【映画祭】「七つの慈しみ」 不法移民の悲惨な現実と、移民による襲撃を受けても受け入れる老人の愛 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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イタリア映画祭5作目は、「七つの慈しみ」です。


ストーリーは、

昨年のマラケシュ国際映画祭で審査員長だったクストリッツァ監督から絶賛され、最優秀演出賞を受賞したデ・セリオ兄弟の長編第1作。トリノ郊外に生きる不法移民のルミニツァは、喉から手が出るほど欲しい身分証明書との引き換えに、赤ちゃんを盗むことにする。その過程で末期の病人であるアントニオの家に押し入るが、計画は当初とは異なる方向に進んでいってしまう。研ぎ澄まされた映像と音響のもと、現代社会における寄る辺なさとともに希望も浮き彫りにされる。

というお話です。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-七つ4

モルドバからの不法移民のルミニツァは、一緒に住んでいる家族?に酷い扱いを受けていて、なんとか自分で生きていけるように、身分証明書が欲しいんです。身分証明書があれば、仕事も見つけられるし、生活が成り立っていくはずなんです。だから、その身分証明書を手に入れるためなら、何でもやるつもりで、酷い犯罪も平気でやってのけます。もちろん生きる為に必要なら、人でも殺せるのではないかと思いました。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-七つ2

そんな彼女の標的となったのが、病院で胆の吸引を受ける老人アントニオ。彼の過去は、明らかになりませんが、観ていると、昔、家族が居たのに、今は一人になってしまったという感じで、彼も、決して裕福ではないということです。そんな弱い彼を標的にして、ルミニツァは、新しい隠れ家とお金を手に入れようとします。老人に暴力を振るう彼女は、恐ろしかったです。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-七つ6

アントニオは、胆吸引の為に、喉に穴が空いていて、あまり話しをすることが出来ません。そして、ルミニツァも、移民という立場だからなのか、ほとんど話しをしません。だから、二人は、目と身振りだけで会話をします。それだけでも、充分、伝えたい事って伝わるんですね。この目の演技は素晴らしいと思いました。


最初、アントニオとルミニツァは、住民と強盗、敵味方だったのですが、段々と、相手の態度を見ながら、心を通わせて行きます。途中で、ルミニツァに、アントニオが封印していた女の子の洋服を出して、”着なさい”というところから、ルミニツァの態度が変わって行きます。洋服を変えると、心まで変わるような、そんな感じでした。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-七つ3

この作品でも、不法移民がテーマになっていました。一つの映画祭で、これほど移民の話が取り上げられているのだから、どれほどイタリアで問題になっているか解りますよね。大体、海外で起こったことは、1泊遅れて、日本に来ますので、本当に気をつけたいです。


政府は、今からちゃんと対策を練っておいてよね。いい加減は困ります。ダメなものはダメ。日本に来て住みたいんだったら、最初の10年間くらいは、日本人の10倍くらい税金を払ってよ。それが出来た人のみ、日本でも移民として受け入れてあげますよって言う風にすれば、税金も困らなくなるんじゃないの。今まで、一銭も税金を払ってないんだから、10倍くらい払うの、当たり前でしょ。(笑)


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-七つ1

話戻して、不幸なルミニツァは、アントニオとの関わりで、少し、未来への光が見えたようでした。ここで、ルミニツァが、どういう道を辿っていくのかは、本人の選択によります。彼女が、光へ向かって、一人で努力をしていくのか、仲間の下に戻るのか・・・。出来れば、光に向かって欲しいと願う私でした。


この映画の題名は、”カラヴァッジョ”の”七つの慈しみ”という絵画の名前から取ったそうです。七つの慈しみとは、新約聖書マタイによる福音書にある<慈悲の七つの行い>であり、カラヴァッジョは、その言葉を描いたということです。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-七地5

暗くて、悲しい内容ですが、そこに光が見えるので、とても良かったと思います。これも、日本公開は決まっていませんが、どうかな~。カメ




イタリア映画祭 2012