、養ってあげるくらいなら、もしかしてありえるかも。身の程知らずは、外から見ると、見苦しいですよ。
このマルタを見ていて、ちょっと見苦しいオバサンだなという気持ちになりました。彼には若い彼女がいるのに、マルタの方からスキンシップをしたりしていて、嫌悪感が湧いてきました。オバサンが触るからと言うのではなく、無垢な青年相手なら、年上の人間が、節操というものを身を持って教えるのが常識でしょ。それでも青年がスキンシップを求めてくるなら仕方ないけど、勘違いすなって!
あ、ごめんなさい。この映画は、そんなオバサンの勘違いを描いているのではなく、生と死を描いているのでした。死に近い人間が、自分の死より先に、人の死に出会ってしまう。死は、誰にでも突然訪れるし、誰も、逃れることは出来ないんです。
そんな事を描いているんですが、どーも、私には、あまり伝わってこなくて、途中で、何度もウトウトしちゃいました。私、ポーランド映画って、向いていないのかしら・・・。

私は、眠くなってしまったので、お薦めすることは出来ませんが、静かに、死について考える映画を観てみたいなぁって思う方は、観てみると良いと思いますよ。
ぜひ、楽しんできてくださいね。