先日、「大鹿村騒動記」 を観てきました。この映画、超面白かったぁ~。こんなに笑えるなんて、サイコーです。出演者も大御所ばかりで、誰もが楽しめるエンターテインメント。題名は地味だし、出演者は高齢だけど、この時期の大穴ブッチギリ映画とは、この作品のことだと思います。

ストーリーは、
南アルプスの麓の村まで走る路線バスに、18年前、駆け落ちで村を離れたふたりが乗っていた。鹿料理のレストラン「ディア・イーター」を営む風祭善は、300年の伝統を持つ村歌舞伎の公演を間近に控え、準備にいそしんでいたのだが、その稽古場に、駆け落ちした治と貴子が現れたのである。「善ちゃん、どうしようもなくて……返す」と治。貴子は前頭葉に疾患があり、記憶障害に悩まされているのだった。貴子は、18年前に演じていた歌舞伎の役柄のセリフだけはしっかりと記憶しており、舞台上で善と向き合うと、昔の貴子に戻るのだった。公演当日。幕が開き、例年通り多くの観客が見守る中、善と貴子、そして村民たちが力を合わせた演目が始まろうとしていた。
というお話です。
展開が、とんでもなくて、とても面白かったです。邦画で、ましてこんな大御所が勢ぞろいなのに、こんなに笑える作品は、久しぶりではないでしょうか。だって、駆け落ちした間男と妻が戻ってきて、妻を返すって言われても、夫はどうしたらいいんでしょうね。まして、記憶障害=ほとんどアルツハイマーの状態でしたから、いきなり、生のパスタを食べたり、味噌らしき物をそのまま口に入れたり、箸という言葉も、しょうゆという言葉も解らなくなっている。夫と間男の違いも判らない・・・。酷すぎます。でも、籍を外してなかったから、離婚は成立していなくて、まだ妻なんだから、返すって言われて・・・。
これ、本当にこういうことあったら、どうなるんでしょうね。普通は、実家に帰すのかな?だって、自分を裏切って出て行った妻でしょ。それも18年も帰ってこなかったんだから。会社の人に聞いたら、そんなの返されたらどうするんだろうなぁって、真剣に考えていましたよ。普通は許せないだろうから、追い出すんだと思うけどって言っていました。でも、この夫は違うんですよね~。まだ、奥さんのこと、好きなんですよね。なんだか、こんなに思われている奥さんが羨ましいです。
村の住人が、誰も彼も、すごく面白いんです。一癖も二癖もあって、個性が強すぎる~!!(笑)でも、みんな温かいんですよ。とっても優しい人達なんです。ステキですよね。もちろん、閉鎖的な田舎町は、窮屈なことも多いけど、でも、中に入ってみると、みんなで守ってくれる。みんなが家族のようで、温かいんです。
こんな田舎町に、リニアの計画が持ち上がって、賛成反対で、結構もめたりするんだけど、田舎にとっては、電車の駅が出来るのか出来ないのかで、随分と違うんでしょうね。リニアを通しても、駅が出来なくて、通過するだけかも知れないし、もし、駅が出来れば、観光地になれるだろうし、賛成反対があるのは当たり前。みんな悩みますよね。そんな現実的な問題も、組み込まれていて、楽しめました。
瑛太さんが郵便配達員で、佐藤浩市さんがバスの運転手、松たか子さんが役所職員など、こんな凄い人をこんな役に使っていいのっていうくらい、凄いです。三國連太郎さんが、逃げた妻の父親で=主役の義父で出ています。ちょっとした役なのに、映画を引き締め、やっぱり大御所は違うなぁというような存在感を与えてくれます。
この映画、映画好きなら、必ず観るべき映画だなって思いました。ストーリー回しや表現の仕方が、とても上手いです。そして、演じている役者さんたちの素晴らしさで、完璧というような出来上がりになっています。パッと見、とっても地味な映画だけど、ぜひ、観ていただきたいです。超お薦め作品です。
・大鹿村騒動記@ぴあ映画生活
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