今日は、「おおかみこどもの雨と雪」の試写会に行ってきました。近所のシネコンだったので、とても楽だったし、映像も音も良かったです。
ストーリーは、
19歳の大学生花は、あるときおおかみおとこと運命的な恋に落ち、やがて雪と雨という姉弟が誕生する。彼らは、人間とおおかみの両方の血を引くおおかみこどもとしてこの世に生まれたのだが、そのことは誰にも知られてはならなかった。人目を忍びながらも家族四人で仲良く都会の一角で暮らしていたが、ある日、一家を不幸が襲い……。
というお話です。
映画では、狼男と恋愛して子供を産むという特殊なケースのように描かれていましたが、考えてみれば、外国人と結婚したり、産まれた地域が違う人と結婚したり、生活レベルの違う人と結婚したり、みんな、それぞれに違うところがあり、全ての人に、この話は当てはまるんです。

子供が出来れば、つわりが酷かったりして苦しんで、子供が産まれれば、訳解らず泣いてどうしようもなかったり、ミルクを何度もあげなきゃいけなかったり、とにかく、母親はすべて子供に振り回されます。それが狼でも人間でも、暴れるし、うるさいし、走るし、本当に大変!でも、かわいくて目の中に入れても痛くないほど愛してるんですよね。そんな親子の愛が、とってもステキに描かれています。

子供はどんどん大きくなり、母親の苦労は耐えません。田舎の家で、自然の中で、子供を育てて、自分の子供が、どういう道に行くのか、いつの日か狼になるのか、人間になるのか、どちらにするのかを決めるときが来るということを考えながら暮らしています。
この雨と雪は、狼になるか人間になるのか、どちらかを決める時が来るのですが、ハーフの子供だって、父親の国籍にするのか母親の国籍にするのか決めるわけだし、日本人だって、学校に行って就職するのか、学校も途中で辞めて何か始めるのか決めたり、たとえば、私の友達のように、男として生きるのか女として生きるのか決めることもあるだろうし、誰もが、成長するにつれ、決断が必要ですよね。

母親の花さんは、そんな子供をずっと守り、ずっと見つめて、そして、キチンと背中を押してあげられる母親です。子供が自分で決断しようとしている時に、縛ってしまっている母親って、多いですよね。もちろん、人生の先輩としてアドバイスするのは必要ですが、子供の決断を妨げてしまうのは、間違っていると思います。子供だって、小さくても、自分で色々考えているんです。考えを尊重してあげることも、親の務めだと思いますよ。

この作品は、大きな家族ではなく、小さな家族の一時を繊細に描いていて、とてもやさしい映画だと思いました。大きな出来事は無くても、母親と子供の関わり方、子供が社会と馴染んでいく姿、母親がどれほど深く子供を愛しているかということが伝わってきて、感動して涙ぐんでしまいました。女性は、特に、母性があると思うので、感動すると思います。
映像は、やっぱり素晴らしいです。人物はアニメっぽく描かれているけど、背景が本物の映像を使っているように美しくて、その中を走り回る雨と雪は、本当にしあわせそうです。観ているこちらも、澄んだ空気を吸い込めるような気がして、気持ちよくなりました。

私は、この映画、超お奨めしたいです。ぜひ、親子で、カップルで観て欲しいな。そして、愛のある家族を作って欲しいと思いました。派手なアクションや、恐いホラーも良いけど、やっぱり、やさしい映画ってイイよね。なんか、観た後、無性に旦那に抱きつきたくなったのよ・・・。やさしく、”大丈夫”って言って欲しくなっちゃった。観ると、その意味、解りますよ。(笑)
暑い夏に、涼しげな風を感じられる映画を、ぜひ観に行ってくださいね。
・おおかみこどもの雨と雪@ぴあ映画生活