今日は、お誘いを頂いて、夕張ファンタスティック映画祭で上映された「BONSAI GIRL」とその監督作品2作を、試写で観せて頂きました。
ストーリーは、
ある女の子が、自分は凡人ではなく、非凡=特別な人間 だと思って、田舎から東京へ出てきます。母親は、危ないから早く帰って来いと何度も携帯に連絡をしてくるのだが、彼女は受け付けない。そして、大きな荷物を持って歩いていると、ある街でスカウトに会い、一歩づつ、自分の夢であった有名人への階段を登っていくハズなのだが・・・。
というお話です。
題名の「BONSAI GIRL」という、何となく、盆栽?って思って、静かな感じのイメージの映画かなって思っていたら、イヤイヤ、衝撃的な、すごいインパクトのある作品でした。観ていて、途中から、”そう来るかぁ~!!”って思って、驚いてしまいました。ショートフィルム(26分)なのに、よく、この展開で、グイグイ持って行ったなって思って、驚きながらも、笑ってしまいました。すごいです。
結構、ショートフィルムって難しくて、無理やり展開させてしまうと、付いて来れない人が居たりするんですよね。要点を絞って作るから、アレッて思っているうちに、解らなくなっちゃったりするんですけど、この作品は、大丈夫。解りやすくて、あー、そうなるよねーって思って、最後に、ジーンと考えさせられるように出来ています。
よく、業界の人間ですって嘘ついて、女の子を引っ掛けてる男いるでしょ。どうしてそんなアホな男にひっかかる女の子がいるのかしら。どう考えても、そのオヤジ、業界人じゃないっしょって男なんだよねぇ。芸能界とかで売れれば、楽してお金が稼げるくらいに思って引っ掛かっちゃうのかなぁ。人生、そんなに甘いもんじゃないよ。芸能界で活躍している人は、並々ならぬ努力を影ですごいしています。その努力が、頭を使うことなのか、身体を使うことなのか、それはどちらのタイプもあるだろうけど、そんな簡単ではありません。そして、バカでは、有名にはなれません。バカに見せるのは必要だけど、本当のバカは使えねー奴と言われ、二度と使われません。よーく考えようね。
この映画、そんな業界のふかーいところを突いている映画でもあります。面白いですよ。
少し文句を言うなら、業界のオッサンを、もう少し、変態っぽくして欲しかったな。業界で、ある程度偉そうに変なことをする奴なら、もっとイヤらしそうな気がします。ショートフィルムだから、極端に表現しても良かったと思います。もう一つは、R-15指定にされたのではないかと思われるシーン、必要なかったと思います。そういう事があるんだろうなって予兆だけでも、充分だったような気が・・・。だって、業界って、そういうものが付き物だから、観る人は、イメージだけでも必ず想像すると思いますよ。
ショートながら、とても楽しめる作品でした。さすがに、映画祭にノミネートされただけの事はある。ファンタスティック映画祭にピッタリの作品だったと思いました。
自主制作は大変だと、監督がお話されていましたが、若い人達に頑張って欲しい。こうやって、コツコツやって行くことが、先に繋がるので、ぜひ、ぜひ、頑張ってください。次回作も楽しみにしています。
他、2作品を観せて頂きましたが、学生の頃に作られたフィルムのようで、申し訳ないけど、やっぱり学生の作品だなって思うようなところがありました。今回の「BONSAI GIRL」と比べると、随分成長されたんだなって思ってしまうほどでした。あ、でも、「あんみつ戦争」に関しては、結構、面白かったかな。でも、映像がガチャガチャしていて、とても見難いんですよね。そういうところは、やっぱり学生さんだったからなのかなって思いました。
【上映作品 (新生璃人監督作・3本)】
『ぬいぐるみの恋』9分
(日本大学芸術学部3年生実習作品)
『あんみつ戦争』13分
(「日本大学芸術学部卒業制作」芸術学部長賞、「TBS Digicon6」奨励賞、「西東京市民映画祭2004」準グランプリ、「TSSショートムービーフェスティバル」佳作・来場者アンケート1位、「The Kodak Filmschool Competition2004」日本代表、「東京国際ファンタスティック映画祭2004/デジタルショート・アワード」入選)
7月27日~7月29日まで、渋谷のアップリンクにて上映します。もし、気になったら、調べてみてください。
監督 新生璃人さん の アメブロ http://ameblo.jp/i-love-toy/