フランス映画祭12作目は、「リヴィッド」でした。
ストーリーは、
老人の介護に仕事の研修を始めたリュシー。患者の一人に、富豪だが全て機械に繋がれた老人がいた。先輩のウィルソンが、その屋敷の中に宝が隠されているともらした事から、リュシーは友人のウィリアムとベンと一緒に屋敷に忍び込み宝を探し始める。子供部屋に行ってみると、屋敷の主人の娘アナの大きな人形が・・・。そして・・・。
という内容です。

いやぁ、久々に正統なホラー映画を観たような気がしました。最近、私、ホラーと呼ばれる作品を観て、どうしても大笑いをしてしまう傾向にあり、先日の”グレイブ・エンカウンター”も、恐いという触れ込みだったのですが、霊らしきものが振り向いたら大笑いしちゃったんですよね。だから、今回、映画祭でホラーが1本入っていると聞き、どうかなーって思ったんですが、いやいや、マジで恐かったです。

もちろん、あー、ここら辺で来る来る~ってところで、ちゃんと来てくれるんですが、そのビジュアルが恐いんですよ。ただの白塗りとかじゃないの。そして、恐さって、美しいと紙一重だと思うんですよね。美しくないと恐くないんです。汚いのは笑ってしまうの。その重要なところを、この監督は良く解っていてくれて、美しくて、恐ろしいんです。
バレエ教室が、その恐怖の館の過去なので、サスペリアを思い出しました。監督も、サスペリアを考えて作ったそうです。そのバレエ教室の先生が年を取って、寝たきりで機械につながれているのですが、とても豪華な内装の部屋に寝かされていて、美しいんです。そして、先生の娘の部屋だったところにも、アリスのティーパーティーのような装飾が施され、美しくて恐いというのがピッタリなんです。そのティーパーティーのテーブルには、鹿などが座っているのですが、何故か一人が”ナマズ”なんです。これ、気になったなぁ。
この屋敷の主人と娘には、すごい秘密があって、ちょっと今までのホラーの常識じゃなく、なんか組み合わさった感じで、簡単には解決しないような種類の魔物というか、魔女というか、不思議な感じでした。そして、美しいんだけど、グロい場面もあって、本当にサスペリアとか、オーメンとか、あういう王道ホラーの流れを汲んでいるような感じで、楽しめました。殺し方は、結構、グロい場面もあったなぁ。美しく殺す場面もあるんだけど、グロもあり、痛いもあり、イヤイヤ、ホラーはこうでないとって思っちゃいました。
それにしても、そんな不気味な屋敷の中に、何故に盗みに入ろうとするのか、気が知れませんでした。確かに、3人とも、お金に困っていて、直ぐにでも盗みに入りたいような感じではあるのですが、それだけ老人が居たら、その屋敷は辞めようよ~って思うんだけどねぇ。何故か、入っちゃうんだよね~。(笑)
そうそう、バレエの場面は、本当に美しいです。わざわざバレエダンサーを配役しているので、とても満足出来ます。もー、どこで襲ってくるのか、ドキドキしちゃいますよ。
いやぁ、マジで恐かった。あの冷たい空気の中に緊迫した恐怖と、血の気持ち悪さ、ぞーっとしますよ。夏には、こういうホラーが観たいよね。必ず涼しくなるもん。でも、観た後、ちょっと、夜寝る前とか、一人でお風呂にいる時とか、後ろが気になっちゃったりして、困ります・・・。(泣)
これ、9月公開みたい。もっと早くからやって、涼しくしてくれた方が良いんじゃないの?(笑)面白いです。ホラー映画が大丈夫な方は、ぜひぜひ、観て欲しい。私は、超お薦めホラー映画です。もっと色々なところで上映して欲しいなぁ。久しぶりの正統ホラーです。パラノーマル・アクティビティとか、あんなのより、よっぽど恐いと思うよ。だって、私、ほとんど笑えなかったもん。どちらかと言うと、泣きそうな痛さだったりして・・・。ぜひ、公開されたら観てくださいね。
フランス映画祭 2012 http://unifrance.jp/festival/2012/