「9月が永遠に続けば」 第5回ホラーサスペンス大賞の作品。面白いけどクセがあります。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「9月が永遠に続けば」沼田まほかる作を読みました。


ストーリーは、

高校生の一人息子のことを何よりも気にかける41歳のバツイチ女性。ある晩ごみ出しに家を出た息子がそのまま姿を消したことで、主人公は半狂乱になって息子の行方を追う。少しでも手がかりを得ようと必死になる彼女の元へ、彼女が関係を持っていた男性が事故死したというニュースが飛び込んでくる。息子の失踪と男性の死は関係があるのか? そして、息子は、別れた夫の後妻の娘(義妹)と隠れて会っていたという話が伝わってきて、過去の因縁まで絡んできてしまう。息子はどこへ行ってしまったのか。

というお話です。


この作品は、本屋で平積になっていて、面白いとの触れ込みだったので、読んでみました。2004年のホラーサスペンス大賞なのに、いまさらどうして話題なのかなって不思議の思ったのですが、さすがに面白いと思いました。先が読めないんです。思ったとおりに進んでくれなくて、誰が誰と繋がっているのかがまるで予想が付かない。不思議な作品でした。


文章が、とっても読みやすいし、恋愛ドロドロ、サスペンス、の要素がめいっぱい詰まっていて、ドキドキするし、禁断の愛などでドロドロするし、痛かったり辛かったり、文章に振り回されるような展開で、面白いんですよ。題名を見て、ただのメロドラマかと思ったのですが、楽しめました。


沼田さんは、この作品がデビュー作とのことですが、文章の表現が、ちょっとしたニュアンスで、とてもエロく思えたり怖く思えたりして、バラエティーに富んでいて、すごいなって思いました。


主人公の主婦の目線で描かれているのですが、この主婦が、結構、こだわるというか、執着する人なんですよ。私は、あまり友達になりたくないような女性です。でも、女性なら、こういう執着や、人を見下すような感情、”私は私は!”っていう思いって、誰の心の中にもあるのかもしれません。それを見つめるのがイヤなだけなのかもって思いました。

とにかく面白くて、実は、ほとんど徹夜で読んでしまいました。だって、止められなくなっちゃったんですもん。次が読みたいって思うと辞められないの。すごいでしょ。私は、この小説、お勧め作品です。

決して、スッキリする終わり方ではないけど、でも、面白かったなぁ。そこに行き着くんだって、ラストに驚いたもん。ビックリしました。マジで面白いです!!


九月が永遠に続けば (新潮文庫)/沼田 まほかる
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