先日、「ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋」を観ました。
ストーリーは、
1998年、NYに住むウォリーは子供を欲しがらない夫との関係に悩んでいた。やり場のない気持ちをかかえていたウォリーは、ある日、”王冠をかけた恋“で知られる英国王エドワード8世とその妻ウォリス・シンプソンの遺品オークション展覧会を訪れる。そこでウォリーは2人の愛の結晶ともいえる数々の芸術品に魅了され、国王の心をつかんだアメリカ人女性ウォリスの愛の物語に心惹かれて行く。しかし、世紀の恋を生き、すべてを手に入れたと思われていたウォリスにも、知られざる苦悩があった。
というお話です。
ウォリスとエドワードの話を最初からずっとやるのかと思ったら、悩める現代女性が、ウォリスとエドワードに興味を持ったことから、彼らの恋がどんな困難に満ちていたのかということが解っていきます。
主人公のウォーリーは夫婦関係に悩んでいて、不満が目一杯溜まっています。夫の為にそれまでがんばっていた仕事を辞め、裕福なはずなのにお金はすべて管理され、帰ってくるかも解らない夫を待つなんて、現代女性が出来るわけ無いでしょ！！アホな夫だよなぁ。で、フラフラと、サザビーでウォリスとエドワードの遺品オークションを開催している事を知り、会場へ足を運びます。
そこから、ウォリスとエドワードの話に入っていきます。「英国王のスピーチ」で描かれた、退位した王とその恋人です。まず、ウォリスについてですが、最初の結婚はＤＶ夫で失敗に終わり、次の夫は、とても穏やかな良い夫で、しあわせに暮らしているのですが、そんな時にエドワードに会い、彼の情熱的な愛を拒めず、のめり込んで行ってしまいます。
愛されるって幸せだろうけど、あまりにも強い愛だと恐くなりませんか？ウォリスの場合、相手が英国王ということで、どこかで国の為に諦めるのではないかと思っていたのではないかな。国を捨ててまで、自分との愛を貫くような事はしないと思っていたと思うんです。だから、今で言うキープくんである夫と別れていなかったんじゃないかな。でも、マスコミの餌食になり、周りに迷惑をかけて、引くに引けなくなったというのもあるように見えました。
それとね、ウォリスの夫の困った顔を見ていたら、”十三人の刺客”でゴロちゃん演じる殿様が宿泊した家の妻を手込めにして、夫も家族も文句が言えなかった場面を思い出しました。やっぱり、イギリス国王だから、毎日、家に来て、妻に言い寄っていても、帰れとは言えなかったのだと思います。恐ろしい世界ですよねぇ。
どこまでも自分の欲望を優先し、国の長である責任を軽く考える人間が国王を続けていなくて良かった。父王のジョージ５世は、このエドワードは国王に相応しくないので、弟のアルバート（ジョージ６世）に王位を譲りたいと生前に言っていたそうですが、父親の目は確かだったんですね。そんなエドワード８世を、ジョージ６世（英国王のスピーチ）と妻のエリザベスが最後まで許さなかったのは、解る気がします。
でも、晩年の二人は、最後まで一緒にフランスで静かに暮らして、幸せだったのではないかと思いました。英国から総スカンを食っても、愛を貫いた二人は、それなりにスッキリしていたのかも知れません。
そんな二人の歴史をたどったウォーリーは、自分の足で意思を持って歩くことを選択し、明日に向かって踏み出すというお話でした。なんとなく、女性が観ると、ちょっと元気になれるかな。人の人生の付属品になるのではなく、自分として生きるという勇気をくれたような気がします。
私は、お薦め映画なんですけど、万人受けする作品では無いと思います。全体の進み方が、ちょっとまどろっこしいというか、解り難いので、途中で面倒になってしまう人もいるかも。でも、１９世紀の王室関係の衣装や装飾は、素晴らしいので、それだけでも観る価値があると思いますよ。ぜひ、楽しんできて下さい。
・ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋＠ぴあ映画生活
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