今日は、「ハラがコレなんで」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
この世で一番大事なのは、“粋”に生きること。妊娠9ヶ月にもかかわらず、お腹の子供の父親とは別れ、ついに無一文になってアパートを引き払う……そんな限界ギリギリの状況で、流れる雲を追いかけ、子供の頃に暮らしていた長屋にたどり着く。周囲の開発から取り残され、まるで昭和のままのその地には、貧乏で元気のない人々が肩を落として生きていた。「OK、大丈夫。私がなんとかする!」誰よりも困っているはずの光子が、彼らを助けるために立ち上がる。
というお話です。
いきなり隣の家の扉を開けて、たくあんを届ける光子の強烈さにビックリ!掴みはOKって感じで、話は始まります。最初のこの場面で解るように、昔って、隣の家に、いきなり”居る~?”とか言って入っていっても、何の問題も無かったんだけど、今、いきなり入ると、不法侵入だとか、プライバシーだとか、色々言われちゃいますよね。なんだか、ちょっと寂しいって感じ・・・。そんな人との繋がりが薄くなっている現代を変えていきたいなって思えるような作品でした。
なんでも、粋って事で片付けてしまおうとする光子に、周りのみんなは、振り回されっぱなしなんだけど、助けられているんですよ。はたから見ていると、何カッコつけてんだって、最初は思うんですけど、段々と、その粋って言葉が、投げやりに使われているんじゃなくて、心から、人との繋がりを大切にして、自分に納得のいく生き方をする為に、粋な生き方を貫いているってことが解ります。
今、こんな風に景気が悪くて、人の心も渇いている時代に、どうやって生きていけるかって考えたら、一人で生きるのではなくて、人と繋がって生きていくしかないですよね。粋っていう言葉で、人と繋がっていくことが出来たら、ステキだと思いませんか?自分も辛いけど相手も辛くて、そんな時、手を繋いでみたら、温かくなるし、辛くなくなるかも知れないです。少しづつでも、心に余裕を持って、粋に生きていくのも、いいっすよ。
それにしても、妊婦の様子をよく捉えてたなぁ。女って、無敵になる時が何度かあるのですが、その一つが、妊婦の時なんですよね。お腹に子供がいる時って、本人に自覚は無いのかも知れないけど、人が変わったように強くなって、マフィアに囲まれても蹴散らしてしまいそうだし、車が当たって来ても撥ね飛ばしそうな、そんな気迫が漲っていて、たとえば、口ゲンカなんてしようもんなら、泣きたくなるほど叩きのめされてしまいます。なんたって、二人分のパワーで押してくるから、太刀打ち出来ません。そんな強さを、この妊婦も、持っていました。言っておきますが、この主人公が特別じゃないですよ。妊婦はみんな、無敵です。(笑)
仲里依紗さん、大きなお腹を抱えて動く姿が、とってもかわいかったです。確かに、妊婦さんって、あういう歩き方しますよね。すごくリアルでした。中村くんも、チャラチャラしていなくて、男っぽい役で、粋でしたね。他の周りのキャストも、とっても活き活きしていて、本当に楽しい映画でした。
映画を観た後、監督とのティーチインがありまして、いくつか気になったのが、福島の場面があるのですが、この映画は、震災の5日前にクランクアップしていて、震災で何か変わったとかは無いつもりだとおっしゃっていました。でも、偶然ながら、福島での場面がとても良い場面で、未来を向いて復興していけるぞーって感じに思えて、感動してしまいました。よく、お笑い芸人が”笑いの神が下りてくる”って言うけど、良い映画を作っていると、ちゃんと監督の所に”映画の神が下りてくる”んでしょうね。偶然だけど、素晴らしい内容になるっていう典型のような気がしました。
私は、この映画、お奨めしたいと思います。人間の関わりが薄くなった現代、こういう粋という生き方が出来る人間が増えていけば、日本ももっと良く回っていくのではないかと思いました。隣の人が困ってたら、ちょっと助けてあげようよ。自分を捨ててまでは、する必要は無いけど、出来る事はして行こう。そして、人に助けてもらったら、誰かを助けよう。ちょっとした事で、人間って変わりますよ。
・ハラがコレなんで@ぴあ映画生活
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