今日は、「J・エドガー」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
1924年にFBI初代長官に任命されたジョン・エドガー・フーバー(レオナルド・ディカプリオ)は、歴代の大統領に仕え、数々の戦争をくぐり抜け、半世紀にわたって法の番人としてアメリカをコントロールしてきた。しかし、フーバーには絶対に人に知られてはならない秘密があった……。
というお話です。
フーヴァー長官が自叙伝として自分の過去を思い出して、部下に文章を書かせているというところから始まり、エドガーの過去と現在が交差しながら、話が進んでいきます。
FBIの長官であり、盗聴や尾行など、ありとあらゆることをやって、たくさんの権力者の秘密を握り、アメリカを動かした男って言われているけど、彼が居なかったら、今のような強いアメリカは無かったはずだし、もっとテロなどで、アメリカが分裂していたはずだって思いました。強行で、惨酷なやり方だけど、でも、誰かが悪者になって、最初の基礎を作らなければ、法律というものが成り立たないし、人を統制することなんて出来ないと思うんです。
エドガーは、子供の頃から、母親にトップに立つべく洗脳され、目標に向かって進んできた男性なんです。そんな彼は、ゲイだったのか、バイセクシャルだったのか、ちょっと悩みました。だって、最初は、秘書のヘレンに惹かれるのに、トルソンに会ったら、ゲイになっちゃって・・・。そういうもんなんですかね。女はヤダみたいになっちゃって、なんなのよっ!!って思ったのは私だけなのだろうか。女もイイのよ~。そんなに嫌わないで~。(笑)でも、ゲイとかバイセクシャルだったのではないかというのは憶測で、実際のところ、解らないそうですよ。
彼の性格が強かったのか、時代がそういう時代だったのか、とにかく、彼のやる事は強引で、上司にも文句を言わせないような計画を建てて、マスコミなどを利用したりして、自分の目標とすることをやり遂げていきます。でも、決して私利私欲の為ではないんですよ。アメリカが安全に暮らせる国になるために、やっていたことだと思うんです。
一つは、子供の誘拐についてですが、地域の警察では埒が明かないという事が解り、科学捜査という考えを打ち出して、犯人を追い詰めていくんです。誘拐という犯罪は、弱いものを盾にして欲望を通そうとする卑劣な犯罪です。それが1度でも成功してしまえば、続々と犯罪を犯す人間が出てきます。それを防ぐためにも、誘拐犯は必ず捕まえて罪を償わせるという確固たる信念を突き通し、成功させます。この科学捜査という考えを、エドガーが進めなければ、今の科学捜査なんて無かったんですから。素晴らしいです。
彼が長官として君臨している中、大統領が8代も変わったようです。JFケネディやニクソンなどは、有名ですよね。すごいスキャンダル情報をエドガーが持っていて、そのフーヴァーファイルは、今でも、謎とされて、色々な映画のネタになったりしていますよ。(ナショナル・トレジャーとか。)ケネディとモンローの関係していた証拠とか、ルーズベルト夫妻のお互いの不倫の証拠とか、色々あったらしいですよぉ~。読んでみたかったね。
そんなエドガーが、唯一、心を許してくつろげる相手が、トルソンだったようで、映画の中では、トルソンは生粋のゲイと描かれています。でもね、この二人を観ていると、別に、男でも女でも、深く愛しているならば、別に問題ないんじゃないのって思えるようになりますよ。トルソンは、いつもエドガーに寄り添って、妻のように助けます。これほど解り合って、お互いの能力を認め、仕事のパートナーとしてもやっていけるなんて、羨ましいです。私も、こういうパートナー欲しいな。私、主人とは、絶対一緒に仕事出来ないもん。ケンカになっちゃう。
これが本当のエドガーとトルソンです。
クリント・イーストウッド作品なので、さすがに、心情の描き方が上手いです。ちょっとした仕草や目の動きなどで、伝わってきます。エドガーのコンプレックスやストレスなども、言葉などでは出てきませんが、その動き方で、目一杯伝わってきました。深いです。
私は、結構、歴史上の人物の話として、とても面白いと思いました。そして、その頃のアメリカがどういう国だったのか、アメリカ国民がどういう考え方だったのか、どうやって思想誘導されていったのかということが判って、私は、本当に楽しめました。但し、あまり歴史などに興味が無いと、面白さが半減するかもしれません。
お薦めしたい映画ですが、戦いやアクションがあるわけではないので、自叙伝みたいなのが好きではない方は止めた方が良いかもしれません。でも、アメリカの歴史に少しでも興味があれば、面白いですよぉ~!!出てくる言葉を覚えていて、帰ってきてから調べると、超楽しめます。KKKとか、R・ケネディとの確執とか・・・。
ぜひ、楽しんでくださいね。
・J・エドガー@ぴあ映画生活
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