先日、「僕達急行 A列車で行こう」を観てきました。
ストーリーは、
会社員の小町(松山ケンイチ)と鉄工所2代目の小玉(瑛太)は、鉄道という共通の趣味をもつ友人同士。九州に転勤になった小町は、くせものの地元企業社長(ピエール瀧)と鉄道をきっかけに盛り上がる。ところが、恋愛となると小町も小玉も趣味や仕事のように順調とはいかず、悩みを抱えていた。
というお話です。
森田監督、ステキです。ホントに面白かったぁ。なんだか、好きなものをガマンして、人に合わせるとかって、する必要が無いんだなって感じて、心が軽くなりました。私も、ほとんど映画オタクなので、主人公の彼らの気持ちって、すごく解ったんです。好きなことも大切だけど、好きな人も大切で、どちらを取るとかって出来ないんですよね。だけど、相手は自分の趣味を理解してくれないし、でも、彼女とも別れたくないっていう、なんとも悲しい堂々巡りが続くんです。

小町と小玉が、女の気持ちなんて解るはずがないって言うんですけど、確かに、解らないだろうし、趣味に関して言えば、女とか男じゃなくて、趣味の違う人に、趣味のことを理解しろって思うほうが間違っています。なんでそんな物が好きなの?って言われるだけの話です。理解して貰おうと思わないで、趣味の時間は見逃してくれって、ほおって置いてくれって言うのが良いんじゃないかな。趣味に没頭している時は、一人の方がしあわせでしょ。
言葉使いも面白いし、洋服もシチュエーションも、森田監督だぁ~って感じの作品で、良かったです。すごいこだわりが感じられるんですよね。面白いです。どこを見ても、善良な日本人の良い面が描かれていて、懐かしいというか、自分もこういう人間でありたいなって思うような人達ばかりで、やさしい気持ちになりました。
建築開発会社に小町は勤めているんですが、いやいや、こんなステキな社長は居ないです。とっても良い会社でした。実際は、酷いですよぉ。ガリガリしていて、失敗したり、成績が上がらなければ、直ぐに退社させられてしまうし、朝早くから深夜まで、まったく自分の時間は持たせてもらえない状態なんです。こんな趣味を楽しむような気持ちの余裕は無いだろうなぁ。結局、口が上手くて能力の無い人間ばかりが残るので、潰れそうになったり潰れたりしちゃうんですよねぇ。取り引きしていると、毎回、営業の人間が変わっていて驚いちゃいますよ。(笑)

小玉の実家は、京浜地帯の機械工作所で、技術はあるんだけど、今の不況で苦しい状態に陥っているんです。でもね、日本って、こういう会社が支えてきた訳でしょ。その人達を、簡単に切る銀行ってどうなのかしら。確かに、不渡りが出たら銀行だって困るけど、でも、大切な技術を守る使命もあるんじゃないの?
なんか、とっても良い時代の雰囲気を醸し出していて、ステキな映画でした。私は、ぜひお薦めしたい作品です。春だし、こういうやさしい映画を観て、ちょっと各駅停車の電車に乗って、のんびりしてみるのも良いですよねぇ。桜を見ながら電車にゆっくり乗りたいなぁ。そんな気持ちになる、ステキな映画です。ぜひ観に行ってくださいね。
・僕達急行 A列車で行こう@ぴあ映画生活
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