【BOOK】「少女」 湊かなえ作 無垢だからこそ恐ろしい少女たちの罪は、彼女達に跳ね返る。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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先日読んだ、湊かなえ作の「少女」を読みました。


ストーリーは、

親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く──死の瞬間に立ち合うために。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。

です。


女子高校生って、こんな風だったかしら。私、自分がその年齢だったころ、どんな考えだったのかって思い出そうとしたんですけど、あんまり覚えていないんですよね。覚えていないという事は、ほとんど考え無しに行動して、言われるままに動いていたんだと思うんです。この小説の中に少女たちも、それほど深く考えていないんです。衝撃的なことを考えているけど、でも、大して深い考えがないと思うんです。そりゃそうですよね。身体は大人でも、脳は、まだ大人の半分くらいの情報しか入っていなくて、経験もないんですから。


この小説ですが、「告白」にも見られるように、子供だからと言って、何をやっても許されると思うなよって感じがよく表現されていて、楽しく読ませていただきました。いや、ちょっと恐くなったと言えば、恐くなったかな。主人公の子供たちは、本当に普通の女子高生で、普通に生きてきた子だと思うんです。でも、同級生の一言で、新しい世界を覗いてみたくなる。好奇心旺盛な時期なんです。それは、当たり前の事だし、何か起こってくれたら面白いかもっていう気持ちは、何歳になってもありますよね。


そんな彼女たちが、周りに起こることを楽しみながらも、冷静に判断し、彼女たちの法律で解決するというところが、とても面白く描かれていました。これ、1度でなく、2度も3度も楽しめる小説だと思います。


展開が面白いし、2人の女生徒の日常を軸に、周りの色々な人間関係などが、緻密に絡み合っていて、「あ、ここで繋がってる!」ってビックリしたりするんですよ。そして、絡み合っているからこそ、すごい復讐劇になったり、救いになったりして、良く組まれているストーリーだなぁって思いました。


これ、AKBとかで、ドラマ化や映画化したら、面白いと思うんです。とってもかわいい女子高生に見えるんだけど、中身は、色々な事を考えていて、ドロドロしていたりするっていうところが、彼女たちのビジュアルに合っていると思うんですよね。絶対成功しそうなんだけどなぁ。企画ないのかしら。


それほど、長い小説ではないので、ぜひ、通勤通学などで読んでみたらいかがでしょうか。貴方の隣にいる女子高生は、恐ろしい悪魔かも知れませんよ。面白いです。カメ



少女 (双葉文庫)/湊 かなえ
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