今日は、「あの日 あの時 愛の記憶」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
1976年、ニューヨーク。夫と娘と幸せに暮らすハンナ(ダグマー・マンツェル)は、テレビから聞き覚えのある声が流れていることに気付く。画面に目をやると、トマシュ(レヒ・マツキェヴィッチュ)がインタビューを受けている姿が映っていた。1944年、ポーランド。アウシュビッツ強制収容所へ送られたハンナ(アリス・ドワイヤー)は、そこで出会った政治犯トマシュ(マテウス・ダミエッキ)と恋に落ちる。所内の様子を捉えた写真ネガをレジスタンス仲間に渡す任務を遂行していたトマシュは、ハンナを連れて脱走を敢行し……。
というお話です。

第二次世界大戦でドイツが近隣国に侵攻、刃向かってくる反乱軍の兵士を収容所に送り、それと同じ収容所にユダヤ人も送り込んでいました。そこで出会ったハンナとトマシュ。若い二人は、絶望の中でも愛を育み、何としてでも生き延びて、外の世界に出ようとし、ある時、それを実行に移します。
でも、ハンナはユダヤ人として捕まっていて、トマシュはポーランドの反乱軍の一人として捕まっているんですよね。同じ収容所の囚人でも、立場は違うんです。それが、この戦争の難しいところで、二人には、沢山の問題が降りかかってきます。観ていて、本当に辛かったなぁ。同じ立場だと思っていたのに、違うということが、あからさまになってくるというのは、辛いことです。
戦争って、こういうこと、沢山あったんでしょうね。日本だって、夫は死んだと思っていたら生きていたとか、外国人と恋に落ちたけど、彼らが自国に帰るために別れなければならなかったり、色々あったんだと思います。戦争が無ければ、そんな苦しみは無かったのだろうし、でも、戦争というものがあったからこそ、出会えた人も居ただろうし、運命とは、不思議で惨酷なものです。
この二人の話には、モデルとなった実在の人物が居たそうです。その話をすると、ネタバレになってしまうので出来ませんが、やっぱり、本当にあった話が元になっているんです。そんな辛い人生を歩んだ二人は、本当に悲劇だったと思います。こういう話を観る度に、戦争はイヤだなって思います。
もし、死んだと思っていた恋人が、39年も経って、もしかして生きているのかもということが解ったら、どうなるんだろう。大体、39年っていう年月を思っているという事が、まだ、私には理解出来ないんですけど、どうなんだろう。そんな時、会いたいと思うんだろうか。もう無かった事にしてしまいたいと思う事は無いんだろうか。それとも、胸の中に燻っている何かをスッキリさせるために、確かめたいと思うんだろうか。私は、最後まで観ても、これが正解なのか、知らない方が良かったんじゃないかと考えてしまいます。
でも、年月が経って、年を取ったからこそ、逢うことが必要だと思ったのかも知れませんね。その年齢になったら、夫婦の絆も強いし、夫婦お互いに心の傷を癒してあげたいという思いが強いのかもしれない。若い頃には解らない、すごい夫婦の絆があるからこそ、昔、相手が好きだった人に逢うことを薦められるのかもしれません。その心の広さ、尊敬してしまいます。
内容は、色々難しいのですが、まぁ、あまり考えなくても良いのかも。ドイツに捕まったり、ロシアに捕まったり、ユダヤ人を嫌っているのが、ドイツ人だけじゃなかったり、第二次世界大戦の時の国の勢力の変化が、私は、良く理解出来ず、難しかったです。あまり考えなくても良いのかも知れません。二人の動きだけを追っていけばよいと思います。
私は、すべての人にお薦め出来る作品とは言えないけど、戦争時の悲しい作品を受け入れられる人には、良いと思います。暗くて、静かで、ゆっくりした作品なので、途中、ちょっと眠くなるかもしれません。単館系の映画が好きな人には、楽しめると思いますよ。ぜひ、楽しんできてくださいね。
・あの日 あの時 愛の記憶@ぴあ映画生活
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