今日は、待ちに待っていた劇団新感線の「シレンとラギ」を観に行ってきました。今回は、すごく良い席で、前から4列目だったので、大喜びで、母親と行ってきました。
ストーリーは、
その国には2つの王朝があった。北の王国・通称"幕府"は若く愚かなギセン将軍(三宅弘城)を王としていた。王宮の警備はキョウゴク官僚(古田新太)と息子ラギ(藤原竜也)があたっていた。先代の王の十三回忌、王宮に忍び込んだ敵国の刺客を仕留めたのは、毒使いシレン(永作博美)。シレンは20年前に敵国・南の王国でかつての独裁者・ゴダイ大師(高橋克実)を自然死と見せかけて暗殺し、その武勇伝が伝説となっていた。しかし、ゴダイが生きていたという事実に再びシレンはラギと南の王国へと向かう。2人が目にしたのは20年前の独裁者の面影は一切ない、赤子のようになってしまったゴダイだった。暗殺行の中、シレンとラギは次第に惹かれあう。しかし、この恋が2つの王国の運命を大きく動かすことになる….。
というお話です。
いやぁ、面白かったです。文句のつけようが無く、楽しんできました。今作は、笑える場面が他の作品より少なく、最初から最後まで、緊迫して話が続いていくような内容でした。もちろん、新感線ですから、古田さんと橋本じゅんさんの面白い掛け合いはありますが、それ以外は、戦争下の悲劇なので、緊迫感がすごくて、最初から最後まで、気が抜けない感じで、楽しめました。
シレン役の永作さんとラギ役の藤原さん、本当に美しいですね。いやぁ、永作さん、1児の母とは思えません。美しいです。それに、上手いなぁ。もちろん、映像では上手いのは知っていましたが、生で観ると、本当に細かい仕草から、目線まで、役に入り込んで、すごいと思いました。藤原さんは、もう、言うことないですね。上手いっす。周りを固めている方々も、新感線ではおなじみの方が多く、舞台、安定していました。
感想、書きようが無いですね。だって、面白くて素晴らしいとしか、書きようが無いんですもん。ずっと暗殺者として、一人、生きてきたシレンと、子供の頃から父親に武道を叩き込まれ、尊敬していた父親が一目置いているシレンに憧れの目を向けていたラギ。いつも戦いが側に在り、緊迫した生活の中で、シレンには若くて素直なラギが、ラギには憧れていた美しい暗殺者シレンが、ただ一人の安らぎを与えてくれる人間に移ったのだと思います。だからこそ、寂しい二人は惹かれあい、悲劇に近づいていく。あまりにも悲しい話でした。
それにしても、国と国との戦いというのは、難しいものですね。誰もが、強い方に、勝つ方に付きたいと思うのは当たり前。誰もが、自分の国を持ちたいと思うのは当たり前です。そして、その望みが叶えられるかもしれないという状況が生まれれば、男でも女でも、その手に権力を掴みたいと思う。その欲望が、更なる戦いを生んでしまう。悲しいものです。そして、戦いがあれば、必ず犠牲者が出て、誰もが悲しい思いをするんです。あまりにも悲しい現実を描いていて、辛かったなぁ。
その世界に引き込まれてしまい、観た後も、シレンとラギがいた世界が頭から離れませんでした。この舞台は、日本の南北朝時代をベースに考えられているみたいで、もう少し、その時代を知っていると、名前の由来などが解りやすかったかも知れません。
もうチケットが手に入るか解りませんが、もし、時間と資金に余裕があったら、ぜひ観に行ってみてください。必ず感動することと思います。私は、超お薦め舞台だと思います。もし、ゲキxシネになったら、嬉しいな。そうしたら、映画館にもう一度観に行きたいです。
劇団新感線 シレンとラギ http://www.shiren-to-ragi.com/