フランス映画祭、8作目は、「匿名レンアイ相談所」です。
ストーリーは、
小さなチョコレート工場を経営するジャン=ルネと、その工場にセールス担当として採用されたアンジェリック。実は有能なチョコレート職人であったアンジェリックは、次第に職人としての才能を発揮し始め、傾きかけていたジャン=ルネの工場は救われる。チョコレートへの愛という共通点を持つ二人は必然的に惹かれ合うが、もう一つの共通点が二人の恋愛の邪魔をする。それは人づきあいが極端に不器用で、自分の感情をうまく表現できないことであった。ジャン=ルネとアンジェリックは、それぞれ心理カウンセラーや同じ悩みを持つ人々からのアドバイスを受けつつ、二人の間に横たわる障害を克服しようとするのだが……。
というお話です。

この作品は、今年のフランス映画祭で観客賞をいただいた作品です。
この二人のラブストーリーなのですが、二人とも、実は、あがり症なんです。どうしても人の前に行くと、上手く話せないし、恐怖が出てしまう。どんな人にも、ある程度の緊張とか、対人恐怖というのはあると思いますけど、この二人は、極端なんです。全く、別々に生活していた二人なのですが、仕事で出会ってしまうんですね。お互い、ステキだなって思って惹かれ合うのですが、どうしても上手く伝えられない二人が、かわいいし、イライラするし、笑ってしまうという、なんともステキなお話でした。
周りの人間も、二人を応援していて、とっても優しいんですよ。ジャンが内気なのを判っていて、こうしたほうがイイよねとか、陰ながら応援しているんです。一見、経営者のジャンとか、営業をやるアンジェリクには、まったく興味を持たなそうな感じに見えるんですが、実は、すごく考えてくれていて、応援してくれている。周りにいるみんな、すごく暖かいんだなぁっていうことが伝わってきて、とても良かったです。
会社とかでも、普段は全く関わりを持たないような人が、何かの出来事で、すごく親身になって相談に乗ってくれたりすることってありますよね。実は、普段、騒いでいる友達より、いざというときに頼りになる同僚がいたりして、自分の見る目が無かったんだって思うことって、結構、あるのではないでしょうか。ワイワイしている友達って、味方のような顔をして、裏で悪口を言ったりってあるよね~。だから、この人なら大丈夫って見極めるまでは、あまり詳しい話は出来ないんですよね。人間って、難しい・・・。でも、思っているより、良い人が多い事に、この年になってくると気が付きます。それぞれ事情はあるけど、人を好きでいる方がステキですよね。
フランス映画なので、とってもオシャレで、粋で、ちょっとコンサバしてる感じでした。こういう、大体の展開が判ってしまう、レトロなタイプの映画って、なんだか、安心して観ていられるし、細かいところを見て楽しめるし、私好きなタイプでした。
なんだか、人ってステキだなって思えるような、本当に良い映画でした。深い内容がある訳ではないのですが、気持ち良く観れる映画です。日本公開は、まだ決まっていないようですが、観客賞も貰ったし、なんとか、公開してくれるんじゃないかなぁ。とっても良い映画なんだけどなぁ。でも、単館系なので、全国ロードショーとはならないかもしれません。
公開されたら、ぜひ、観に行ってくださいね。とてもステキな映画です。