今日は、「赤ずきん」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
大人になった赤ずきん、彼女の名はヴァレリー。彼女はいま、危険な恋の真っ只中。野生的で男らしいピーターと、細やかな優しさで包んでくれる親が決めた婚約者ヘンリー。ヴァレリーの心は、正反対の二人の間で揺れていた。そんな中、彼女の姉が何者かに殺されてしまう。魔物ハンターとして有名なソロモン神父は、犯人は満月の夜だけ狼に変わる人狼だと言い放つ。「狼は君たちの隣人か、親友か、妻かもしれない」。そして血のように赤い月の下、遂に“それ”が姿を現す……。
というお話です。
まず、言いましょう。面白かった。期待して大丈夫です。
赤ずきんのヴァレリーを演じているアマンダの美しさもあるけど、あのグリム童話で描かれていた、童話なんだけど、どうしても拭い切れないグロテスクな血の赤と、雪に覆われた森林の中の暗い雰囲気が、この映画では、見事にミステリーとサスペンスとなって描かれていました。子供の頃聞いた童話だけど、おばあさんと赤ずきんだけで、どうしてお父さんとお母さんが出てこないんだろうとか、なんで子供一人でお使いに出されたんだろうとか、色々不思議なことがあって、なんだか秘密めいた話だなって思ってたけど、この映画で、スッキリします。
ヴァレリーは、幼馴じみで男らしいピーターに惹かれているんですけど、母親はヘンリーと婚約させてしまいます。これには、結構深い裏話があるのですが、それは、話が進んでいくうちに判ってきます。若い頃は、誰でも、恋をして敗れて、巡り会わせが良かった人と結婚するというのは、ありがちだと思います。でもね、親が自分の夢とか思い出を子供に押し付けて、無理やりどうするとかっていうのは、ダメでしょ。子供には子供の考え方も在るし、感覚もあるんだから、親の押し付けは迷惑です。それは必ず失敗に繋がるので、止めてくださいね。
この赤ずきんの狼は、本当の狼じゃなくて、狼人間です。よく、吸血鬼と並べて話に出てくる狼族です。そして、狼は、ある目的の為に、いけにえではなく、人間を襲うようになります。その目的が、実は、ちょっと「え?」って思ってしまったのですが・・・。話としては、とてもよく出来ているのですが、この理由だけは、私、ちょっと納得が出来ませんでした。「それ、普通に頼んだほうが良くないですか?」って思ったのは私だけなのだろうか・・・。(笑)
ま、ある理由があって、狼族が村人を襲い始めます。そして神の使いである神父が、村を救いに来るのですが、ソロモン神父=ゲイリー・オールドマンは、観ていて、どーも、救っているように見えなくて、狩りを楽しんでいるとしか思えないんですよ。あんた、またも好き勝手して、そんなんじゃ狼に負けるよ~って感じなの。ちょっと笑えます。
そうそう、みどころと言えば、ヴァレリー=アマンダさんをめぐって、ピーターとヘンリーという二人の男性が入り乱れるのですが、ちょっと野生的で子供のようなピーターと、優しくて包んでくれそうなヘンリー、どちらもイケメンです。私は、ピーターがタイプなんですけどね。でも、肉食系と草食系、二通りが楽しめるので、女性にとっては、嬉しい限りです。二人ともそばに置いておきたいよぉ。
雪の中に、赤いずきんが、とてもキレイです。映像にもこだわっていて、ダークな童話の雰囲気を、とてもよく表しています。唯一つ、狼のCGが、ちょっと”ちゃちい”です。もう少し、リアルに出来ていたほうが嬉しかったな。
赤ずきんと言う名に恥じないように、童話の基本には、忠実に従っています。たとえば、”おばあさんの目はどうして大きいの?それはお前を見るためだよ。おばあさんの耳はどうして大きいの?それはお前の声を良く聞くためだよ。おばあさんの口はどうして大きいの?それはおまえを食べる為だよ!”というセリフや、お腹に石を詰めるところなど、童話そのものの出来事が上手くストーリーに組み込まれ、楽しめます。ここら辺は、上手いなぁと思いました。
私は、この映画、とてもお薦めだと思います。子供でも楽しめますよ。大人の恋愛も描いていますが、赤ずきんの基本も崩していないので、誰でも楽しめます。でも、大人が観ると、より、深い大人の愛が読めるかも知れません。私は、好きな人がたとえ狼でも、愛していきたいと思うと思います。パイレーツ・オブ・カリビアンでの、最後のウィルとエリザベスのような、あんな深い愛で繋がっている二人が居ても、ステキですよね。そんな映画です。
ぜひ、公開されたら、ご覧になってください。満足出来ると思いますよ。