今日は、「卵」を観てきました。ユスフ三部作の最初に製作されたもので、なんだか、凄い賞をたくさん貰っているようです。「蜂蜜」よりもたくさん貰っているみたい。数えられないです。
ストーリーは、
イスタンブールで暮らす不惑の詩人ユスフは母親の死の知らせを受けて帰郷する。実家には母親の世話をしつつ、5年間同居していたという美少女アイラが居た。その事を知らなかったユスフは驚くが、アイラから母の遺言を聞き、その遺志をくみ旅に出る。そして、自分の今までの歴史を思い返す。
というお話です。
ユスフは、母親が亡くなったという知らせを聞き、子供の頃に育った町に帰ってくる。母親の葬儀を執り行って、ひと段落着いて、母の面倒を見てくれていた少女アイラと改めて話しをして、初めて、自分の姪であることが判るんです。それまでは、葬儀でバタバタしていて、アイラが誰なのか分からなかったんです。トルコでは、結構、親族が近い場所に住んでいることが多いみたいで、母親の家には、何人もの親族の思い出が置いてあり、自分のルーツのようなものを感じ始めるんです。
でも、ユスフは、詩人として成功をしたようで、今は、イスタンブールという大都市に住んでいます。便利な都市に住んでしまうと、田舎の町に帰りたくなくなる気持ち、解るんですよね。ちょっと外に出れば、コンビニもあるし、交通の便も良い。なに不自由ない暮らしなので、田舎から早く都会に帰りたいという気持ちも解らなくはありません。だから、ユスフは帰りたがるのですが、何故か、色々な事が起きて、イスタンブールに帰る機会を逃してしまうんです。これ、何かあると思いますよね。
なんだか、故郷に帰ってきてから、色々な事が起きるので、やっぱり母親の遺言である事をやってあげないといけないのかなって思って、母親の遺言を遂行する為に、アイラと小旅行に出ます。本当は日帰りのハズだったんだけど、ここでもアクシデントで泊ることになっちゃうんですよ。不思議でしょ。
母親が、どんな望みがあって、その遺言を残したのか謎なのですが、なんとなく、ユスフの幸せを願ってのことだったのかなって思いました。何があっても、何時まで経っても、母親は母親なんです。いつでも、子供の幸せを願っている。離れて暮らしていようとも、子供の気持ちは、なんとなく感じているのだと思います。そんな母親の深い愛と、自分が都会で行き詰っている現実に向き合い、無理をしている自分を見つめ直すという姿が、心に響きました。
自分も、必死で走っていて、行き詰まっている自分に気が付きながらも、気が付かない振りをして、頑張っている時ってあるんですよね。誰かに頼ったり、甘えたりすれば、息がつけて、少し楽になるんだろうけど、それが出来合い時って、あるんですよ。でも、この映画を観て、両親の下で、ちょっと甘えたり休んできたりすれば、また新しいスタートが始まるのかなって思いました。主人に甘えて、なんとか堪えてきていても、やっぱり親の存在は違います。夫に話せないことでも、親には話せたりする事もあるし、やっぱり、そういう時間は何歳になっても、必要なんでしょうね。少し、考えさせられました。
若い頃って、親なんてウザいって思ったりしたけど、段々と、親の気持ちも解ってくるし、故郷も良いもんだって思えてくるんですよね。年を取ったってことなのかなぁ。でもね、結構、映画を観ていると、気づかされる事って多いんですよね。自分の過去を振り返って、親に酷いこと言っちゃったなぁとかって、後悔することも多いですもん。親が居なくなってからでは遅いので、生きているうちに、気持ちを伝えておかないとね。
ユスフ3部作、あとは「ミルク」だけだな。早く観たいよぉ。
・卵@ぴあ映画生活
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