今日は、「日輪の遺産」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
昭和20年8月10日、帝国陸軍の真柴少佐(堺雅人)は、軍トップに呼集され、ある重大な密命を下された。それは現在の価値で約200兆円のマッカーサーの財宝を隠すというもので、真柴は極秘任務を遂行するが、やがて任務の終わりが見えたころ、勤労動員として駆り出された20名の少女たちに非情極まる命令が出され……。
というお話です。
終戦時の8月10日から15日までのたった5日だけど、長い5日を描いていて、それによって運命を変えられてしまった人間たちの心情を深く描いています。終戦時は、こんなことがあったのかもという、理不尽さと、悔しさと悲しさと、なんとも言えない心の葛藤が、観ているこちらにも、グサッと刺さりました。戦争という悪夢を、ずーっと抱えて生きてきた人間が、どれほど苦しかったのかと思うと、こちらまで苦しくなりました。
9日に原爆が落ちて、もう日本は壊滅状態だったんですよね。だから、10日には、敗北宣言して良い状態なのに、またも組織の伝達時間がかかってしまい、15日までポツダム宣言の受諾が出来なかったらしいんです。だから、10日の時点で、上部の人は、自分の先行きを決めているのに、末端の人間は、その5日間も、命を懸けて戦いに行っていたんです。そして、国の為に、働いていたんです。あまりにも惨い仕打ちだと思いませんか?
多摩川近くの武蔵小玉に、戦後の日本復興に使う為の資金をあるところから調達し、隠すのですが、秘密の軍資金なので、軍関係の人間ではない、無垢な女子学生を使って隠そうとするんです。でも、国の為に身を捧げるという教育を受けてきた女学生達は、素直で可愛いのですが、反面、極端な考え方も持っています。戦争時は、どうしても、こういう教育しか出来なかったのでしょうが、本当に可哀想でした。
なんとも言えない、戦争の悲劇を描いていて、また、歴史も知ることが出来て、感動でした。もちろん、学校で習うような簡単なことはわかりますが、その場に居る人間の感情は、こういう映画で、ストーリー上で追っていかないと解りませんよね。今の時代、お年寄りから戦争の話を聞く機会もほとんど無いので、こういう映画でしか、そういう思いを理解する場面がありません。だからこそ、戦争の映画は、大切だと思います。あまり進んで戦争映画を観たいとは思いませんが、でも、戦争という悲劇を起こさないためにも、今一度、確認する必要があるのだと思いました。
この映画、とっても感動でした。軍関係者と女学生と学校の先生、まったく違う3方向の人間が同じところで同じ作戦を遂行していき、どこに行き着くのか、そして、戦争時と戦後、人々の心がどう変わっていったのか、深く描いているので、ぜひ、観て欲しいと思いました。それが架空の話であっても、もしかしたら、そんな話もあったのかも知れないと思って観る事が、自分の国を理解することに繋がって行くのだと思います。日本という国は、独特だし、島国なので、他の国には理解出来ないような、繊細な伝統と精神が息づいています。それを、少しでも、現代の人間が受け継いでいかないと、大陸の大雑把な考え方に支配されてしまいます。ぜひ、こういう繊細な映画を観て、日本人としてのやさしい心を忘れないで欲しいと思いました。
ぜひ、観に行ってくださいね。8月27日に公開です。出来れば、終戦記念日辺りに公開して欲しかったな。
・日輪の遺産@ぴあ映画生活
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