【BOOK】「プラチナデータ」 犯罪を無くす為の国民管理は、必要か、否か。管理する側の審査は? | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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このお正月に、何冊かの小説を読みました。映画化が楽しみの「プラチナデータ」も読みましたので、感想を書いてみます。


ストーリーは、

国民の遺伝子情報から犯人を特定するDNA操作システム。警察庁特殊解析研究所・神楽龍平が操るこのシステムは、現場の 刑事を驚愕させるほどの正確さを持って次々と犯人を特定していく。検挙率が飛躍的に上がる中、新たな殺人事件が発生。殺さ れたのは、そのシステム開発者である天才数学者・蓼科早樹とその兄・耕作で、神楽の友人でもあった。彼らは、なぜ殺されたの か?現場に残された毛髪を解析した神楽は、特定された犯人データに打ちのめされることになる。犯人の名は、『神楽龍平』――。 追う者から追われる者へ。事件の鍵を握るのは『プラチナデータ』という謎の言葉。そこに隠された陰謀とは。果たして神楽は警察 の包囲網をかわし、真相に辿り着けるのか。

というお話です。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-プラチナ


国民のDNAを登録して、犯罪捜査と抑制に活用しようという考え方なのですが、一見、直ぐに犯人特定が出来るし良いじゃんって思うんですけど、ハッと気がつくと、それを管理する人間達を管理する人間って、どうなるんだろうって思いますよね。今、現在でも、警察官が悪い事をするとか、官僚の犯罪隠しが横行しているのに、このDNAのデータをそいつらが管理したら、最悪ですよね。だって、その人たちは、何をしたって、捕まる事は無い訳でしょ。自分達のDNAデータを改ざんするとか、消してしまえば良いんですもん。恐ろしい話です。


そんな基本があり、そのシステムに関わっていた数学者が殺されてしまうのですが、出来上がっていたとされていた遺伝子情報解析プログラムに、何か、プログラムを足そうとしていた形跡があるんです。それに関する情報は一切残っていないし、その謎を解き明かす為に神楽が動き出すのですが、神楽にも罠がかけられ、犯人は神楽だと遺伝子解析で分析結果が出てしまうんです。逃げながら、残されたヒントを元に、謎を探っていくというところが、とても面白いんです。


この神楽という主人公、実は秘密を持っていて、その秘密がすごく問題なんです。そりゃ、困るわなぁって感じの問題というか、障害を持っていて、自分が絶対に犯罪などしていないという確信が自分で持てないんです。この問題については、本を読んでくださいね。ネタバレ厳禁です。(笑)


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-プラチナ


それにしても、最初に書いたけど、国民のDNAが全部管理されたら恐いねぇ。やっぱり、それは辞めた方が良いと思うんです。たとえば、犯罪者のDNAを登録しておくとか、犯罪者にチップを入れるとかは、これからの治安を守る為に、やっても良いかなぁって思うんですけど、DNAって、なんとなく聖域のような気がして。iPS細胞が発見され、これからどんどん色々な事が変わっていくと思うけど、遺伝子を管理されるのは、やっぱりイヤだな。


国民の番号制は必要だと思うけどね。アメリカのグリーンカードみたいのって、やっぱり必要でしょ。そういうものに統一すれば、今、戸籍が無くて困っている子供とか、年金の問題とか、そういうのも全部番号で管理出来て、問題が少しでも解決するんじゃないかな。


この小説、結構、一気に読めました。私、2晩くらいで読めたかな。実は、最近、東野さんの小説を読みすぎたのか、1/3ほど読み進むと、犯人が見えてきてしまうんです。そして、半分も行くと、どう考えても、状況を考えるとその人しか出来ないなっていうのが判ってしまって、少し、違う人の小説を読まないと、頭が慣れている~って思ってしまいました。

もうすぐ映画が公開されますが、原作とちょっと変更されている部分があるようですね。まだ観ていないので詳しくは分かりませんが、ちょっと違うみたい。でも、キャストは、結構、合っているんじゃないかな。実は、神楽の役を二ノ宮くんがやるとのことで、ちょっとイメージと違うかなと思ったのですが、小説の後半部分を読むと、鋭い部分が消えて、必死で生きる男性の姿が描かれているので、二ノ宮くんに合っているのだということが判りました。映画、とても楽しみですね。


この小説、観る前に読んでも、観た後に読んでも、結構、楽しめるんじゃないかな。細かく描いてあるし、映画を観た後、遺伝子解析システムについてとか、人物の関係について、分からない所を補足する為に読むのも楽しいと思います。


もし、お時間があったら、読んでみてください。それほど苦にならずに読めると思いますよ。

楽しんでくださいね。カメ



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